【スピノザ】自分探しロードマップ【プランドハプンスタンス】
30歳も目前に迫り、漫然と働いているだけではイカンと危機感を持ち、自分がどう生きたいのかに向き合うことを始めた2023年。
なんとなくの方向性が見えた中で、2024年には実際に行動に移すべく、今までに見つけた手がかりを改めて文字に起こしておこうと思う。
以下記載の内容は、あくまで自分のために、今までの自分の人生観を偉大な先人たちの知恵を借りて言語化したものである。そのため、誰もがこのように人生あるいはキャリアを考えれば良いとは思わない。だが、もしこれを読んだ人にとって何かしらの参考となれば幸いである。
※注
以下の内容には、多分に自己解釈を含んでおり、概念や内容、主張を正しく捉えられていないものもあると思われることをご承知おきいただきたい。
人生の師たる山口周さんの記事との出会い
コンサル界隈では知らぬ人がいないであろう山口周さん。かの有名な「イシューからはじめよ」の著者である。哲学の知識をはじめとし、非常に広く深い知識と洞察力には毎度脱帽する。
そんな山口周さんの書籍やnote記事などはいろいろと参考にしているが、”人生をどう生きるべきか”について調べている中でたまたま巡り会った記事があった。↓
(佐藤知一さん、水野学さんなど人生の参考にしている人はほかにもいるが、その話はまた別にまとめたいと思う)
記事の中では、つまりは「まずはいろいろやってみろ」ということが書いてある。そしてその裏付けとして書かれているのは哲学者スピノザの考えだ。
このスピノザの考え方に、自分は非常に深い共感を覚えた。「エネルギーが湧くことを仕事にしろ」や「多分動くと思うからリリースしようぜ(Done is better than perfect. by ザッカーバーグ)」などなど、いままで自分がなんとなく正しさを感じていた細かな人生の指針たちを、大きな一本の軸で貫くものであるという感覚があった。
ということで、初学者にもわかりやすいとされるスピノザの本を読んでみよう、となったのである。
※ちなみに、ある種自分が理想としているようなキャリアを歩んでいる人であるCOTENの深井さんもエネルギーと仕事の話を書いており、これも非常に参考となった。
スピノザを読んで
結論から言おう。一周読んでみて全ての内容が非常に共感できるものであったものの、理解するには至れなかった。これは、以下に引用した通り、現代を生きている我々にとって思考を抜本から変える必要があるものである、ということが一因だと思っている。
ひとまず現時点の自分が本書を読んで思ったことは、スピノザの考えはこの令和の時代に非常にマッチしたものではないかということだ。VUCAと言われる先の読めないこの時代において、世間一般的に良いとされているキャリアパスが必ずしも安定的に良いものでは無くなっている。むしろ、YoutuberやTiktokerのように非常に個人的・属人的なスキルで稼ぐ人が増え、AIの発達により仕事のあり方も変わろうとしている時代においては、自分を殺して世間的に良いとされているレールに乗っていても、それに見合うだけの幸せが得られるかは怪しいだろう。
スピノザの考えをしっかりと理解して自分のOSを置き換え、そしてそれに基づいて行動できたのであれば、それは人生の幸福度を高めつつ、なおかつこの時代にマッチした生き方になるのではないだろうか?
よってスピノザについては、これからも書籍を読み返しつつ、理解を進めていくことを宿題とさせてもらいたい。そして自分なりに噛み砕き、飲み込めたら改めてアウトプットしようと思う。
クランボルツ博士 ── プランドハプンスタンス理論を知る
そしてスピノザと同じく、キャリアを探す道の中で出会ったのがクランボルツ博士のプランドハプンスタンス理論である。「キャリアの8割は偶然の出来事で決まる」というフレーズを聞いたことがある人もいるのではないだろうか?
