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視点を変えなさい~節目節目の儀式が教えてくれること~

今日から7月、
そして2021年後半がスタートする。

そんな節目の時期でもある昨日、
氏神様に晦日詣でに行った。


駐車場に車を止め
車を降りるや否やする
カラスの歓迎を受けた。
先日のカラスだろうか。
有り難いな…
私は自然と笑顔になった。


鳥居に向かって、
神社脇の通りを歩いていくと
今度は虫たちの歓迎を受けた。

モンキチョウ、
モンシロチョウ、
シオカラトンボ、
名前の分からない虫たち…

5月の晦日詣での時に
水路脇に咲いていた
あのわすれな草の群生は
今もなお、
いのちいっぱいに
咲き続けていた。

2週間前に参拝に来た時も
綺麗だなと思い
眺めただけだったが、
3度目にしてようやく
写真におさめようと思い立ち
カメラを向けた。

と、突然、
もの凄い羽音がした。

音のする方に目をやると、
トンボのような蜂のような
黄色と黒の縞模様をした
大きな虫が
私の方へ近づいてきた。

一体これは?

目を凝らして
姿を確かめようとするも、
もの凄いスピードで飛び回り
確かめる隙を与えてくれない。

トンボにしては尾が太く、
フワフワとした毛が
生えているようにも見える。

初めて遭遇する虫に
好奇心がそそられた。
いつからこんなに
虫に興味をもつように
なったのだろう。

そのうち
その得体の知れない虫は
わすれな草の群生付近を
低空飛行し始めた。

ならば
わすれな草と一緒にと
カメラを向けるが
一瞬たりとも
じっとしていない。

そうこうしているうちに、
もの凄い勢いで
目の前を飛び去り
民家の陰に消えて行った。

行ってしまったか…
と思っていると
また遠くの方から
あの羽音が戻って来た。

戻って来ては消え去り
戻って来てはまた消え去り
を何度か繰り返したが
とうとう最後まで
私にその姿を
確かめさせることなく
姿を消してしまった。

一体何だったんだろう…。

あっけにとられ、
しばらくその場に
立ち尽くした。

はっと、我に返り
晦日詣でに来たことを思い出し
境内へ向かった。


参道は、2週間の間に
すっかり苔むしていた。

いつものように
手水舎で消毒を済ませ、
階段を登り、本殿に出た。

今日は、
夏越しの大祓。

ならば、皆の幸せを祈ろう。
私は、大きく出た。

日本、いや、世界の平和を。

何だかそれだけでも
十分満足した気持ちに
なったのだが、
今日は、他にも
行きたい神社があった。


1週間ほど前に
オンラインで、
神結ひのセミナーを受けた。

その時、
夏越の大祓のことを知り、
取りあえず
6月30日の
夏越の大祓の日までに
茅の輪くぐりだけでもしよう
と思っていた。

氏神様では
残念ながら
大祓の儀式は行っていない。

そこで
儀式を行っている神社を調べ、
参拝に行くことにしたのだ。


最初に訪れたのは
家から車で10分くらいの
ところにある神社で、
実はここの神主さんは、
昨年まで
息子の通う中学校の先生だった。
残念ながらこの春に異動になり、
息子は、担任や教科で
直接お世話になることは
なかったが、
先生のことは好きだった。
3学期の最後に
一度だけ授業を受ける機会があり
「やっぱりいい先生だった」
と嬉しそうに話してくれたことが
忘れられない。

先生は、
勉強、部活と
ガミガミ言わない先生だった。
大人から見たら
そんなことをして何になると
いうような
無駄と思える時間を
とても大切にしている
そんな先生だった。

自身について
「生ける教材でありたい」
と語っていた通り
息子は先生の生き方に感動し
何度か神社に足を運んでいた。
息子だけではない。
多くの生徒が代わる代わる
神社を訪れていた。

