人口・商業における大阪と東京の違いから見えてくる「人」と「モノ」の関係
皆さんは、大阪だけでなく、東京でも、何処でもエリアに関係無くビジネスできていますか?毎日、そんな事ばかりを考えている、大阪と東京を行き来する「コト」づくりプロデューサー・コトクリ(仮)です。
私自身は25歳の頃から徐々に、そしてここ10年はほぼ毎週のごとく、大阪と東京を行ったり来たりしています。出張し始めた頃は、とにかく方言「関西弁」に困っていました。一般的な「標準語」とは違って目立つ(ような気がする)ことと、トーンを考えて話をしないとキツく聞こえる(らしい)と思ったからです。さらに、私の声はデカく、通りもいいので、自身でコントロールしないととんでもない事になります 笑。
ただ、そんなコンプレックスもしばらくすると無くなります。幸いなことに、大阪の「お笑い」が全国区になって馴染みがでてきたことと、妻が「標準語」のため、徐々に影響を受けて「関西弁」も薄まっていくことに気づきます。今ではコントロールできるくらいの、まさに「両刀使い」?!
人口統計的な大阪と東京の違い
ご承知のとおり、都心への一極集中は止まることなく、いまも東京都は人口が増え続け大阪府は減り続けています。ただ、感覚知だけでは良くないので、実際の統計数字を見ながら整理していきます。
面積(km2)
大阪府 1,905.14 東京都 2,193.96
人口(人)※令和2年国勢調査
大阪府 8,837,685 東京都 14,047,594
人口密度を計算すると、、、
人口密度(人/km2)
大阪府 4,638 東京都 6,402
面積は全国47都道府県中、東京都が45位、大阪府が46位と、実はどちらも非常にコンパクト。でも、人口密度的には、東京都が圧倒的に人が多く感じるのは一目瞭然ですね。ただ、本当に増えているのか、減っているのか?
人口増減率 ※令和2年国勢調査
大阪府 -0.02018 東京都 3.93867
うーん、たしかに東京都は増え続けているのに、大阪府は減少しはじめているという。実際のところ、東京都・沖縄県・神奈川県・埼玉県は、プラスになっておりました。
そして最近、これまであまり縁の無かった自治体の人と接点を持つようになって、市区町村単位で見るとさらなる傾向であることに気づきます。
大阪府下の人口増加率
※2023年10月1日(推計人口)と、2020年10月1日(国勢調査人口)とで比較したもの
大阪府吹田市 1.81%
大阪府茨木市 0.82%
大阪府大阪市 0.66%
大阪府箕面市 0.41%
・・・
大阪府下で人口が増えているのは上記のみであり、他市区町村は減っているという・・・。大阪・東京の比較に限らず、この偏りがさまざまな問題を引き起こしていることは容易に想像できます。
商業統計的な大阪と東京の違い
では、少しビジネス面でも見ていきますが、引っ張るべき数字としては、企業数、上場企業数、あとは産業別の違いなどでしょうか。
企業数
大阪府 262,619 東京都 423,595
中小企業
大阪府 261,653 東京都 419,013
大企業(企業数から中小企業数を引いたもの)
大阪府 966 東京都 4,582
上場企業数 ※上場企業サーチJic参考
大阪府 439 東京都 2,125
単純に企業数で見ると、先の人口と比例した数字でしたが、大企業の数や上場企業数だと圧倒的に東京の企業が多いことがわかります。
あと、産業別だと以下のとおり。※顕著な差がある産業のみ抜粋
卸売・小売業 大阪府 14.9% 東京都 21.15%
製造業 大阪府 17.8% 東京都 6.89%
情報通信業 大阪府 5.6% 東京都 11.61%
比率で見ると、大阪府は圧倒的に「製造業」が多いですね。逆に東京都には「卸売・小売業」「情報通信業」が多いです。これを踏まえると、大阪と東京とで、ビジネスのやり方は違ってくるのかな?と、何となくですが感じることもできます。
※大阪府「令和2年 大阪府民経済計算」より引用
※東京都「グラフィック東京の産業と雇用就業2024」より引用
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/66833d3b9e58881a4f573d4913d18a81.pdf
見えてくる「人」と「モノ」の関係
ここまで「人口」と「商業」について見てきましたが、「人」は中心部に集まりがちで、「モノ」は歴史的に地場で製造が継続されているという仮説が立てられると思います。さらに雑に書くなら、「人」は移動できるけど、「モノ」は移動できないなんてことも想像できます。
でも、さらに考察すると、基本的には「人」は「モノ」の周りに集まってきます。言い換えると「モノ」があるから「人」が集まってくる。勿論、必要な「モノ」であるか、そうでないかは別として・・・。
「モノ」に限らず、仮に「コト」も同じかもしれません。「モノ」や「コト」の周りに「人」が集まる。でも、それを一変させたのが、インターネットの世界かもしれません。この革命により、「モノ」や「コト」が必ずしも場所やリアルに縛られなくなりつつあります。そんな事は、皆さん既に肌で感じていることだと思います。しかし、私が感じるのは、肌で感じていても、実際の生活や行動に変化として反映されているでしょうか?
人の勤務先(企業とか)が決められている。
人の勤務地(エリアとか)が決められている。
人付き合いの範囲とか方法が変えられない。
事業所や工場の場所が変えられない。
これらは全て「場所」とか「(物理的な)距離」に関する既成概念です。でも、時代の変化に合わない部分が多々あります。過去と比べて「価値」が変わっているのに、新たな「価値」に対応できていない。無論、これは簡単ではないところもあります。でも、まずは気づくところからかもしれません。
大阪の企業であっても、東京で有名になり選ばれる企業にもなれる。
「モノ」を最適配置することで、場所に関係なく「人」が集まってくる。
「人」が動けば、新しい可能性を広げやすくなる。
インターネットを適切に使えば、場所や距離の既成概念を修正できる。
私が日々感じることは、自分たちの目線だけで物事を考えると置いてけぼりになるなと思っています。そして、その置いてけぼりは他の人と常に関わりあい、他の人の目線で見てもらうことが大事なんだろうなと感じています。
こんなことを思いながら、今後ブランディングを支援する人間としての活動を増やしていきます!
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