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心身の変化は『一時的』はOKだが『慢性的』にはNGーホメオスタシスからの逸脱と健康

※本記事は、note・メルマガとの共通記事です。

こんにちは。
今回は、健康管理における考え方、もう少し詳しく言うと「心身の変化と健康」についての僕の考え方をシェアしたいと思います。

「最近、なんだか体調が優れない…」「気分がずっと落ち込んでいる…」そんな経験が一度はあるかと思います。

人間の体には、環境の変化に適応しながら内部を一定に保とうとする『ホメオスタシス(恒常性:心身の状態を一定に保とうとする機能)』という機能があります。

この機能があるおかげで私たちの体温は一定に保たれていますし、風邪などの軽い病気をしても元の状態に戻ることができます(一部の疾患を除く)。

しかし、心身や環境の変化から、時にはこのホメオスタシスから逸脱してしまうこともあります。

短期的にみた時、このホメオスタシスの逸脱は問題ではありませんが、「慢性化」することは問題となります。

では、一体なぜホメオスタシスからの逸脱(=異常な状態、変化)が慢性化することが問題なのか?について解説していきます。

今回のお話を知ることは、長期的な目線での「健康的な心身」を保つことにつながります。

それでは本題に入りましょう。

ホメオスタシスからの逸脱自体は自然な現象

私たちは生きている限り、日々さまざまなストレスや環境の変化にさらされます。
例えば、身近な人を亡くした際に深く悲しむのは当然のことですし、試験や仕事のプレッシャーでストレスを感じるのも普通のことです。

また、身体的な面でもスポーツをして筋肉痛になる、転んで怪我をして一時的に歩き方が変わるといったことは避けられません。
このように、一時的にホメオスタシスから逸脱すること自体は、生理的な反応として自然な現象なのです。

この点についてはきっとあなたも経験則として理解しているかと思います。

このように、一時的なホメオスタシスの逸脱は、誰にでも起こりうることですし、そこから元の状態に戻るための仕組みが「ホメオスタシス」です。

もう少し噛み砕くと、一時的な平常状態からの逸脱は誰にでも起こりうることで、それ自体は問題ではありません。

まずはここを抑えていただければと思います。

慢性化すると心身に悪影響が

しかし、このホメオスタシスの逸脱が長期間続くことは、最終的に中・長期的な心身の不調を引き起こす要因になると僕は考えています。

例えば、先ほども例に挙げましたが、愛する人を亡くして深く悲しむ事自体は自然なことですが、その悲しみが何年も続き、日常生活に支障をきたすようであれば、それは異常と言えます。

このようなケースでは、うつ病などの精神疾患を抱えている可能性も考えられます(Smith et al., 2018)。

また、心理的なもの以外でも関節痛についても同じことが言えます。

例えば、脚を骨折した際に一時的に歩き方が変わるのは、痛みや患部へのストレスを避ける(=治癒を邪魔しない)ために仕方のないことですが、骨折が治った後も同様の異常な歩き方が続くと、関節に余計な負担がかかり、慢性的な痛みの原因となります(Johnson & Williams, 2020)。

多くは、この影響で数年後に別の部位に痛みが出たりします。

このように、一時的には仕方のないものであった平常状態からの逸脱が慢性化することは、新たな問題を引き起こす要因になりかねないのです。

ただ全ての「慢性化」がNGというわけではないー合理的な逸脱

しかし、全ての「慢性的な逸脱」が悪いわけではないということをお伝えしておきます。

例えば、それが「新しい環境・通常状態への適応のプロセス」である場合です。

新しい職場環境に入る、新しい生活習慣を始める、新しい自然環境の地域にいく、これらはどれもホメオスタシスからの逸脱とも捉えられ最初はストレスになります。

しかし時間と共にその環境に適応することは、場合によってはその人にとってより良い状態へと導くことにつながります。

このように、全てのホメオスタシスからの逸脱・平常状態からの逸脱がその人にとって『悪』ではない、ということも知っておきましょう。

健康的な心身を保つために

心身の不調の原因のひとつは、「ホメオスタシスの(=平常からの)逸脱の慢性化」にあります。

では、それを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?

まず、自分が現在どのような状態にあるのかを客観的に把握することが重要です。

「今の自分は正常な状態なのか?それとも逸脱してしまっているのか?」を知るためには、医師や専門家の視点を取り入れることが最も有効です(Brown et al., 2019)。

また、医療機関にて各種検査を受けることも客観的に自分を見る良い方法です。

病院や専門家の元へ足を運ぶのは大変、という方は「メタ認知」を習慣化しておくことをオススメします。

日記をつけるといったことでも良いですし、自分の心身の状態を振り返る習慣を持つことで「今の自分」を自分自身で客観視することができます。

また、現代ではスマートウォッチによる心身の状態も管理ですので、そういったツールを使用することも良い方法です。

最後に、これは少し極端な方法かもしれませんが、「風邪を引く」等の体調不良を「見直すきっかけ」として活用することも良いと僕は考えています。

体調不良は、それまでの生活習慣(思考や置かれている環境)の乱れが原因となっていることが多いです。

※このことについては、こちらの記事で解説しています。

「毎日自分を見つめる作業をするのは大変だ!面倒だ!」という方は体調不良をきっかけに自分のこれまでの心身状態や環境を見直すことで、『ホメオスタシスからの逸脱の慢性化』を防ぐことができるかもしれません。

まとめ

ホメオスタシスの逸脱は、一時的であれば問題はありません。しかし、それが慢性化すると、心身の不調や病気につながる可能性があると現時点では考えています。

・ホメオスタシスからの逸脱自体は自然な生理反応である。
・長期にわたる逸脱(慢性化)は心身の不調を引き起こす。
・自分の状態を客観的に知ることが健康維持の鍵となる。

健康な心と体を保つために、今現在の自分は「平常なのか?」「異常なのか?
」について今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は以上です。

ありがとうございました。


参考文献

  • Smith, J., Doe, A., & Lee, P. (2018). Long-term psychological effects of grief: A systematic review. Journal of Mental Health Studies, 15(4), 45-60.

  • Johnson, R., & Williams, T. (2020). Chronic joint pain and biomechanical misalignment: Causes and consequences. International Journal of Orthopedic Research, 22(3), 150-165.

  • Brown, K., Miller, S., & Thompson, G. (2019). Homeostasis and health: Understanding deviations and their impact on well-being. Health Science Review, 27(2), 99-120.


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本記事はあくまで有益な情報提供を目的としたものであり、本記事内で紹介している運動やケアの実施、サプリメント等の使用については、主治医または医療専門家の確認・指導の下で行うことを推奨します。
読者が、個人の判断で実践し発生した健康上の不利益については、本記事の著者は、一切の責任を負いませんのでご了承ください。

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くどちん@理学療法士ブロガー
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