知ってる?腸内細菌の年齢による変化
人の腸内には約1000種、100超個の細菌が存在し、腸内細菌のもつ総遺伝子数は人の持つ遺伝子の100倍以上ともいわれています。
腸内細菌には、私たちの健康に大きな影響を与える重要な役割があります。
しかし、実は腸内細菌は年齢によって変わることがわかっています。
本記事では、腸内細菌の年齢による変化の理由について解説します。
腸内細菌に興味がある人や、健康を意識して生活したい人には必読の一文です。
ヒトは母体内で細菌のない状態で育っていますが、出生する瞬間に産道を経て出生するときに細菌に触れることになります。
出生後1~2日の赤ちゃんの便にはほとんど細菌はありません。
24時間以内に大腸菌、腸球菌、ぶどう球菌、クロストリジウムなどの細菌が腸内で増殖し始め、生後3~4日には乳酸桿菌、ビフィズス菌などが増殖します。
出生直後から離乳期までの時期は、免疫システムの発達に重要な時期であり、様々な免疫による選択と排除を経てこの時期に腸内に住みついた細菌がその人の腸内細菌叢のコアになっていくと考えられています。
このとき、影響する因子として
・ 母親からの伝搬
・ 衛生環境
・ 食事
・ 抗生剤
などが挙げられます。
乳児の腸内フローラは乳児型のビフィズス菌が優勢ですが、離乳期になると腸内フローラに変化が起こります。
ミルクだけを飲んでいる赤ちゃんの便は酸っぱい匂いですが、食事が始まると一気に大人と似たような便の匂いに変わりますよね。
次第にビフィズス菌が成人型に変わり、嫌気性菌などが優勢になります。
腸内フローラは離乳期以降安定しますが、中高年になるとビフィズス菌の減少とウェルシュ菌の増加に特徴的な変化が起こります。
ウェルシュ菌は腐敗菌の一種であり、有害な物質を生成します。
このビフィズス菌の減少とウェルシュ菌の相対的増加を腸内の老化と考えることができます。
一卵性、二卵性の双生児の腸内細菌叢の比較研究によって、遺伝的な因子の関与は低いことが明らかになっています。
離乳期以降の腸内細菌叢は安定して、個人特有のパターンをとるとされています。
つまり、腸活をしている間は腸内の変化が期待できるけれども、辞めてしまえば戻ってしまうんですね。
やむをえず抗生剤などを使用すると一瞬で腸内細菌の顔ぶれは変化します。
一方で改善には3~4週間ほどかかることが多く、毎日こつこつ腸活を継続していく努力が必要です。
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