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技術とマネジメントのバランスを取る:プレイングマネージャーの成長戦略

プレイングマネージャーは、技術力とリーダーシップの両方を求められる特殊な役割です。エンジニアとしての技術を活かしながら、チームやプロジェクトを導くためには、どのように技術とマネジメントのバランスを取るべきか? 僕自身もCTOとして、技術的な手を動かしながらリーダーとしての役割を果たしてきた経験から、プレイングマネージャーの成長戦略をお話しします。


1. プレイングマネージャーとして直面した技術とマネジメントの両立

プレイングマネージャーとしてのキャリアの中で、僕が特に直面した課題の一つは、技術的な問題を解決しながら、同時にリーダーシップを発揮することです。成長期の組織では、技術的な問題が山積し、日々多くの課題に向き合う必要があります。僕自身、エンジニアとして技術に没頭してしまう性格なので、ついつい技術的な課題に集中してしまい、マネジメントが後回しになることがありました。
特に、あるプロジェクトで発生した技術的なボトルネックの解決に深く関わった際、自分で解決に取り組む時間を確保しすぎて、チームの進行全体を見失ったことがありました。重要な決断や進行管理が手薄になり、結果的にプロジェクト全体が遅れてしまった経験があります。技術的な介入をしても、チームをリードする視点を失ってはいけないという教訓を、この経験から得ました。
技術的な問題に直面した時、僕が学んだのは、技術だけに没頭せず、常にチーム全体を見渡しながらリーダーシップを発揮すること。重要な技術的課題に関わる際でも、プロジェクト全体の進行状況を常に俯瞰し、必要な場面で技術を活かしながらリーダーとしてチームを導いていく姿勢が大切です。


2. 技術業務を手放す際の葛藤と判断基準

技術的な仕事を他のメンバーに委任する際には、葛藤と決断が必ずつきまといます。特に若い頃は「自分のほうができる」「自分でやったほうが早い」という気持ちが強く、どうしても他のメンバーに依頼できないことがありました。自分でやる方が確実だという思いが、結果的に僕自身を追い込んでしまい、プロジェクト全体の進行に悪影響を及ぼすこともしばしばありました。
年齢と経験を重ねる中で、僕がたどり着いた結論は、「基本的に全てを委任し、自分は暇であることがベスト」ということです。マネージャーは、トラブルや予期しない事態が発生した時にすぐに動けるように、自分の手を動かす業務から距離を置く必要があります。初めは、委任した仕事が自分の期待通りに仕上がらないことも多くありましたが、それを受け入れ、チームに任せて成長させることが最も重要です。
判断基準としては、自分がやらないとプロジェクト全体がリスクにさらされるかどうかが一つの指標です。トラブルが発生して自分が対応しなければならない場面では介入しますが、そうでなければ、メンバーに依頼し、全体を見渡す役割に徹することを意識しています。


3. キャリアアップ時の技術力とマネジメント力のバランス

僕自身、プレイングマネージャーとしての経験からキャリアアップしていく過程で、初めの頃は技術にばかり重きを置き、マネジメントのスキルを上げることをあまり重視していませんでした。しかし、失敗を重ねた結果、マネジメントの重要性を痛感しました。それからは技術力以上にマネジメントに時間をかけ、基礎から学び直して実践に活かすというサイクルを繰り返しました。
次第に、技術とマネジメントの両方にアンテナを張るようにして、常にインプットとアウトプットを続けていきました。技術はもちろん、マネジメントも成長のためのスキルです。僕は、技術の深さと広さの両立を目指しています。プレイングマネージャーとして必要なことは、広く知識を持ちながら、同時にある程度の深さも持っていることです。どちらか一方だけではなく、両方をバランスよく伸ばしていくことが大切です。


4. プレイングマネージャーを目指すエンジニアへのアドバイス

プレイングマネージャーは、エンジニアとしての知見を活かしつつ、チームをリードする非常にやりがいのある役割です。技術力とマネジメント力の両方を求められるため、確かに勉強や実践は大変です。しかし、その苦労の先には、チームの成功と自分の成長という大きな達成感が待っています。
一番の心構えは、自分が常に俯瞰して物事を見れる状態にすること。エンジニアとしての技術力を持ちながら、チームに仕事を任せて自分は一歩引く。このバランスをしっかり保つことが、プレイングマネージャーとしての成功の鍵です。
リーダーとしてチームを信頼し、仕事を任せることがエンジニアたちの成長に繋がります。時には自分が介入して助けることも大事ですが、基本的には「チームに任せる」というスタンスを持ち、自分が最終判断を下す役割に徹するべきです。これが、チームの力を最大限に引き出し、プロジェクトを成功へ導く道です。


まとめ

プレイングマネージャーとして、技術とマネジメントのバランスを取ることは非常に難しいですが、成功のためには両方をバランスよく成長させることが欠かせません。技術力に頼りすぎるのではなく、リーダーシップを発揮し、チームを信頼して任せることで、最終的な成果を最大化することができます。自分にとっての最適なバランスを見つけ、プレイングマネージャーとして成長を続けていきましょう。

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