見出し画像

平安時代の本のかたち

平安時代の本のかたちには、巻子本(巻物)と冊子(草子)とがあります。

枕草子のなかで、清少納言は中宮定子に上等な紙をもらいます。
清少納言がうつうつと、家に引きこもっていたときのこと。
「嫌なことがあっても新しい紙を手にすれば、もう少し生きていける気がする」
まえに清少納言がそういっていたのを、覚えていた中宮が贈ってくれたのです。

その紙を、清少納言はまず冊子に綴じます。
そうして、枕草子を書いていくのですが・・・

不思議でした。
和紙を二つ折りにして綴じるのだと思うのですが、
綴じてしまってから書くのは、書きにくいのでは?

開きにくいし
書き間違えがあるかもしれないし
書いてから綴じた方がいいような。

今日読んでいた
人がつなぐ源氏物語 藤原定家の写本からたどる物語の千年』伊藤春樹
によると
ある程度の紙を仮綴じにして、書写し、いくつか合わせて表紙をつける。
とのこと。

源氏物語を複数の人で写本する場合
白い紙に、定められた行数でまっすぐ書くために

行数分を切り抜いた紙を上に置く または
行数に応じて等間隔に糸をはった道具を用いた

と書かれていました。

まっすぐ書く・・・・・・
それもむずかしそう。
真っ白な紙に書き始めるのも勇気がいりそうです。

書き写すことでしか、本を手元に置いておけなかった時代
物語を手にした喜びも、今とは大きく違っただろうなと思います。

などということを考えていたのは
拙著『もえぎ草子』(絵tono・くもん出版)に清少納言が枕草子を書いている場面があったからです。『もえぎ草子』は、枕草子の雪山のかけの話から発想した物語です。


ここに何を書こうかと悩んでいてもぜんぜん書けない上に、文章下手!と思うばかりなので、思いついたことをまとまらないまま書いてみました。
そんな感じです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?