「60度または120度」改め、「60の倍数」の角度を持つ三角形の整列

昨日は、$${\dfrac{1}{\sqrt{3}} < t < 1}$$ の有理数のナンバリングをどうするかというところで終了しました。

結論から言うと、あきらめました。

$${\dfrac{1}{\sqrt{3}} < t < 1}$$に属する有理数を次々と生成し、番号を割り振ることはできるでしょう。しかし、$${\sqrt{3}}$$という無理数が含まれているため、新しく作った有理数を採用できるか廃棄せねばならないかは、無理数との大小比較を通して行う事になり、ナンバリングには、それまで候補として挙がってきた有理数の採用/非採用情報を蓄積する必要があります。局所的な計算だけで済ますことができません。言い換えると、番号と有理数の間の変換をO(log(n))の速度で行うことが難しいと判断したからです。

あきらめて、どうするか。
今日は、この辺について説明を加えたいと思います。


なぜ、$${\dfrac{1}{\sqrt{3}} < t < 1}$$ という範囲が現れたか?
それは、$${x=\dfrac{3t^2-1}{2t}}$$ という関係を持つ$${x}$$に対し、$${ 0 < x < 1 }$$という制限を加えたからです。
この制限はどこから来たかというと、

$${A(0,\sqrt{3}),B(-1,0),C(1,0),D(x,0)}$$ という座標設定において、
$${x}$$を $${ 0 ≦ x < 1 }$$ の範囲で動かせば、60度または120度の角度を持つ全ての三角形を、この図の中に見い出すことが可能だし、十分でもあるからです。

同様のことは、$${x}$$の範囲を$${ -1 < x  ≦ 0 }$$と変えても大丈夫です。
符号を反転しただけなので、自明でしょう。
さらに、$${x}$$の範囲を$${ -3 < x ≦ -1 }$$としてもよく、$${x≦-3}$$としてもokです。これらは、三角形$${ABD}$$という、120度の角度を持つ三角形を指定することに繋がり、他の60度の角度を持つ二つの三角形は、この三角形に随伴する形でセットに加えることができます。$${x=-3}$$で分けているのは、相似形が現れるからです。最小辺が$${DB}$$なのか、$${AB}$$なのかが$${x=-3}$$で変化します。同じ形状に対し、$${x}$$の値は一つ。これを徹底するためには、上のように範囲を分離することが必要となります。


では$${x}$$の範囲を$${ 0 < x < 1 }$$ と限定せず、この4つの範囲のどこか、とした時、$${t}$$に対する制限はどうなるかというと、

$${\dfrac{3t^2-1}{2t} < 1  →  t < -\dfrac{1}{3}  ,   0 < t < 1 }$$


なんと、$${ 0 < t < 1 }$$ という範囲が現れます。

$${ 0 < t < 1 }$$ の範囲の有理数$${t}$$の発生は容易です。これを、$${x}$$に変換し、その$${x}$$から、基本セットを作り出せば良いことになります。しかし、同じ基本セットが4度現れるという副作用を伴うことになります。

発想を転換しました。基本セットには60度または120度の角度を持つ三つの三角形が含まれています。つぶれた(退化した)三角形だからとして除外したものを含めて考えれば、4つにすることができます。

$${ 0 < t < 1 }$$として有理数を発生させれば、4度づつ基本セットが現れます。一つの$${x}$$に対し、基本セット全体を対応させるのではなく、

・$${x<-3}$$の範囲の$${x}$$に対しては、退化した三角形
・$${-3 < x < -1}$$の範囲の$${x}$$に対しては、120度の角度を持つ三角形
・$${-1 < x < 0}$$の範囲の$${x}$$に対しては、60度の角度を持つ鈍角三角形
・$${0 < x < 1}$$の範囲の$${x}$$に対しては、60度の角度を持つ鋭角三角形
と別々に対応させれば、万事上手くいくのではないかとの思いに至りました。

そこで、目標を
「60度または120度の角度を持つ三角形の整列」
から
「60の倍数の角度を持つ三角形の整列」
へと変更しました。

この変更によって、当初「線分」と表現していたものを、180度の角度を持つ三角形として扱うことになります。180度の角度を持つ三角形とは如何なものか、等の疑問もありますが、あまり拘らないことにしましょう。

スタート時には、同一セットに属する、(3,5,7),(5,7,8),(3,7,8)等には連続した番号を与えるつもりでした。しかし今回の変更により、ばらばらの番号が与えられることになり、さらに、隠れたメンバーである(3,5,8)等にも番号が与えられます。

いよいよ明日、ナンバリングされた「60の倍数の角度を持つ三角形」をお披露目できると思います。


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#数学がすき

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