朝礼台の雨
連日の雨。
湿気も多いし、蒸し暑いし、気分も乗らない児童も多い。
気分が乗らないだけならまだしも、授業に集中できず、私語や乱暴な言葉やマイナス言葉が横行しているなぁと、児童の様子を話ししている同僚の話が耳に入ってくる。
しかし、
実は理科では結構助かっている、この時期。
4年生の学習指導の一つに「雨水の行方と地面の様子」というのがあるからだ。
リアルタイムのことなので、これこそ実体験の交流や意見の交換がいつも以上に盛り上がる。
先日のお題は「朝礼台の雨はどこいった?」だ。
連日続いている雨。
校庭はびしょ濡れ。
ということは、運動場には水たまりができ、朝礼台もびしょびしょ。
1日のうちで日中雨が止み、朝礼台の雨水がなくなっていた写真をモニターに映す。
そして、先ほどの問いを児童に投げかける。
クラスのほとんどの児童が我こそはと手を挙げる。
それぞれの児童の中に心当たりがあるからだ。
それは4年生になるまでに何度も見た光景であり、体験したことがあり、テレビなどの情報番組で知識として習得している児童もきっといる。
だからこそ同じ意見だったとしても伝え方が多種多様だった。
児童A:そんなん乾いてなくなったんやで。
児童B:乾燥?
児童C:乾燥って何?
児童D:蒸発ってことやな。
児童E:蒸発ってなんなん?
児童F:それが乾くってことやろ?
児童G:え?水が空にいくことやってお父さんが言ってたで。
児童D:お前のお父さん、すごいな!そんなん教えてくれるん?
児童G:地面の水が乾いて、ずーっと空まで登って行ったら雲になるんやって。
児童数名:へぇー(頷きも含む)
児童H:先生、結局朝礼台の雨ってどこいったん?乾いたん?なくなったん?空いったん?
私 :気になる?
児童:うん!
私 :もう知っている人もいたけど?
児童:うん!実験して確かめよう。
児童:見て確かめるから観察ちゃうの?
児童:今日雨やからずっと見てたらわかるんちゃうん?
先生:ホンマはそれができたらいいなー(^◇^;)
・・・
子どもたちどうしの学び。
まだまだ私は喋りすぎてるなって思うところもたくさんあるけれど、子どもたちが楽しんで授業に参加しているのが伝わってきた。
今は対話やグループワークが難しい。
しかし子どもどうしが繋がりあって、相手を意識しあって、心で向き合って、確実に学びを深めているなと感じた。
座席から動けないけれど、自分の知識や経験を精一杯絞り出して説明する姿。
こんな時だからこそ「聴く」「書く」の意識を高め、深い学びが「できる」という体験を、教師も児童も積み重ねて自信にしていけたらなと思う。
「できない」から「できること」のアップデートを。