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【批判と○○は違う】

「平和を望むなら、批判的思考を」
本作の冒頭、著者はそう説く。

《東大白熱ゼミ ~国際政治の授業~ 小原雅博 著》
東大教授である著者と東大生が「そもそも政治ってなに?」といったようなゼロから考え、「国益とは」「社会にとって銃は悪か」「平和のための軍事力はどうあるべきか」といった国際政治について討論しあう本作。

この本を読み始めたとき、最初はなぜ批判的思考が必要なのかわからなかった。
むしろ批判は相手を委縮させ、場の空気を悪くし、あまりプラスに働くようなことではないのではないかと思っていた。
しかし、読後、批判的思考の必要性を知るとともに、僕が今まで見えていなかったある間違いに気がつく。
それは、批判と否定を履き違えていた、ということ。

事実を分析して客観的に良し悪しを判断し受け入れる批判と、思い込みと好き嫌いで主観的に拒絶する否定。
似ているようで、正反対。

否定は視野狭窄を招き、考えを固定化する。
けれど、批判は視野を広げ、新しい考えを生み出す。
本作で教授と東大生たちの討論に触れてみて、そのことをひしひしと感じた。

ことなかれ主義の僕にはなかった、批判的思考。
まずは、自己否定を自己批判に変えるところから努力してみようと思う。

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