クロノという男の子、マールという女の子、そして星が見た夢について
突然だけどクロノトリガー(特に魔王様)が大好きですし彼は私と結婚する運命にありますが、それはそれとしてクロノトリガーについて好き勝手にあれこれ書きました
ーーー
▼前提
私は魔王様が大好きなので、基本的にはすべてのイベントや事例を"私の中での魔王様"の都合が良いようにこじつけ、原作を拡大解釈し、場合によっては「その方が魔王様の不遇さが際立つから(※不遇なイケメンが好き)」という理由で安易に原作改変までするタイプです。
この投稿は「私はクロノトリガーに対してこのような幻覚を見ていますよ」という満天下での自己紹介であり、このこじつけとしかいえない解釈をあなたに押し付けるつもりはありません。
「こういう厄介な人もいるんだな」という寛容な精神で見守ってください。
上記の通り衝動的に原作改変等を行うため要所要所で辻褄があわないところが散見されるものと思われますが、それもまた幻覚、ご都合として見逃してください。
あと大事なことなんですが、魔王様ガチ恋夢勢です。
魔サラをはじめとする魔王様に関連するCP要素を想定して書いていないので、地雷の方がいたらすみません。
▼クロノ
クロノトリガーの主人公である男の子、クロノは、どういう男の子だと私が解釈しているかです。
当時のRPGでは基本的に喋らない主人公が多かったので、クロノもその1人です。
まだ10代の、王族や勇者でもない一般人、そしてその年代の庶民にありがちな「はっきりした夢や目的がなくなんとなく生きてる」(あったかもしれないけど作中では出てきてないと思う)、普通のカニ頭の少年です。
クロノはプレイヤーキャラとしてあまり意思表示を明確にしないまま物語が進みますが、彼が唯一、私が(プレイヤーが)そんな選択していないのに勝手に自分の意思で行動したことが一度だけあって、それが魔神器でのあの身を挺して味方を守って死んでしまった一連のイベントでした。
魔王様の実家が起こした騒動でそんなことになってしまったわけですが、この"クロノが唯一自分で意思表示してきた瞬間"から、私はいろんなことをこじつけて考えます。
▼魔王様
現代組の3人を除き、原始のエイラ、古代の魔王、中世のカエル、未来のロボたちは、みなそれぞれその運命に翻弄され生きています。
全員語ると疲れるので、LOVE魔王様とカエルを例に挙げます。
私のTwitterを見てくれている方は「この人またその話してる」だと思いますのでこの項飛ばしてOKです。
マイ・スイート・エンジェモンである魔王様は、幼少期に母親がラヴォス(以下、ラ)によって狂っていくさまを目の前で見せつけられ、家族として最愛の姉は奪われ、自身はまだ幼いのにたった1人で中世に落とされるという、過酷かつ不遇すぎる運命に翻弄されまくっています。
彼はそのままラへの復讐を誓い、人間を捨て魔族の頂点・魔王にまでその身を落とし、それでも……て感じで、要するに、お礼を言いたくなるほどの悲惨な目に遭いまくるわけです。不遇すぎるイケメンだ～いすき。何度でも味する。魔王様だけ徹底的に不幸だよね。
魔王様は幼少に親元から離され過酷すぎる生活をしていたので自我が正常に形成されず愛着障害を起こしており、唯一自分に優しかった記憶の中の姉しかすがるものがないまま大人になりました。
自分自身をないがしろにしてまで姉を救おうとする、姉の救出こそ我が価値の全てと思い込む(クロスのために作られた追加EDの「もう人生に意味ないから消えちゃいたい」みたいな発言がこの妄想を補強した)、そういう人としての不安定さ、変動する他者に自身の価値を見出だしてしまう不幸さ。
本当に大切なものは魔王様自身であることを姉ですらそう言ってるのに自分は理解せずに魔王にまでなってしまった。人を大切にしたいと思うなら自分をまず大切にしなければ、大切にするそのやり方が身の破滅しか発想できないのでは？ 実際その通りだった。
彼は夢を見ました。諦めてきたものがたくさんあったから。奪われたものがたくさんあったから。
それは優しい母であり、大切な人を失わないことであり、生きる希望を持つことであり、そして一番大切な自分自身でした。
▼カエル
グレンは、サイラスに「俺より剣の腕は上だよ」とか言われるほど実力があるのに、勇気がなくて、自信がなくて、結果大切なサイラスを失ってしまい自分もカエルにされてしまいます。魔王様のせいなんですけど。
