初めて行った店が◎。なのにもう二度と行けない店 ~(ボクとめし。三食目+)
10月某日。
東京都豊島区池袋。
ボクは幾つかの用事を遂行すべく、数日前からの計画通りに物事を運んでいた。
ことの経緯(相変わらず「めし」と一切関係ない)
元々のお目当てはゲームカルチャーへの発信を主とした池袋PARCOとIGN JAPANか共同主催する
Horror Game Market "ARCADE"
という特別コラボ企画。
国内外問わずの実力も実績もあるゲームがPARCOに集められる。
ということは、当企画内で何かしらイケてるアイテムの企画が出る…ハズだ。
多分。
そう踏んで公式HPにチェックを入れたところ、みんな大好き ゆめにっき 関連のグッズや 野狗子: Slitterhead のグッズ、はたまた試遊も出てるっぽい。
そんな中で個人的に万人にオススメできないオススメゲーム(?)である
Milk inside a bag of milk inside a bag of milk / Milk outside a bag of milk outside a bag of milk
のTシャツを確認。
こいつに目星を付けて、現地で何とかゲットしてきました。
ゲームの詳細は↓(ゲームのストアページです)。
来展したタイミングで担当者様たちがいらしてたので一緒に成功祈願をお祈りしてきました。
南無南無。
朝イチで買い物に臨んだので思いのほか早く1つ目の用件が済んでしまい、そのまま池袋をブラつく。
とは言うものの、トーキョーは現在でも最前線。
練り歩くには財布の中身も心許ないので、昔から愛用していたジュンク堂書店池袋本店へ足を運ぶ。
経営が丸善に変わってしまったものの、依然ジュンク堂は一部雑誌のバックナンバーを揃えていて、尚且つ芸術書関係も豊富なので、学生時代は少ないお金を握りしめてジュンク堂で財布とにらめっこしながらフロアを行ったり来たりしているだけで結構な時間を潰せたものだが…。
フロアを往復し、数冊を手に取りレジへ。
ジュンク堂の一つの名物とも言える10台レジ(勝手に命名。ジュンク堂池袋のレジは多数の客対応の為、結構な台数のレジがズラリと並ぶ仕様)も3台しか稼働していなく、来店客の約半数は3台置かれている無人レジを使っていた。
レジの合計金額を見やり、しかし雑誌関連も結構高くなったもんだなぁ…とそれぞれに時の流れに思いを馳せつつ。
あ、あれ? 財布の中身、学生時代とそんなに変わらないっ…!?。
まぁそんなことはさておき。
幾ら通い慣れた地域でも何故か踏み込んでいないエリア、というものはどこにでもあるもんで。
周辺をブラついていたのは、幾つかの用事の2つ目…その踏み入れていないエリアにある、以前より気になっていたカフェの開店を待っていたからなのです。
今回の前提条件
今回は完全に狙い撃ちです。
行動計画のもう一つのメイン、と言っても過言では無い。
今回のお店
という訳で。
cafe pause
(東京都豊島区南池袋2丁目14−12 山口ビル 1F)へと馳せ参じてきました。
(GoogleMAPの表記では2Fとなっているが、実際は1F。)
丁度ジュンク堂の裏路地にあり、更には池袋駅とは反対方向に位置していたので、今まで上手いタイミングで入店まで辿り着けなかったんですわ…。
でも今回は準備は万端!!
ケツ(後の用事)も無し!!
ってな訳で早速待望の店内へ。
店内の様子は広々として、窓際にカウンター席+角の本棚を挟みL字型向こう側にもお席。
中央にテーブル席も相当数(2人掛け7卓以上)存在している。
温かみと清潔感が同居する、オーガニックな雰囲気。
カウンター席は路地沿いで、採光性のある大きな窓ながらも歩行者や風景と自然な距離が保たれ、気を煩わせない。
今回のめし:本日のランチ(生姜焼き定食)
ランチは常々で変わるらしく、この日は 定食 と パスタ2種 から選べるみたいで。
この並びだと普段ならパスタ一択なのですが、何故か自身のアンテナが過剰に反応して、気が付けば 生姜焼き定食(¥1500) を選んでみました。
ジュンク堂で購入した雑誌を眺めながら、ふと先に持ってきてもらったセットのコーヒーに口を付ける。
…あれ、何… 何 ! 、何これ!!
コーヒーが物凄く美味い!!!!
