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病んでる女にまとわりつかれる夫の話(実は私も??)その3

 ママさんは、沙織ちゃんの話を聞いていたので、私を悪い女だと思っていたらしく、結婚したことで、
「あれ?」
 と思い直し始めたらしい。
 そうして機会をうかがって広大に真実を尋ねたというわけだ。広大も寝耳に水のできごとで、あまりの捏造っぷりに、笑ってしまったと言う。
 ママさんも、もっと早くに確かめてくれれば、謎を抱えなくても済んだのに。
 このことが判明してから、沙織ちゃんに会ったことはない。ママさんが、ビシッと言って出入り禁止にしたのかもしれない。

 それにしても。
 広大はどうしてこの類の女性に目をつけられるのだろうか。広大の方に邪な気持ちがあって、思わせぶりな態度を取ったり、ちょっかいを出しているのなら仕方がないけれど、決してそうではないのだ。


 私は、広大の好きな女性のタイプを熟知している。町を歩いていても、そのタイプの女性とすれ違っただけで、すぐにわかる。
「今の人、タイプでしょ?」
 と確認すると、ちょっと慌てたような表情で、
「・・・どうしてわかっちゃうの?」
 と呟く。その女性を目で追ったり振り返ったりしていなくても、わかる。
 ピン、と来るのだ。

 寄って来る女性たちは、そのカテゴリーから完全にはずれている。唯一の共通点は、少し心を病んでいるということ。
 同じマンションの一階に住んでいた女性も、そういう感じの人だった。
 これは恋愛がらみではないけれど、ある種それ以上に怖かった。
 ある時、一階のその女性の部屋の前に一軒家が建つことになった。購入した時点では、空き地だったそこは、何も建たない予定、万一建ったとしても公園、と言われていたそうだ。
 一気に見晴らしと日当たりが悪くなってしまった。
 マンションの管理会社に文句を言ってもも頼りなくて機能していない。そこで住民たちが団結して、まず管理会社に交渉に行こうということになった。それ以前にも、会社の対応が不十分で住民たちの不満が募っていた。

*写真は大好きな小竹信節さんの作品たち・・・。


 

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