魔王様とカエルの運命の構図についてはこの投稿の6倍くらいの熱量で語れるのですが今回は飛ばして、てかはやく本題に入りたいからもはやグレンの項すら飛ばすんですけど、要するに彼もあらゆるもんを諦めて奪われて、運命に翻弄されていた。
サイラス、リーネ(私はカエル×リーネが好きなのでこういう発想になる)、自分がもっとはやく勇気を出せてたらという過去への後悔。
カエルの姿になって得たものもあった、という彼の言葉は重いよね。魔王様のせいなんですけど。
▼クロノという男の子
魔王様とカエルのように、クロノとマール以外のみんなはそれぞれ運命を自分で選んできたというよりは、確かに最終的には自分で選んだことではあるが特に魔王様は運命のせいでむしろそう振る舞うしかなかった、その選択肢しかなかった、という"本来たくさんあったはずの自分の未来への選択肢"がはじめからひとつかふたつしか与えられなかった人たちです。
でもクロノは全部持っている。
前述の通り、明るくて前向きで、特に目的なくても生きていけちゃうほど平和な時代に生まれ、親は生きていて、幼馴染みは生きていて、好きな女は自分で守れて、未来を自分で選ぶ力を持っている。
各時代の仲間たち、そして人々が、少しずつ未来に対して夢を見て、こうありたかった自分こうであってほしかった未来を思った。
クロノは魔王様のなりたかった未来の一つで、カエルの失われた未来の一つで、みんなのそういう「未来の希望」を少しずつ集めた姿が主人公のクロノ、そうやってこじつけて考えるのが私は大好きです。
希望の元に、望まれて生まれてきた男の子。
それがみんなを救う、主人公クロノです。属性は、天。
う〜んかっこいいね。
▼マールという女の子
もう一人、クロノと同じように明るく前向きで、平和な時代に生まれ、親が生きていて、幼馴染はいないけど好きな男と大切なお友達がいて、自分を大切にして、未来を自分で選ぶ力を持っている、運命を愛した女の子がいます。
それがマールです。
マールはお姫様でした。
普通に生きていればたぶん王族として約束された安泰の未来があった。
でも彼女はお姫様である前に「自分は自分」だとして、その運命を蹴って、自分で自分の行く末を選びました。
そして自分で選んだクロノと旅に出た。
マールは、ただひたすらに今を生きています。自分を生きています。
幸運だっただけかもしれないが過去への後悔はなく、つまり自分が選んだ選択肢への後悔はなく、真っ直ぐに生きています。
みんなが夢を見たように、星も夢を見た。
クロノトリガーのコピーは「星はかつて夢を見た」ですが、その通り夢を見た。
みんなの夢が、そして星の夢が、クロノという男の子を誕生させた。
クロノはみんなの夢だから、ひとつの未来の姿だから、殺された未来がクロノとしてみんなを救いに行く。
未来はみんなに絶対に、復讐なんてしない。
で、じゃあクロノのことは誰が救うのか？
それがマールです。
星が見た夢を、みんなが見た夢を、救ってくれたのは誰かの見た夢でもなんでもなくて、現実を自分らしく生きる女の子マールです。
▼自我がなさすぎるクロノと死の山のイベント
クロノは本当に意志を感じさせない主人公、というのは冒頭に話しましたが、それはクロノがみんなの見ている夢だから。星が見ている夢だから。
だから彼は自分が薄くて、自我があるけど曖昧で、このへんがうまいこと10代の不安定で霧の中にいるみたいな形の定まっていないあの感じに合ってはいるけれど、夢のようにいまいちまだ実体がないとも言える。
ストーリー中でも、彼は自分で選んだのではなく、どんどん運命に流されていく。なりゆきで世界を救っていく。
そしてそんな彼が、彼自身を思い出したかのようにプレイヤーの意思に反して突然自我を出してくるのは、魔人器イベントでの自殺行為です。
私はそんな選択してないのに、彼がそれを選んだ。
彼はマールを、というか多分この時点まではみんなを救うために、身を挺しました。
だって彼はみんなを救う選ばれなかった夢だし未来の化身だから。
マール以外にも多少の情は湧いてたと思うので、その場にいたのが大切な仲間だからやったという彼の意思ももちろん多少あるんでしょうけど、それが彼の唯一の意思だったから。
星の夢は自分を蝕むラに対抗するために、みんなのために、クロノを使って自分を引き換えにみんなを守りました。
みんなの未来は選ばれなくても、みんなをちゃんと守りました。
星の夢は、みんなの夢は、一度そこで終わる。
