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エンジニアのための意思決定力を鍛える(初級編)
エンジニアとして仕事を始めた頃、「これで正しいのかな?」と迷う場面が多いものです。エラー対応やタスクの優先順位付け、新しいツールの採用判断など、大小さまざまな選択が日々求められます。
初学者にとって、こうした判断はプレッシャーに感じられるかもしれません。でも、意思決定力は少しずつ練習して鍛えられるスキルです。この記事では、「自分で考える力」を育てながら、判断の精度を上げていくための方法をお伝えします。
意思決定力を磨く3つのステップ
1. 問題を整理する
意思決定の第一歩は、課題を正確に把握することです。問題がぼんやりしていると、適切な判断ができません。まずは現状を整理し、優先順位をつけましょう。
現状を明確にする
例:「どの部分でエラーが発生しているかを特定する」「タスクの中で何が最優先かを判断する」。書き出してみると整理が進みます。
優先順位を考える
影響が大きい部分や、期限が迫っているタスクから対応するのが基本です。
2. 小さな判断から始める
意思決定力は、日々の小さな判断を積み重ねることで育まれます。最初から大きな判断をする必要はありません。
仮説を立てて行動する
例:「このコードを修正すればエラーが解消するかもしれない」「まず試してみて結果を確認しよう」など、小さな一歩を踏み出すことが大切です。
時間を区切る
迷ったまま時間を浪費しないために、「10分調査して解決しなければ相談する」といったタイムリミットを設けましょう。
3. 相談を通じて精度を上げる
自分で考えるだけでは限界があります。相談は意思決定力を磨く重要なプロセスです。
相談のポイント
「どうしたら良いですか?」ではなく、「これを試しましたが、こう考えています」と伝えることで、適切なフィードバックが得られます。
フィードバックを活用する
アドバイスを次の行動に活かすことで、判断の精度が少しずつ向上していきます。
僕の経験談
エンジニアとして働き始めて1〜2年ほど経った頃、本番環境での作業立会を任されたことがあります。作業はベンダーさんが担当し、僕は依頼者側の立場で見守るだけの役割でした。簡単な作業内容だったので、立会は僕一人。しかし、想定外の問題が発生し、本番環境の再起動が必要になったのです。
その場で上司や先輩に連絡を取ろうとしましたが、繋がらず、僕が判断を下すしかありませんでした。とても緊張しましたが、ベンダーさんにリスクや影響範囲を細かくヒアリングし、「再起動しても問題ない」と判断しました。そして思い切って再起動を実行。幸い問題は解決し、先輩からも「よくやった」と褒められました。
この経験を通じて、「自分で考えること」と「相談を活用して判断を磨くこと」の重要性を実感しました。これが僕にとって意思決定力を鍛える第一歩になったのです。
まとめ
意思決定力は、小さな判断の積み重ねから磨かれていきます。以下のステップを繰り返すことで、自然と成長できます。
問題を整理し、優先順位をつける。
自分で仮説を立てて行動する。
相談やフィードバックを通じて精度を上げる。
まずは今日、何か一つ小さな判断を意識してみてください。それが積み重なれば、いずれどんな場面でも自信を持って判断できるようになります。失敗を恐れず、少しずつ挑戦していきましょう!