ヘアサロン経営プロジェクト 〜スタッフの夢をデザインする組織づくり〜
” 自分の美容師人生での考え方を大きく変える始まりになった本です ”
今年の初めから、一緒に働くことになった学生時代からの友人に勧められて、本なんてしばらく読んでなかった僕には、ちょっとめんどくさい気持ちもあったのが本音です。
重い腰を上げるように読み始めてびっくりでした。
面白い!!
冒頭から引き込まれるように読み進め、覚えておきたいとこには付箋を貼り一言一句大切に読んで気がついたら3時間くらい経ってました。
(じっくり読みこみましたw)
性格上、飽きっぽいですが、めちゃくちゃ集中して読めちゃいました。
美容師を初めて20年でサロン経営初めて8年、正直 経営の本を読むのは初めてって言うのもあると思いますが、自分が務めてきたサロンで学んできた経営理念とは全く違う考え方で展開されていく内容に心がワクワクしてして、一緒に働くスタッフと見たい未来を想像する事ができました。
美容業界をもっと良くしたい!
本書で一番最初に目に止まった言葉が
「美容業界をもっと良くしたい!」 *ヘアサロン経営プロジェクトP28より引用
っという言葉。
僕もほんとにそう思います。
雇用されていた時にはそれが当たり前と、仕方ないと思っていた事も、経営者になり雇用するがわになって自分と同じ思いをさえてはいけないと、頭では解っていても実際に経営していくと、自分も同じ事をやっていると気付きました。
離職率の高い職業 美容師って一般の方にはそんな風にはうつって無いのかもしれませんが、本当に人が続きにくい職業なんです。
この業界を良くするとは、労働環境の改善が最大の課題です。
拘束時間は長いのに給与は少ない。修行期間が長い事で先の見えない不安から心が折れてしまう人が多い、
耐えた人だけが生き残る....そんな業界ですね。
時間もお金も、もっと充実して努力が結果に結びつく安心感を感じる業界にしたい。
とにかくまずは、自分の周りにいる仲間達からそう感じら得る様に、
変えていきたいってそう思う様になりました。
何のための起業なのか?
この問いが見出しに出てきて、
はっ!っとしました。
起業して自分のサロンを開業しようと思った時の気持ちが、薄れてしまってる事に気づきました。
きっとほとんどの人が、自分がそれまで働いてきた環境よりもより良い環境を作るために、自分が思い描く理想の環境を具現化するために、起業するのだとおもいます。
リスクも伴いますし、雇用されていたときとは違う責任も伴います。
理想だけでは、自己満足に過ぎないんだと思います。
じゃあ、何の為に自分は起業したのか....理想をかなえると言う大義名分を盾に苦手なことから逃げていた様に思います。
誰にも言っていなかった心の奥にあったものを思い出しました。
「何のための起業なのか?」
今一度、自分に問いたいと思いました。
社会に対して何を発したくて起業するのか?
今の自分から出てくる率直な答えは、
「人のため...仲間やお客様のため」
にできるだけの事をしたいという思いでした。
新規集客の意義
兎にも角にも人のための社会貢献をしていく為には、
お客様に沢山きていただく事が重要です。
僕らの仕事の良いサークルは、お客様に来て頂く事から始まります。
お客様が沢山来て頂けることで、沢山のスタッフを雇用する事ができ、みんなで働く事で利益を産む事ができる。
給与アップや店舗も増やせる、スタッフのモチベーョンも上がり、より良い人材を採用できる。
提供できるサービスがより良くなり、さらなる集客に繋がり喜んでいただける方が増える(本書内容参考)
この流れの実現が自分が皆んなのためにしたい事で、皆んなが幸せになるためのベクトルだと思います。
しかしながら、まずその始まりを作ることが重要かつ難解です。
私の店は本書にある店のタイプとは違いますが、選ばれるための戦略をたて周りにはない価値を感じてもらえる店作りを目指すという点で、
エリア内で周りと差別化をはかるって、どの経営者もみんな考えてます。
でも...
お客様には何が違うのかが、解らないから分散するのだなって思います。
自分も、周りの店に対しての分析が全く出来ていなかったと感じました。
正直、何となくこうでしょ....ってやってました。
本書文中に「裸の王様」という言葉が出て来ましたが、自分の事のようで恥ずかしくなりました。
自分よがりの事を少なからずやってたのではないかと感じたからです。
今後の店の展開の参考にしていきたい課題です。
美容業界=教育産業
「スタッフの自己実現を叶える装置」 *ヘアサロン経営プロジェクトP28より引用
この言葉だけで本当にスタッフ主体の店を作り上げていると感じました。
人材教育に対せては、独立する前から技術教育にも大きく携わっていたので、出来ていると思っていました...思い込みでした。
技術教育=人材育成だと思っていました。
技術教育と同等に人間力の教育が必要だった事を思い知らされました。
社会人になり日々営業の中で徐々に身につくものと肩をくくっていました。
自分は正直き接客や人間関係に苦労した方なので、余計に教えるものというよりは、自分で学ぶものだと思っていました。
本書で
「三方(相手・周囲・自分)良しの価値観を持つこと」 *ヘアサロン経営プロジェクトP96より引用
とあります。
人に関わる職種ですから沢山の価値観の中で生きています。
周囲の目線に成れたら...
相手の立場に立てたら...
思いや考えを共有できるコミュニケーション能力を持てたら...
得意な人は特に何も悩まずにできるのだと思いますが、苦手な人には本当に難解です。
技術を学ぶよりはるかに時間が掛かると思います。
でも入社時から技術を指導するのと同じように伝えていけたら、苦労も半減するのではと思います。
技術教育の課題は時間です。
これはサロンによって異なるので一概には言えませんが、この仕事の一番メインとなる技術レッスンにかける1日あたりの時間が少ないという事です。
基本的に営業が終わってからというお店がほとんどではないかと思います。
本書文中、例にもに上がってる時間もなかなかでしたが、よくレッスンするアシスタントでも営業が終わってからとなると、取れて1日2時間程度ではないでしょうか。
ヘアサロンに入社してから必要なカリキュラムをクリアしてスタイリスト(カットまで全部の技術のできる人)になるまでに必要な時間が
” 約2000時間 ”
と言われていますから、週に4日レッスンしたとして1日平均2時間のレッスンだと約5年掛かる計算です。
.....本当に長いです。
しかも営業の終わった後の疲れた状態で集中力も欠いた状態で、
相当意識が高くないと続かないのではないでしょうか。
アシスタントの間の技術教育は、もっとコストをかけてやるべきだと感じるようになりました。
単純ですが1日営業開始からの2時間と営業終了前の2時間 計4時間レッスンに当てるシステムを作れば半分の期間でスタイリストになれる。
労働基準の8時間を守ってこれを実現したならもっと美容師でいられる人も増えるのではないかと感じています。
自分が育った環境や感覚を覆すのは、容易ではありません。
実現するには仲間の協力が不可欠です。
自分も今以上に努力する必要があります。
自分が大好きで続けて来た、この美容師という仕事をもっと沢山の人に成ってもらいたいし、続けてもらいたい。
夢や希望を持って目指した、
あの時の気持ちが...
努力が...
報われる明るい未来を作ってあげたい。
それが今後、自分が経営者として続けていく上での目標であり、責任だと感じています。
この本を読むまではこんな風に自分の頭の中を整理して考えた事があまりなかったし、こんな風にも考えられなかった。
すごく勉強になりました。
ありがとうございます。