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意図しない偏食

こんにちは。
薬膳師のクコの花です。

皆さんは好き嫌いはありますか?
お母さんやお父さんから「好き嫌いしてはいけません」と言われて育ったかたも多いと思います。
私達も子育て中に何度かは子供に言ったことがある言葉でしょう。

薬膳の世界では健康な身体とは色々なものがバランスよく存在していて、中庸といわれる状態が保たれているときのことを言います。

偏食をすれば、それだけ食べたものの性質に身体が傾いていってしまうので、その傾き方でさまざまな不調が現れてきます。

先に述べた偏食は、好き嫌いによるので、薬膳学的には『好みによる偏食』と定義されます。

これに対して『意図しない偏食』というものがあります。

これは好き嫌いにかかわらず、何気なく食事をしていたら知らず知らずのうちに食べたものの「性・味」が偏ってしまい、結果的に偏食になっていたというものです。

家庭でつくられる料理はその家々で癖があるので、気がつくと偏っていたということがしばしば起きます。ですから、調べてみると家族が同じような体質になり、その体質が原因で同じような不調をかかえている場合もよくあることです。癌家系などの言葉を耳にしますが、これはやはり意図しない偏食に家族が陥りやすいからともいわれています。

全ての食物には五性五味といった特徴があるので、それによって身体が冷えやすくなったり、熱で身体の血液などが粘ってしまって新陳代謝が悪くなったりなどの不調が起きます。

また五味と言われる味はそれぞれ五臓に属していて、偏食すると臓器に障害があらわれることもあります。

分かりやすい例でいうと「甘味」というのはもともと脾という臓に属しているので、偏って食べていると、お腹が痛い、身体がだるい等の不調が出ます。

この状態を無視して甘味を食べ続けると、そのうち腎に障害が出ます。腰が痛い、毛が抜けるなどの不調があらわれ、終いには糖尿病を発症しかねません。

このように一つの食味に偏ってしまうと様々な臓器に害を及ぼします。
ですから、私たちはバランスよく食べることが必要なのです。


といっても、薬膳を知らない人にとってはどの食べ物がどの性でどの味なのかがわからないでしょう。


そういう場合はまずは旬のものを少し取り入れてみる。何となく色味がカラフルになるように食材を選んでみるなどのところから始めてみると良いでしょう。



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