私は今年の初詣に
家族で初めて参拝して以来
今日が2度目の参拝だった。

この神社では、
先週末に一足早く
夏越の大祓の儀式を
終えたらしく、
その様子が
Facebookに投稿されていた。
おそらく
茅の輪は設置されたままだろう…
そう思い、行ってみた。

茅の輪がありほっとした。

茅の輪くぐりの作法については、
事前にネットで予習をしていたが
その必要はなかった。
茅の輪の脇には
丁寧にも、作法が書かれた立て札が
立っていたのだ。

立て札の助けもあって、
私は、人生初の茅の輪くぐりを
無事に終えることができた。

その後、いつも通りに参拝をし、
今来た参道を戻る時
茅の輪の前で
立ち止まってしまった。

ここをくぐって帰るべきなのか
それとも脇を通るべきなのか、
そこまでネットには
書かれていなかった。

散々迷って、
茅の輪の脇を通った。

たとえ間違っていても
バチが当たるということは
ないだろう…
そう自分に言い聞かせて。


先生の神社を後にし
次に向かったのは、
かれこれ15年程
通い続けている、
私たち夫婦のお気に入りの神社だ。

いつ訪れても、
境内はまるで枯山水のように
綺麗に掃き清められており
その場にいるだけで
身も心も清められる。

いつもは、
境内には誰もおらず
ひっそりしているが、
今日は幸運にも
神主さんに会うことが出来た。
この神主さんもまた、
弥勒菩薩を思わせるような
穏やかで優しい表情をした
素敵な人だ。

今日は
この神主さんに会えただけで、
十分御利益がありそうな気がした。

参拝後に
夏越の大祓について尋ねた。
この神社では
毎年1ヶ月遅れで行っており、
今年は7月30日開催とのことだった。

1ヶ月後に
もう一度参拝することにしよう。


今月の晦日詣では
いつにも増して
有意義なものになった。

偶然とは言え
晦日詣での日は、
いつも晴れている。

一昨日、今日は雨だが
昨日は、朝から青空が広がり
梅雨の時期とは思えないほど
ギラギラと太陽が眩しい日だった。


私は、夏至からずっと
体調も気分も優れず
ここ10日ほど、
何となく憂鬱な日々を
過ごしていた。

けれど、
この日の天気と神社参拝で 
だいぶ気持ちが晴れやかになった。


家に戻り、
ふと、あの妙な虫のことを
思い出した。

あれは一体何だったのだろう。

早速調べてみた。

なにせ
物凄いスピードで動き回り
一瞬たりとも
じっとしていないものだから
はっきりした姿、形が分からなかった。

色、だいたいの大きさ、羽音、
尾に毛が生えている
などのわずかな情報を頼りに
色々調べてみたところ
どうやら『シオヤアブ』と言う
アブの仲間であるらしいことが
分かった。

あとで
家族に話すと
よく目にするアブらしい。
自分が、これまでの人生で
いかに虫に目を向けてこなかったが
分かった。

ついでに、
アブに出会った意味についても
調べてみた。


視点を変えなさい


はぁ、そういうことか…
腑に落ちた。

夏至の辺りから
体もだるくやる気も出ず
これは気候のせいだけでなく
何かを手放す必要が
あるのだろうなと
何となくは感じていたのだ。

特に何がという訳でないが、
行き詰まっているというか、
同じ所を
ぐるぐる回っているというか
これ以上先に進めないような
そんな気がしていたからだ。

一点ばかりを見つめ、
どうにもならないような
気がしていたが
視点を変えれば
可能性はいくらでもあり
未来は明るく開かれている

そうかそういうことか…

視点を変えて、
また
コツコツ出来ることをやっていくか。


今日1日で
何だか急に気分が楽になった。

晦日詣でと言い
夏越しの大祓、
そして茅の輪くぐりと言い

節目節目の儀式は
自分を見つめる上で
とても意味のあることだなと
改めて感じた。

これで
今日からの2021年後半を
新たな気持ちでスタート出来そうだ。

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