勿論コーヒーは嗜好品なのでの好みや飲み方には個人差がある。
自身の飲み方もブラックで一度口にしてから砂糖とミルクで調整するのだけど…。
いやしかし、このコーヒーは自身の好みにとてもフィットした。
口当たりの滑らかさと芳醇な豆の甘さ、主張をしなくても存在感が判る香りが絶妙。
ミルクも、もしかしたら砂糖すらもいらない。
そして何より旨いし美味いし、うまい。
確実に脳がうまいbotになってしまった。
そんなうまいbotの目の前に、注文した生姜焼き定食が運ばれてきた。
一言で言うと、感動した。
付け合せのカブと柚子を口に頬る。
やはり、これは…という思考が浮かぶ。
続いて生姜焼きを頬張る。
疑念が確信に変わる。
確認のためにお味噌汁を啜る。
全ての旨さの謎が、解ける。
「これ、素材本来の旨さだ…」
元来、調理するのに調味料は必須なアイテムだ。
だが近年のお店は競争を計るため、どうしても差別化を図るために調味料で「味付け」してしまうお店がとても多い。
そのため、調味料やスパイスと肩を並べた、派手な味付けになってしまうこともしばしば。
だが調味料にはもう一つの側面…「調理素材のブリッジとなり、素材本来の旨さを引き立てる」という役割もある。
おかず自体のそれぞれは強い味ではない。
なのにしっかりと旨味を感じるし、それらが次のおかずの邪魔をすることも、決してない。
そして先に挙げたコーヒーですら、和食膳を阻害することもないのだ。
店主の性格が反映されているのか、そのような味付けを意識して調理しているのか。
御膳に並べられた一つひとつの料理がそれぞれの個性を出しつつも見事な調和が成されているのは、流石の一言に尽きる(訳 : 非常に旨い)。
今回のデザート:スコーン
この流れは良い、すごく良い…ようし、デザートいっちゃおう。
久々のごきげんタイムである。
デザートもその日の準備や状態によって変わるらしく、この日は アップルイ と スコーン、コーヒーゼリー の三種から選べた。
ちなみにアップルパイは以前より噂で聞いていて、おすすめされる頻度が高い。
そしてここのコーヒーなら、コーヒーゼリーも期待を超えてくるであろう。
だが。
ボクのアンテナはスコーンを選んだ。
ちなみにボク自身、他人の作るスコーンが大の苦手である。
どうもあの、作り手の主張がバリバリ感じられる甘さや雑にボソボソしてたりしっとりしてたりする質感、時には紅茶葉やシーズを生地に練り込んで「これが美味しいんです。どう?オシャレでしょう」と言わんばかりの押し付けスコーンにしかお目にかかったことがなく、「スコーン」と聞いただけで「スコーン」とオウム返ししかできなくなってしまうのだ(意味不明)。
なのにどうしてスコーンを選んだのだボクのアンテナってばよ(倒置法)!!
そんな自分の選択に唖然としたボクを尻目に、やがてスコーンは到着した。
お皿に並べられた焼き立てのスコーンが二つ。
付け合わせは小匙ぐらいの蜂蜜とマーマレード、そしてクロテッドクリーム。
スコーンを手に取りそっと割ると、外側のカリッとした表面とは裏腹の適度な中身の質感。
クリームを撫で付け、口に頬る。
「あ…。」
どうやらデザートまでもが自分の好みに合うらしい。
今までの悪態は何処へやら。
付け合わせを撫で、夢中で頬張り、気が付けば皿の上のスコーンは全て胃の中に収まってしまっていた。
この表現が合っているのかどうなのか。
何しろ(料理含めて)全ての味が「優しい」のだ。
言いかえれば「地力がとても高い」と言うべきか。
居心地の良い店内の空気も含めて、ボクは完全に cafe pause の虜になってしまったようだ。
だが。しかし。
感動に打ち震えていたところに店長から、それ以上の衝撃の事実を聞かされることとなる。
ごちそうさまでした。と晴天の霹靂2024
人生を思い返せば、ボクの目論見はいつも甘かった。
通っていた場所のお膝元に、こんな素敵なお店があったこと。
「どうせ行くから、後でいいや」と、来店を先延ばしにしてたこと。
いつだって、ツケは後から回ってくるもんだ。
会計がてらにコーヒーの味の謎やら、スコーンの風味そのものに感動したことやらを店長に伝えていた、その矢先だった。
「いやーこのお店。(2024年) 10月いっぱいで閉店するんすよ。」
「お…おおぉんっっ???」
いやマジで。
マジでこの声出た。
せっかく、ようやくこのお店に巡り会えたのにぃぃぃ…。
気になったお店には早く足を運べ、ということですよ。
みんなも気を付けてね…、無念。
南無南無。
(※記事執筆時は閉店前なのですが、執筆途中からG○○gleMAPの表示が類似店舗を表示し始めて店舗の場所が安定しなくなりました。
お別れの時が近づいている感が半端ないです…。)
と、ここまで読んでいただいた方へ、
お気付きだろうか。
お店や料理の写真が一枚も無いことに。
記事に貼るためにスマホでパシャパシャ撮影してきたのですが、G○○gleドライブさんの謎の暴走に巻き込まれ、ここ数ヶ月間の写真データが全てブッ飛んでしまっていまして…。
クセのある文体ゆえ、文字ばかりでさぞ読みにくかったことと思います。
大変申し訳ございませんでした。
なので日を空けずに電車に乗って
もう一回行ってきました。
ここまでの前文と合わせて情報を補完していただけると幸いです。
そんなこんなで、+
電車に乗る前に立ち寄ったコンビニでスマホを盗んだ犯人を取っ捕まえたり、電車の停止信号で遅れたり、急にケツ (※前文 今回のお店 参照) に予定が入ったり…と細かなアクシデント (日常慣例) を抱えること開店から遅ればせながらも。
何とか再度 cafe pause へと到着。
いそいそと店内に入る。
開店から20分。
店内の席は結構埋まっていた。
けれどお陰でテーブル席に着けたのはラッキーだったかも。
今日のランチは ガパオライス と ピッツァマルゲリータ から選べるみたい。
文字通りに要らぬ一仕事を終えたボクは腹を空かせていたのでガパオライスを注文しようt
「料理にお時間かかってしまいますけど、お時間大丈夫ですか?」
「あっはい! 大丈夫です。むしろ料理とコーヒーを楽しみに来ました!!」
「ありがとうございます! あとすみません、本日ガパオライスが終わってしまって…。」
あっはあぁぁっっはぁっぁあん(慟哭)!?????!?!?嘘だろ????( ;∀;)w
まだ開店20分やぞ!?!?!?ww
ここにいる客全員、ガパオライス頼んだのかよ!??