ざっくりと言えば、「人生の成功因子は偶然である」「ただし偶然は必然的にもたらされるものである」「偶然の幸運に巡り会うためには、試行回数を稼ぐ生き方をしなければならない」というものだ。
これについては、解説記事がいくらでもあるのでそちらに譲りつつ、ブルーロックの1シーンが非常にわかりやすいと思ったので、以下に記事を貼っておく。
つまるところこの理論も、最初の山口周さんの話と同じように「まずは動け」ということを言っていると自分には聞こえた。
日々の仕事はなんとなく違えども同じようなことを繰り返しこなし、仕事が終わればYoutubeを見て無為に時を過ごし、ご飯を食べて風呂に入り寝る。そんな生活を続けていても人生は何も良くならない、という思いは確実に自分の中にあった。これは、この理論で言えばそもそも偶然が起きようの無い生活であるから、ということと考えれば説明がつく。
キャリア・アンカーを使って自分という人間を理解する
以上のように、山口周さんもスピノザもクランボルツ博士も「動け、そして自分に合ったものを探せ。動くことは無駄にはならない」というメッセージを自分に送っているように感じた。
となれば、あとはこの停滞した生活を打破するべく動くしかない。ジョジョのプロシュート兄貴も言う通り、行動こそが正義である。
とはいえただ闇雲に動いても意味がない。自分が焦燥感ドリブンで続けている読書だって、行動といえば行動だが、本を読んでいるだけでは何も始まらない。では、どの方向に行動を起こせばいいのだろうか?スピノザ的に言えば、自分のコナトゥスを高めるようなことをすれば良いのだが…
30年弱生きてきても、そもそも自分がどういう人間で、何を求めているのか、わかっているようで分からないものである。
そこで出てくるのが、エドガー・H・シャイン氏のキャリア・アンカーだ(※スピノザ関連で色々と読んでいる中で出会ったものだが、どう見つけたものかは残念ながら覚えていない)。
あいにく筆者はまともな就活をせず、当然自己分析などもロクに行なってこなかったが、もしかしたらそのタイミングでやる人はやるのかもしれない。
キャリア・アンカーでは、
コンピタンス・・・能力。できること
動機・・・欲求。やりたいこと
価値観・・・やるべきこと
という3つの観点から、
専門・職能別・・・自分の技能・専門性が高まり、活用できること
全般管理・・・組織の中で、責任のある役割を担うこと
自立・独立・・・仕事を自分のやり方で仕切っていくこと
保障・安定・・・会社の雇用保障などの経済的な安定のこと
独創性・・・クリエイティブに新しいことを生み出す、自身が会社や事業を起こす機会
奉仕・社会貢献・・・社会に貢献したり、奉仕したりすること
純粋な挑戦・・・解決困難な問題に挑むこと
ライフスタイル・・・個人的な欲求と家族・仕事とのバランスを調整すること
という8カテゴリへの分類を行う。自己分析のやり方というのは色々とあれど、自分にとってこの手法が最も役に立つものであると思った。
で、結局どうするの?
と、ここまで長々と書き連ねて来たが、重要なのは結局以上を踏まえて今後どうするかである。
自分なりに考えたものが、以下の4ステップだ。
1. 自分のキャリア・アンカーのタイプを知る
まずは自分という人間を知るのがファーストステップというのは、妥当なところであろう。自分のキャリアアンカーを知るためのワークブックが存在するので購入したが、インタビュアーを必要とするため、まだ出来ていない。一緒にやってくれる人を見つけ、自分を理解することを第一歩としたいと思う。
2. 過去、何が自分のコナトゥスを高める/毀損する経験であったかを振り返る
このように山口周さんが言っているように、自分の行動に対してどのようにコナトゥスが反応したかを知っていく必要がある。
この文章はこれからの我々の行動について言及しているようであるが、我々は当然過去にいろいろな経験をしてきているわけでもであり、まずは過去から学ぼう、ということだ。
就活時の自己分析で人生の浮き沈みとイベントを記したモチベーショングラフというものがあるが、それに近いものかもしれない。ただし重要なのは、”イベント”ではなく”行動”を振り返ることと考える。
「熱心に勉強した、しかし力及ばず受験に失敗して絶望した」というようなイベントを見るとマイナスに捉えてしまいそうであるが、勉強という行動そのものは楽しかったかもしれないからである。
なんとなく列挙していくことは出来そうであるが、実際にどのような整理をするべきかや、既に何かしらの手法があるのかはまだわかっていない。
そのあたりの詳しいところは、今後実践しながら詰めていきたいと思う。
3. 自分の人生の方向性に合致しつつ、いまエネルギーが湧くことを言葉にする
ここまで出来たら、”自分が何に重きを置く人間なのか”と”実際にどのような行動を取ったときがよかったのか”がわかっているはずだ。
以上の過去の話を踏まえた上で、未来にどうなりたいかを考え、それに繋がるようなアクションを書き起こす。そして、エネルギーが湧くものに腰を据えて取り組むことだ。
このときに気をつけることは、未来を決めつけすぎないことである。クランボルツ博士が人生は偶然というように、コントローラブルなものではない。ならば必然的に、いま考える未来が実際にどうなるかはわからないものである。思い描いた理想像と現実が違っても、それは偶然の巡り合わせがなかったに過ぎないのだ。
進むべき方向はなんとなく頭に描いてそちらに向かうようなアクションをとりつつ、先の先まで見通し切ろうとはしない、適度な近視眼的な考え方が必要である。
4. Just Do It !
やれ。動け。ここまで散々御託を書いてきたが、結局全ては行動を起こせない自分を納得させ、動かすためでしかない。エネルギーが溢れてやまない人間は、こんな小難しいしょうもないことを考えずに既に動いている──。