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変わらなくていいことが変わることだとわかった

離婚してから、私は自分が変わらなければ
同じことを繰り返してしまうと思った。
自分が変わらないと、人生が変わらない。
なぜなら、私が人生の選択をしてきたから。

相手を選んだのは私であり、
結婚を決めたのも私であり、
離婚するようなことになったのも、
私の日々の選択の積み重ねだ。

だから、私は変わらなきゃと思った。

遠く知らない土地に引っ越しをして、
住む場所を変えて、職場も変わった。
人間関係が変わった。

私の性格を変えるのはできない。
見た目から変えようとした。

服装を変えるために、
スタイリストさんにみてもらった。

メイクを変えるために、
美容研究家にみてもらった。

髪型を変えるために、
髪をバッサリ短く切った。

話し方を変えるために、
ヴォイストレーニングに通った。

身体を変えるために、
マッサージにも通った。

人生が変わるライティングゼミ、
マナー、コミュニケーション……
いろんなセミナーにも参加したし、
いろんなリトリートにも参加した。
人生感が変わる宿にも泊まった。

すべては私が変わるために。

でも、何年経っても同じところをぐるぐるまわっている気がした。

「それ、全部やめたら」
そう言われた。

数え上げればゆうに10個以上の学びをしていた。
全部やめる。
そう考えてみたとき、恐怖感があった。
やめるのがこわい。

依存状態だ。
あれ? 私は依存症から抜け出すために
いろいろやってきたのに……。
共依存だった夫との関係をつくったのは私で、
同じことを繰り返さないために、
自分を変えようと努力してきた。

なのに、やっぱり依存している。
学びというものに依存していることに気づいた。

学び続けている限り、何も変わらない。
私の純粋な好奇心を満たすために
やりたいからしていることばかりだった。

1年前に、学びんでいることを絞ろうとした。
毎週通ったヴォイストレーニングをやめた。
朗読もやめた。

でも、茶道を始めた。
礼法も始めた。
着付も始めた。

あれ、いつのまにか、
プラスマイナスゼロ状態になっている。
減っても増える。

だって、やりたいからしていて、
やりたいことはやってみたらいいじゃないの。
そう思って、
好奇心を満たしてくれる学びを
続けていた。

それもあなたにはいらない。
もう何も足さなくていい。
そのままのあなたで十分だから。

そう言われて、なぜかとてつもなく
心の奥底から込み上げてくるものがあって、
号泣した。

ああ、本当の私は、
もうしなくていいと思っていたんだと思った。

思い切って、楽しく通っていた講座をやめた。
それは、とてもとてもつらい決断だった。
身を切るようにつらい。
だって、知りたくて学びたいから
楽しく通っていたので、
やめるなんて思っていなかったから。

でも、死んだ気になってやめた。
死んだら何もかも手放さないといけないし、
諦めもつくというものだ。
死んだと思おう。

自分の外の何かや誰かから
何かを得ようとすることをやめた。

何もない自分でも大丈夫だと
自分にわからせるために。
大丈夫じゃないから、
自分以外の何かに頼ろうとする。
すがろうとする。
それが、依存状態となる。

そうではなくて、
何も足さない私でも生きていける。
変わらなくちゃだめだと思って、
一生懸命変わろうとしていたけれど、
変わろうとすればするほど、
今の自分を否定していた。
変わろうとすればするほど、
今の自分に自信をなくしていた。

変わるのやめていいよ。
そう自分に許可を出したら、
自分が変われた気がした。

変わらなくていいと腑に落ちた瞬間、
私の意識が変わった。

今の私で生きていこう。
こわいけれど、大丈夫。
私には私がついているから。

そう言い聞かせて、
アルプスの少女のハイジのクララが
車椅子から一人で立って、
歩いたように
私は一人で自分の足だけで歩き始める。

何かがあってもなくても
誰かがいてもいなくても
私が生きているかぎり
私は私を幸せにしてみせると
覚悟した。









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