そんな涙目のボクの横で他客の卓へと運ばれてゆくガパオライス…。
どうやら本当に全員、ガパオライスを頼んだみたい…。
初っ端からアクシデント続きで心折れそう (TT) なのだが、ここは残るもう一択のマルゲリータにぐっと期待を寄せる。
cafe pause ならこの期待にきっと応えてくれる…ハズだ。
3日ぶり2回目の客からの無闇に熱い信頼だが。
という訳で、付け合わせのサラダとコンソメスープを突付きながらマルゲリータが来るのをm…
うん。
レタスのリーフがしっかりと分厚く、コンソメもシンプルで優しい。
よく美食家(笑)が、
「そのお店の中で一番シンプルな料理を頼むと、料理人の腕がわかるドヤアッ」
とか言ってたけど(偏見)、何だか一理あるなぁ…とボーっとしていたら。
いつの間にか ピッツァマルゲリータ が来た。
あらあら。
あらあらあら。
美食家ドヤアッさん、アンタの見立て、当たってたよ…(誰よ美食家w)。
これぞシンプル イズ 「 most very 」ベスト、なのよ。
そしてピッツァもトマトの汁気でベチャッとすることも無く、バジルも口内が香り一色にならず、むしろ適切な量でホント完璧!!
自分がもしピッツァ職人だったら、こんなピッツァを出したい。
そんな想像を掻き立てる一品でした。
そして前回 (3日前w) は スコーン をいただいたので今回は アップルパイ を…と思ったのだが、写真がブチ飛んだ故のリベンジ来店、ってことを思い出して泣く泣く スコーン を注文。
マジ許さんぞG○○gle!!
…まぁ、スコーン美味しいからいいんですけどね。
丁度流れが落ち着いたみたいで店長(兼オーナー)さんと軽くお話ができた。
ここの味が自分の中で一番フィットした味なんです、と伝え(これは事実)、そして全てをなぎ倒してここまで来ました、と謎の報告をした(これも事実w)。
そんなにウチのコーヒーがお好きなら…と。
エスプレッソを出してくれました。
何で…エスプレッソ苦手なのに…。
こんなにスイスイ飲めちゃうのおおぉぉっっっ!!
砂糖とミルクなんて、最初からいらなかった。
ここに来て「美味しい」の概念がまたアップデートされてしまったよ…。
という訳で、すったもんだの末 (主に個人的理由) に再度の来店を果たしたcafe pause 。
20年以上続いたこの店舗も2024年の10月末で幕を降ろすこととなる。
後追いで調べれば調べるほど、名店の誉高いと言われていたのも頷ける。
池袋タイムズやさんたつ(散歩の達人)にも取り上げられていた。
何はともあれ、お近くに来たら猛ダッシュで行くべきだ。
特にシアトル系コーヒーに飽きていたり苦手に感じる方は絶対に味わうべきだ、と断言できる。
ありがとう、cafe pause 。
もうこの場所で二度と行けなくなっちゃうけど。
最後に出会えて良かった、と思わせてくれる素敵なカフェでした。
南無南無。
ここまで読んで cafe pause が気になったのに、間に合わなかった…。
そんな方へ店長さんから。
Instagramをフォローしておいてください、とのことです。
※関係ない追記
Tシャツ買いました(※ ことの経緯 参照)。
期間限定で受注生産を通販しています。
興味のある方、会場に足を運べない方は是非。
このキービジュアルでTシャツ作ってくれよPARCO!!
…と、担当者様へ頼み込んだのはここだけの秘密だよ。