叶わなかった形で終わりました。
でもマールにとっては違った。
彼女はそんな運命を選択しなかったし、望まなかった。
マールの夢は、夢というか現実の力は、生きている人間の強い望みは終わらなかった。
彼女は夢なんて最初から見ていなかった。
箱入りのお姫様だったマールディアは、クロノのために奔走して、そして仲間のみんなと一緒にたくさんの悲しみや困難をくぐり抜けて、死の山でクロノを生き返らせます。
簡単ではなかった。だってお嬢様どころかお姫様ですよ。
いくら仲間がいて意思が強くてもお姫様で、まだ10代の女の子、少女ですよ。
スマホ版だと死の山の風強いところ操作が超難しいし。まじで簡単ではなかった。
クロノのために、自分で選んだ未来をがんばるマールの姿は仲間を、多くの人を勇気づけました。
そして、星はもう夢を見ないけど、星に生きる仲間たちはもう一度夢を見た。
それはなりたかった、なれなかった自分の未来へ思いを馳せたのではなくて、現実の夢として、実現できる希望として、クロノを生き返らせるという輪郭のはっきりした明るい夢です。
星の夢見たクロノは死んで、クロノとして、みんなが、マールが現実に生き返らせる。
星の夢はそこで終わり、そこからはクロノが、マールが、仲間たちが見た夢が現実の希望つまり生きるクロノとなって始まっていく。
みんなを救ったのは星の夢たるクロノだけど、そのクロノを救ったのは現実に生きる希望の女の子マールで、そのマールを支えたのは夢を見続けたみんなでした。
この美しい円環よ。
夢が現実になったクロノは、夢からさめたクロノはクロノとして、1人の自我を持った男の子として再び旅にでます。
ここからはもう俺がみんなを救うとか、そういうことじゃない。
みんなでみんなを、自分で自分を救う。
だから生き返ってからクロノはパーティから外せるようになるんだとこじつけています。
長い旅の中で、もうみんなも自分で運命を選べる力を身につけたから。
クロノがいなくてももう大丈夫だから。
だからいなくてもクリア出来る。
▼リーネの鐘
リーネ広場でクロノとマールが導かれるように運命の出会いを果たしました。
全てはそこから始まった。
星の夢のクロノと現実のマールディアが出会い、リーネの鐘が祝福するように鳴る。
それはラへの死を予言する呪いの声として鳴る。
ラの呪声(技)のときの背景はリーネの鐘、ていうのは有名だけどほんとそのまんまの意味なんだなとしみじみ思います。
みんなが、星が見続けてきた夢の終わりを鐘が伝え、ラによってもたらされていた長い悪夢は終わり、夜が明けて朝が来る。
星の夢の終わりに、彼は自分を目覚めさせてくれたマールを本気で大好きになります。
それまではなんとなく好きかもな〜なんかマールも自分のこと好きっぽいし〜くらいの曖昧さだったろうに、生き返ってからはもう、マールが自分にとってたった1人の女の子だってことに気付く。
クロノとして、そこからはみんなじゃなくてマールという大切な女の子を守るためにラに挑む。
あ～かっこいいね。
魔王様の次にかっこいいよ。
私はこういう輝ける主人公が大好きです。
▼誰が本当に夢を見たのか？
クロノトリガーの主人公は誰だったのか？
みんなに本当に希望を与え救い続けたのは誰だったのか？
みんなの夢を励まし続けたのは誰だったのか？
彼女だけが唯一、自分の意思で未来を選び、振り返らずに前へと進み続けた。
ルッカですら緑の夢イベントがあるのに、彼女は彼女自身に直接関連する過去のイベントって無いですよね。リーネの件は別だと思うし。
誰が夢を見なかったのか？
ラに食われた星なのか？ 未来を奪われたみんななのか？ クロノ自身なのか？ もしかしてラなのか？
マールだけは夢を夢として見なかった。
そういう、夢とか未来とかみたいなデモシカを全部強い意思の力でぶっとばして全てを"正"に塗り替えていく、生きる力に溢れたヒロイン、強い姫マールが好きです。
そしてそういう夢の輪廻というか因果を見せつけてきたクロノトリガー、大好きです。
一度も推敲せずにここまで一発で書いてきたからめちゃくちゃな内容だと思うけど、なんとなく言いたいことは分かりました？
そして誰が本当に夢を見てるのかってな、こんな異常なこじつけ的うわ言をブツブツ言ってるわたしだよ。
魔王様好き～～不遇で大好き～～！！！！！
養父(ビネガー)より絶対私の方が魔王様のこと好き～～～！！！！！！！！！！！
幸せにするよ…………。