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薬で腸が真っ黒に!?便秘をもっと知ろう。

便秘症の有病率は、成人の約14%に上るとされており、実に日本人7〜8人に1人が直面している問題です。

10歳代〜50歳代までは、ホルモンの関係もあり、女性の有病率が男性より3~6倍も高くなります。

加齢に伴って、おなかの筋力やおなかの圧力が弱まり、大腸の筋肉の働きも衰えるため、便の運ぶ力も弱まります。さらに、骨盤底筋の働きも低下するため、男性も含め高齢者の便秘の症状がより深刻になることがあります。

慢性便秘症の人はそうではない人と比べて10年後、15年後の生存率が低いと言われています。

また、なぜか便秘のひとにはサルコペニア(筋力の低下した状態)、アルツハイマー型認知症、慢性腎臓病が多いとの報告もあり、たかが便秘とあなどってはいられません。


便秘の種類


便秘の種類について簡単に分類したものを説明します。

大腸の動きが鈍くて、便がたまってしまう(弛緩性便秘

腸内で便を前に進める「ぜん動運動」が弱く、便の出口である直腸まで運ばれにくいタイプ。
運動不足や、腹筋が弱い人に多い傾向があります。
食物繊維の少ない食事や、体を動かさない生活などを続けることで、さらに腸の動きが鈍くなります。

便の出口まで進むが、直腸の動きが鈍くて出ない(直腸性便秘

便が肛門近くの直腸にあると便意を感じるという仕組みがあります。それを感じにくくなっているタイプ。
便意を感じても排便しないことをくり返していると、便が直腸に降りても便意を感じにくくなります。
浣腸の多用も原因になります。

ストレスなどで腸の動きが不安定に(けいれん性便秘

腸がけいれんして動きが過剰になり、便が出にくくなるタイプ。
便が行ったり来たりすることで、小さくコロコロな便になりがちです。
便秘だけでなく、下痢と交互に出ることもあります。ストレスも原因になります。

便の出口にトラブルがある(スーパー便秘

直腸にできてしまったへこみに便が入り込み、出にくくなるタイプ。
薬や自己判断では改善が得られないことも多いので、症状がつづく場合には医師に相談して適切な処置をうける必要があります。


便秘薬の使い方には注意が必要


多くの市販の便秘薬には、腸を刺激して便を出しやすくする成分が含まれています。

具体的な刺激性成分には、センノシド、ビサコジル、ピコスルファート、ダイオウがあります。漢方やお茶、サプリメントにも含まれていることがあります。

これらの成分は効果が早く現れるため頑固な便秘による不快な症状をすみやかに改善してくれるものの、長期間使用する際には依存性もあり、注意が必要です。

便秘症のガイドラインでも刺激性の便秘薬はここぞという時のみ、短期間に使用をとどめるように推奨されています。

効果も見られやすいため使用しやすいのですが、ダイエットのために安易に下剤を服用し始め、そこからエスカレートしていくケースに出会うこともあります。

分かりやすく体重が減るものの、自己判断で飲み続けたり飲み過ぎることはとてもリスクが高いことを知っておいてほしいと思います。


腸が黒くなる!?大腸メラノーシス


センナ、大黄、アロエなどのアントラキノン系下剤を長期間使用していると大腸メラノーシスが起こります。

自覚症状などはありませんが、内視鏡で大腸を観察すると粘膜が黒褐色に変化し、ピンク色の正常粘膜と比べると、その見た目の差は歴然です。

大腸メラノーシスを電子顕微鏡で観察すると、大腸粘膜の吸収細胞の破壊、神経繊維の変性といった変化が見られます。

大腸の運動障害がおこり、慢性炎症が関与していると考えられています。

慢性炎症は老化の一因とも言われている現象です。

腸内環境を良好に保つためにも慢性炎症は避けたいものです。



驚きの効果!ココアで便秘・便臭とサヨナラ!



ココアには食物繊維が多く含まれます。

含まれる食物繊維の約60%を占めるリグニンは、腸でほぼ消化されず8割ほどが便として排泄されます。

そのため、便通改善効果が確認されました。
さらに嬉しいのは便中のアンモニア濃度も減少させるため、便臭も改善されるのです。



以上、便秘の種類とその対策、便秘薬の注意点について紹介しました。

便秘は身体に多くの影響を与える症状であり、決して軽視してはいけません。

食物繊維の摂取や適度な運動、ストレスの管理など、日常生活の改善が大切です。

便秘に悩む方には、ココアの摂取もおすすめです。食物繊維の効果により便通改善が見込まれ、便臭も軽減されます。

急に便秘になった、便秘がひどくなってきたなどの変化を認めるときは最悪の場合、大腸癌の可能性などもあります。

大腸癌は女性の癌の中で死亡数が第一位です。
急激な症状変化や便秘が長引く時には、是非医療機関への受診をしましょう。
特に40代以降は大腸癌の定期検査、場合によっては大腸カメラをおすすめします。

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