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【両方の経験者が語る】院進学、学内の他の研究室に移るか、他大学の研究室に移るか

ネット上の多くの記事が内部進学(同じ研究室に残る)⇔外部進学(他大学の研究室に移る)の二項対立で書かれています。
しかし、研究室を変えると言ったって、学科内や学内他学科に移る選択肢もあるのに、それらを考察した記事は、この記事のほかには殆どありません。

こんにちは、東大京大ナビです。3年生の皆さんは卒業研究の配属先が決まった頃でしょうか。
さて、希望通りの研究室に配属になった方がいる一方で、希望とは全く異なる研究室に配属された方もいるでしょう。かつての私もそうでした。

そして、大学院で学内の別の研究室に進学したのちに大学時代に不適応を感じ、更に他大学の研究室に再進学することになったのです…

不本意配属でも1年間はそこの研究室メンバーとして過ごさなければなりませんが、院進学をする皆さんは、もう一度研究室を選ぶチャンスがあります。
まずはこのチャンスをしっかり活かしてください。別の研究室に移るのはエネルギーがいるから、と熟考せずにそのまま進学する方がいますが、それだけは絶対にやめましょう。(研究を進めるうちに、卒業研究が楽しくなってきたなら、勿論残るのはアリだと思いますよ)

興味のあることを追求でき、それに直結する職に繋がるからこそ、2〜5年間の時間と、数百万円の費用を投資する価値があるのです。興味がない分野の研究室に院進学することは、ただの無賃労働です。

研究室を変える場合の選択肢として、学内の他の研究室に移る選択と、他大学の研究室に移る選択が考えられます。
前者は更に、同じ学科内で転属、他学科に転属の2つのケースがありますので、ここでは
①同じ学科内の他の研究室に進学する
②同じ大学内の他学科の研究室に進学する
③他の大学の研究室に進学する

の3つの各選択肢について、考えられるメリット・デメリットを比較・分析します。

① 同じ学科内の他の研究室に進学する

メリット

  • 環境・制度の継続性
    学科内であれば、院の授業内容も理解しやすいですし、学内の設備、研究支援体制をそのまま利用でき、学科内の人間関係も維持できるため、精神的・手続き面でスムーズに移行できるでしょう。加えて、同じ学科ならキャンパスも同じ場所であることが多いのではないでしょうか。大学院は病む人も多いので、相談できる相手が身近にいるのは大きいです。大学院で一から人間関係を築くことは大変ですからね…

  • 卒業研究との連続性
    分野は似たような研究室でも、教員との相性や研究費の潤沢度、周囲の学生のやる気等で研究室変更をする場合があるでしょう。
    この場合、学科内の転属に留めることで、卒業研究の分野知識や技術を活かしつつ、異なるアプローチや指導方法を取り入れることができるため、専攻内容の深く・広い、知識や経験を磨くことが可能です。

  • 院試対策の容易さ
    一般に同じ学科であれば、研究室が異なっても大学院入試は同じ問題です。これまでの授業内容を理解できていれば合格は容易でしょう。そもそも内部進学者は院試が免除になる大学もありますね。
    また、「院試は情報戦」と言われるように、合格には過去問と解答例、対策テキストを手に入れることが鍵となります。内部の院試の情報は研究室に蓄積されていることが多いので、簡単に集められます。

デメリット

  • 変化の限界
    研究室を変えるとはいえ、学科内であれば大きな環境改善・将来キャリアの変化は望めません。特に修士卒で就職する場合、同じように院試を受け、授業を受け、そして同じような業種に就職していくわけです。(就活の推薦制度も基本は専攻単位)学際的な視野は得られません。
    現状”研究室に”不満があるのか、そもそも”学科が”合わないのか、きちんと見極めるようにしましょう。

  • 教員の派閥の影響
    同一学科内の場合、教員同士でライバル意識や派閥がある可能性があります。仲の悪い研究室への移籍は、教員からバッシングを受け、卒業研究指導に悪影響を及ぼすことも。まあ、そんな研究室での大学院生活が良いものになるとは思えないので、どちらにしろ研究室変更した方が良いんですが。


② 同じ大学内の他学科の研究室に進学する

メリット

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