原神声優に学ぶエスケープ・フロム・ザ・イントロヴァーテッド・ユニバース蜘蛛の糸🕸️
はがない。
僕は友達が少ない。
元々から友達と呼べるような人達が周りにいなかったことに加えて、更に時代的背景や世代のミゾも絡んできていよいよ新規の「ツレ」と呼べるような存在を作ることが難しくなってきた。
理由を外側に求めるとして
・昨今は物騒且つ身勝手な事件が多い
近年の犯罪に見られるのは、主に自分の事を知らない者・初対面や知人でない者に容赦が無い…つまりは足の付きにくい人物に対して「バレなきゃ何をしても良い」という心理が透けて見える。
そういった事件が多発しているので、互いの情報を持たない初対面同士が逃げ場の無い場所で集まると牽制しあったり上辺の取り繕い合いであったり…と踏み込んだ関係性を形成する土壌作りにまで至らないことが多い。
と、そこに
・例のアレが蔓延
久し振りに記事を書くのにそっち関係の記事に纏められてしまうのがイヤなので明言は避けるが、まあ兎に角例のアレは予想以上に日本人全体の気質にフィットしてしまった結果、個々のパーソナルスペースは更に広がり多少の関係性が無ければ笑顔で対応できないぐらいには大きく分断されてしまったと言える。
まぁゴチャゴチャ言うとりますが結局内側に答を求めるならば
・ゴチャゴチャ言うとるこの性格が問題
に尽きる。
これはもう説明と言い訳が多い内省ヲタクで草ァ…と不甲斐ない内向的な自分自身に言い訳をするしかない。トホホ。
ところで
原神特別番組 テイワットーーク!(完全版)を観た(強引な展開w🤣)。
この番組は2022年9月15~18日に催された東京ゲームショウ2022の3日目に放映された原神というゲームの公式特別紹介番組だ。
…はて、原神とは何ぞや??という方は公式のリンクを貼っておきますので各自チェックを。
その番組出演者の中に同コンテンツの中で主人公・空(ソラ)役のCV.という華々しいポジションから番組に臨んでいる声優の堀江瞬さん(※)という方がおられまして。
今回はこの番組内で彼の口から語られたエピソードが胸にブッ刺さった、というおはなし。
(※余談:僕は声優のことはよく分からんのですが、声がふんわりしてて超カワボですな。)
学年にひとりはいるなぁ(其々)
番組の主旨としてはゲームに出演されているキャスト陣が登壇しゲーム内外のコンテンツや魅力を紹介し誘(いざな)っていく番組で、番組内容も
「自己や演じるキャラクターの紹介・舞台となる世界の説明、各バラエティーコーナー、そしてイベントや関連グッズの紹介、等々」
とまぁ、よくある進行なので特に何も考えずに見てた。
各々が手探りで現場の空気を確かめながら緊張しつつも和やかに進行していく最中、難題が訪れた。
説明をすると同番組内で、演者の方々に
「自分にとって原神とは何か?」(※)
という、多分社内スタッフやお偉いさんが観覧しているであろう状況下(笑)で、お題の内容自体がふわっとしているのに壮大なテーマを語らせる地獄の様な忖度必死のコーナー企画(失礼)が始まったw。
(※番組出演者は原神CV.だが同時に原神プレイヤーでもある。)
そうして目に見えない何かが課せられ現場に緊張が走る中、お題の手本として司会進行の声優前野智昭さん(※)がスラスラと思いの丈を述べていく。
形式としては
「己にとっての原神の立ち位置を一言で総括⇒それに対する内容説明」
といった模範解答の様な流れだ。(例:「僕(私)にとって、原神とは○○です。なぜなら~」とエピソードが続くアレである。)
(※余談:僕は声優のことはよく分からんのですが、声がしっかりしてて超イケボですな。)
明朗快活に述べられた司会のファインプレーに沸く一同。
こうして現場は救われた…と和やかムードが訪れそうになるその瞬間、
刹那、凍り付く現場。
一同も顔を見合わせ、流れ的には膠着状態になる互いの出方を読み合う…ハズだった。
再び進行を促そうとしたその時、この状況を多少食い気味の挙手で断ち切った男がいた。
堀江瞬さん…だがその不器用にも見えるタイミングの挙手に何となく本能が察する。
あれ?多分この人…?。
間も無くして、その瞬間は唐突に訪れた。
「僕にとって、原神とは…」
人見知りの告白、世間の反応。
趣味に対し内向的な性格は大きなアドバンテージだ。
端的に言うと「自分の [好き] に集中して取り組むことができ、深度を深くさせる」ことができる。
ただしそれはあくまでも [個人] 行動の場合であって、社会やチームでの行動にとっては、他人との歩調やリズムキープに気を配らないと余程のことがない限り、あっという間に村八分と成る。
オタクあるあるでは自分の好きなジャンルや得意分野になると、途端に早口言葉になったり、専門用語を用いて会話をしてしまったり、兎に角語り切るまで終われない例のアレだ。
