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小説っぽいもの(読み切り・たまにポエム)

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創作小説・よみきりっぽいものまとめ。お時間あればどうぞ。
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#小説のようなもの

味な店

突然だけど、みんな【コンカフェ】って行ったことある? 【コンカフェ】とは【コンセプトカフェ】の略称で、つまりは「コンセプトのあるカフェ」ってこと。 お店はコンセプト=世界観にあわせたメニューや接客・サービスをお客様に提供する。客はそのコンセプトを楽しんで、非日常を楽しむ、ざっくりいうと【コンカフェ】とはそういうところだと思う。一時期【メイドカフェ】が秋葉原をはじめ、全国各地で広まったでしょ。あれも一種の【コンカフェ】だよね。 ポピュラーなものからマニアックなものまで、い

令和米騒動奇譚

深夜、スマートフォンに着信があった。 画面に表示されたのは「実家」……電話に出てみると、お袋からだった。 『親父が大怪我をした。容態が危ない。病院にきてくれ』という。 お袋は軽いパニック状態で興奮しているらしく、言っている内容がなんだかおかしい。すぐにでも駆け付けたいと思ったが、実家は新潟。俺は東京在住。今から車を飛ばしても3~5時間はかかる。 とりあえず、新潟市内に住んでいる妹に連絡して、そばについてもらうように言い、俺は仕事用のパソコンと必要最低限の荷物を用意して

あなたを知りたい

「漫画家……さん、なんですか?」 ぼくは、手元にあるプロフィールカードに目を落としながら言った。 「あまり有名ではないんですが」 目の前にいる女性・ユウコさんははにかみながら答える。 ◇  ◇  ◇ 今日は、いわゆる婚活パーティーってやつに参加している。 ぼくは10回目の参加。 結婚願望があり、もう適齢期はとっくに過ぎている。なかなか運命の人に出会えない。そろそろパーティへの参加を終わりにしたい…そう思っていたが、なかなかうまくはいかないもんだ。 ぼくは気になっ

ショート・ショートを書きたい

わたしはショート・ショートを書きたい。 でもわたしは作品を短くまとめることが苦手だ。 わたしの物書きのスタイルは【感情に任せて書く】。 伝えたい内容を感情に任せて乱暴に書き綴っていくのだ。でも、そのせいだろうか、長文になりやすい。 長文になっても、読むに堪えうる壮大な超大作になるのならいいだろうが、そうなるわけでもない。元も子もない言い方になってしまうが、自分がもし話の筋を知らずに読む側に回ったら、こんなに長い作品は抵抗があるだろうな、と思う。 短い物語で、要点が伝

勇者さまっ!出番です(お気に入りストーリーまとめ版)

この物語についてこれは、選択肢によって展開が変わる「なんちゃってゲームブック風物語」としてかかれたものを1つのルートで最初から最後まで読めるようにしたものです。今回は、作者:駆動トモミ が一番気に入っているルートをご紹介します。 作者の思惑としては、ゲームブックみたいに分岐点を設けて、読者が続きを選択していくと、それぞれ違うラストにたどり着く、という遊びをしたかったのですが、そうすると結構読みにくく、まんべんなくあちこち読んでほしいな~と思ってもなかなかアクセスしにくいんだ

ボートに乗ったカップルは、

この公園は、広くて緑が多い。 遊具もたくさんある。 大きな池にはボート乗り場もあって 家族やカップルで賑わっている。 みんな癒しを求めてやってくるみたい。 私も小さい頃からここで遊んでいる。 大人になった今でも散歩コースにしてるんだ。 でもね、この公園にはひとつ怖い話がある。 この池のボートに乗ったカップルは、 おひとりさまになっちゃうんだ。 ふたりを引き離しちゃうんだって。 根も葉もない噂だっていわれてるけど… でもきっと本当だよ。 あなただけに私の体験談を教えて

シンギュラリティの憂鬱

むかーしむかし…2020年くらいだったかな? 「AIの技術が進歩すると、ニンゲンのやるべき仕事の役半数がAIに奪われてしまう」とかっていう妄想が流行ってたらしいですね? 実際…ここ2、30年のうちにAIはすごい速さと勢いで普及したんだ。しかもとても良い経済効果をもたらした。それは認める。AIの技術を導入して、瀕死の企業が人件費削減に成功してV字回復したり、画期的なAIを向上に導入した会社が世界トップレベルの企業にのし上がったり、いろんなミラクルを間近で見てきた。 でも、ニ

かつて相棒だった君へ

深夜のファミレスでひとり、仕事で疲れ果ててミックスグリルを食べていた時、一通のSMSがとどいた。 たったひとこと。スマートフォンの連絡帳アプリに登録された人物からのものではないようで、名前は非表示。迷惑メールの類かもしれない。そう思い、特にアクションを起こさず、食べ続けていると、ふたたびメール受信通知があった。 …こいつ誰なんだ? 見当がつかない。なぜなら日常生活で使っているメインの連絡手段は主にメッセージアプリで、SMSはほぼ使っていないからだ。 SMSは電話番号あ

【アレ】に手を出した

いつも、このサイトをチェックしてくれている君、ありがとう。 ここのサイトでいつも作品を読んでいる君なら なんとなく気が付いているんだろうけど ついに、【アレ】に手を出してしまった。 そのことについて告白しようと思う。 わかるよ…ディスプレイの前で、いま君は悲しい顔をしているんだろうな。 だって、あれだけ【アレ】は嫌だなどと書いてきたのに… でも、ここによくきてくれる君だからこそ伝えたかった。 わかってほしい。 ◇    ◇    ◇ ある時を境に、ぼくは空っぽに

ほんとうにあったら怖い話

俺は、東京都内で喫茶店をやっている。 とはいっても、喫茶店経営は俺の本意ではない。ここは、親父が定年退職後、ズブの素人なのに突然「こだわりのある喫茶店をつくる」といいだし、作った店だ。親父は自分の夢をつめこんだ店がいよいよ開業するという時、ぶったおれてそのまま他界してしまった。開業にあたっては親父の退職金の大半がつぎ込まれていたし、物件を買うために銀行からお金も借りていた。逃げるわけにもいかず…急遽、俺がこの店を引き継ぐ形となったのだった。 競争相手が少ない地域だったこと