家ごはん|ちぢみほうれん草のジェノベーゼ風 & 『風の谷のナウシカ』
最高気温35℃前後の続く夏の時期に、暑すぎて火を使わない料理を作るようにしているという内容を書いたことがありますが、マイナスの気温の続く最近もまた、火を使わないレシピを探す日々が続いています。理由はPM2.5のひどい日が続いているからです。
新鮮で汚れた空気と入れ替えるよりは…
調理中に火を使うと室内の二酸化炭素濃度が上がるため窓を開けた換気が必要になりますが、PM2.5のひどい日に換気をすると、
・室内の汚れた空気と
・室外の新鮮で微細なホコリを多く含んだ汚れた空気
を入れ替えることになるのであまり気が進みません…。
もちろん、寒い日にはスープやお鍋など温かい汁物を食べたいと思う日も多いですが、スープの代わりに温かい飲み物を飲んで、食事は生の食材を和えるだけ、レンジ調理、火を使ったとしても油を使わずに短時間の加熱で済むレシピを探して作っています。
ちぢみほうれん草のジェノベーゼ風ソース
火を使わないレシピとして、冬に甘くおいしくなる”ちぢみほうれん草”を生のまま使ってジェノベーゼ風のソースを作りました。パンに塗ったりパスタにからめたりして食べています。
PM2.5で思い出す『風の谷のナウシカ』
(一部内容に触れています)
ところで、PM2.5のひどい日には『風の谷のナウシカ』を思い出します。その直接的な原因は、PM2.5の濃度を知らせてくれるアプリの画像がナウシカが腐海でつけるマスクと似ているからだと思いますが、PM2.5のひどい日には実際に呼吸をするときに気管支あたりに違和感を感じるからだと思います。
もともとアレルギー体質で、日本にいるときから慢性的な鼻炎と、春と秋にはひどい花粉症に悩まされていたので、呼吸関連の粘膜や気管のあたりが炎症しやすいという自覚はありました。韓国に来てからは鼻炎だけでなく年がら年中咳をするようにました。今は少し免疫がついたのか、PM2.5のひどい日にだけ胸の中央あたりに違和感を感じ、咳が出ますが、渡韓当初よりはだいぶよくなったように思います。
『風の谷のナウシカ』の名場面の一つに、ナウシカが腐海の上空でガンシップを足で操縦しながら、マスクを外して話すシーンがあります。動揺している風の谷のおじいちゃんたちを落ち着かせるために、ナウシカがあえてマスクを外して微笑みを見せるのですが、このシーンはカッコ良くもあり、心細くもあり、何度も見返しました。小さい頃は、ナウシカをカッコいいなと思う一方で、「少し肺に入っ」てしまったのならナウシカの寿命は縮まってしまっただろうか?と不安に思っていたように思います。
朝起きたときに咳が出て少し呼吸がしづらいなと感じる日には、窓の外の景色に白い靄(もや)がかかっていたり濃い埃の霧(きり)で真っ白だったりします。ナウシカがおじいちゃんたちに話を終えてから笑顔を見せたあと、隠れて「少し肺に入った」と苦しそうにしますが、そのときの肺の感覚や息苦しさはもしかしたらPM2.5のひどい日に屋外で深呼吸する感覚に似ているのかもしれないなと妄想したりします。
東京に帰ると、まずその空気のきれいさを感じます。モヤのかかっていないカッチリとした青空が当たり前のように存在していることのありがたさを噛みしめます。飛行機で2時間あまりしか離れていないのに、なぜこんなにも空が、そして空気がきれいなのか。考えてみてたどり着いた結論は、ああ、ここは「海から吹く風様に守られておる」からだなということです。