果たして、堀江瞬さんも自他共に認める内向的な性格、気質を持った方(らしい。知った理由は後述)だ。口火を切り語る際のその意志はとても固く、そして決意を持った表情だ。
もう一度言おう。
集団で何かを進行する際に世間一般の流れを標準・重用とするのは致し方がない。
特にいざ仕事となると個人の都合などかまっては居られないことなんてわんさかとある。
みんな、解ってる。
けど現実はその気が無くとも刃となるのは往々にしてあることで。
一瞬の沈黙の後、全出演者が一斉に動いた。
嘲笑や冷笑、失笑…と反応は様々だ。
視聴していた僕にとっても演者のこの対応にはいたたまれなくなったが、今回はあくまでも番組であって、(先にも触れたが)「世間一般を標準」と定めて視聴者に明るいイメージをお届けするのが仕事であり常で、個人の考えを軽く流しプロとして進行に徹するのは流石に「致し方無い」ことで。
言い換えれば演者は大人の対応を取ってしっかりフォローをし、世間体を保つように努めた、とも言えるのだが…(※)。
(※因みに誤解の無いように注釈を強調するけど、基本的に演者さん同士は大変仲が良いです。)
孤独からの「救済」
しかし堀江瞬さんは怯んでいなかった。
それは堂々としていたからではなく、寧ろ決意と覚悟の表れにも見えた。
前野智昭さんが戸惑いながらも間髪いれずに説明を促す。
ゆっくりと自分の内側を確かめるように堀江瞬さんは口を開いた。
もうこの時点で内向的オタク代表と言ってもいいぐらいのあるあるで。
会話の切欠けが存在しない世界線の住人にとって、その境界線は時に大きな障壁となる。
仲間になりたくない訳じゃない、その輪の中に入る入口すら見つからないのだ。
だからそっと視線を落とし俯く。
見えない潮流をしゃがんでやり過ごし、自分の一日を守るために。
この話の流れを逃さず、そっと手を引き肯定するかのように司会は進行する。
必要最小限の相槌で発言者を際立たせる技術に出演者も話に引き込まれていく。
ここでキーワードの救済が出てくる。
そしてもう決して笑い話では無い。
言葉の選び方から察するに、堀江さんは当時の対人関係において最早悟りにも似た、諦めの境地にまで達してしまっていたのではないのだろうか?。
内省的・後ろ向きを拗らせて卑下にすり替わってしまうぐらいには。
ここでも一同が笑うのだが、その笑いが安堵や納得・理解のものに変わっている。
堀江さんがブレイクスルーできた、ということが心から伝わったのだと思う。
演者の一人が思わず「原神かぁ…」と呟いていたのが印象的だった。
そして堀江さんは話を締める。祈るように自分の胸の内を掴まえるように指を組み、真っ直ぐに前を向きながら。
余談
堀江瞬さんと司会進行の前野智昭さんは「原神公式ラジオテイワット放送局」という番組のパーソナリティとしても繋がっていて、
初回放送時の互いの関係性はぎこちなかった。
だが徐々に間を縮めていき、今回の番組ではフォローし合える信頼関係を結べる間柄になっていた。
だからこその今回の堀江さんの発言に繋がっていると思うし、前野さんも彼のパーソナルを理解した上での司会進行であった様に思える(もう一人のパーソナリティは古賀葵さん)。
ちなみに先の話に出てきた前野さんの例題のお題は絆でした。
エスケープ・フロム・ザ・イントロヴァーテッド・ユニバース
今回の堀江瞬さんの発言はとても勇気のいる話だったと思うし、反面、巨大コンテンツに関われたことはとても幸運なケースだったようにも思える。
だが、近年は人気商売でもある声優という職に就いてながらあそこまで内面を吐露するリスクを鑑みると、堀江さんの此度の経験談とメッセージはしっかりと受け止め、啓蒙していっても良いことだと思うのよね。
内向的宇宙の住人の脱出劇、確かに見届けました。
ブッ刺さりました(最早ゲームの公式番組とは?になっとる🤣🤣🤣)。
蜘蛛の糸(まとめ🕸️)
(勿論好きが高じて、の人が大部分だと思うが)どうしようもない孤独から自己を傷付けず、成果の積み重ねが可視化・体験で実感し易い趣味の世界に興じる人もいると思うし、そうでないにしても趣味に没頭する切欠けや入口はそんなとこだろうと思う。
内向的な人間の孤独からの脱却は、確かにとても難しい。
孤独とは幾ら一所懸命に頑張ろうが自分以外の誰かがいないとクリアできない問題だからだ。
けど斜に構えず、腐らず。
今は友達が少ないけれど、楽しいことを楽しもうとする姿に一目置いてくれる人がいるかもしれない。
そう信じて、僕は今日も見えない明日に向かって必死に手を伸ばしていこうと思う。
蜘蛛の糸を掴むその腕は自分自身の腕なのだから。
P.S.
あと今回の一件で声優さんというコンテンツに興味を持てました。
生活は何も変わっていませんが僕の心の内側も救済されました。
堀江瞬さん、前野智昭さんに最大級の感謝を(本人達には届きませんがw🤣🤣🤣)。