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【ひとり散歩2】九段下から神保町へ~食べて、祈って、本を読む~

8月なので毎年恒例の靖国参拝。
九段下の駅を降りて大きな玉ねぎを左手に見ながら靖国神社へ向かう。

朝の靖国神社は清々しい。平和に感謝し、平和を祈る大切な時間。

せっかく九段下まできたのでお気に入りのカフ「DIXANS 九段下」に足を運ぶ。

アイスコーヒー(爽やか)とバスクチーズケーキ

めちゃくちゃ喉が渇いていたせいもあるが、この夏に飲んだアイスコーヒーの中でダントツで一番好みのアイスコーヒーだった!

長いこと読みかけだった金原ひとみさんの「パリの砂漠、東京の蜃気楼」を読み切る。
今にも壊れそうな金原さんが紡ぐ言葉は鋭くて美しい。危うさを増せば増すほどに輝く彼女のエッセイにヒリヒリした。

さて、神保町までぶらぶらと歩く。
大きな通りをまっすぐにゆっくり歩いて10分くらい。

その間私の脳内ではカレーとナポリタンとその他麺類等が殴り合いの喧嘩をしている。
ボンディ、ガヴィアル、スマトラカレー共栄堂、さぼうる、ラドリオ、丸香、馬子禄…次々思い浮かぶ名店の数々。
食いしん坊スイッチ全開であれこれ思考するこの時間が一番幸せだったりする。

激しい戦いの末、勝利を収めたのは「さぼうる2」のナポリタン。
めちゃくちゃ絶品!というわけではないんだけど、なぜか食べたくなるケチャップたっぷり懐かしナポリタン。

相変わらずなかなかのボリュームで食べても食べてもナポリタンの山は崩れない…
心を無にしてナポリタンをフォークに巻いて、口に運んで、巻いて、口に運んで、アイスコーヒーを飲む。美味しい…とても美味しい…至福の時間。

ちなみにナポリタンを食べている間中ずーっとKinKi Kidsが流れていて、懐かしさに胸が震えっぱなしだった。あらためて名曲ばかりであることを再確認しつつ、「青の時代」で懐かしさはピークに達した。

すっかり満腹になったところで「東京堂書店」へ。
神保町に来たら必ず立ち寄る大好きな新刊書店。
1階(人間の”未来”を読むフロア)の真ん中に位置する「軍艦」と呼ばれる平台のチェックから始める。「文化の脱走兵」「水と人の列島史」「地図とその分身たち」「東京降りたことのない駅」などなど気になる本を片っ端からチェックする。
その後、同じく1階で文庫を一通りチェックしてから、2階(人間の”活動”を掴むフロア)と3階(人間の”思考”を辿るフロア)をゆっくり徘徊する。「海の本」といった夏らしい企画があったり、「食・酒を読む」といった酒呑みにはたまらない企画もあったりしてとにかく楽しいテーマパーク状態。あっという間にお金と時間が溶けて行く。

引き続き目的もなくぶらぶらと古本屋さんやシェア型書店やら歩き回る。
シェア型書店に自分の棚を設けるとしたらどんな本を並べようかなぁ…なんて妄想したり。

PASSAGE by ALL REVIEWS

さて、歩き疲れたのでそろそろどこかで一服したい。
ミロンガ、ラドリオ、神田伯剌西爾などなどこの辺りは大好きな喫茶店が大渋滞していて悩ましいが、今日は移転してからまだ訪問できていなかった「ミロンガ ヌオーバ」へ(移転と言っても数十メートル移動しただけだが…)

実はミロンガ、世界のビールも色々と取り揃えていて一瞬心が奪われそうになるも、まだ日も高いので何とか心を落ち着けてミロンガ・ブレンドをいただく。

タンゴが流れる店内では比較的静かにひとり時間を楽しんでいる方が多くて読書に没頭しやすい雰囲気。ということで8月になると読み返したくなる村上春樹氏の「風の歌を聴け」を一気に読み直す。何度読んでも新鮮で好き。久しぶりに"鼠三部作"を読み直そうと心に決めながら帰路につく。

大好きな街で食べて、祈って、本を読んで…そんなささやかな喜びの積み重ねが人生を豊かにしてくれる、という小さな休日の記録。

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