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「向いていない」という評価はあっても、「好き」ならば気にしなくていい

■ 「向いていない」への捉え方


人間には向き・不向きというものがある。大抵の場合、前者としての「向いている」は自分では観測しにくいが、後者としての「向いていない」は何となく自分で判断できる。

物事にはじめて取り組んだとき、ある程度やってみた段階で「あ、これは自分に向いていない」と気づく。これは単純に面白みを感じないからだ。
しかし、最初のうちは知識や技術などのスキル不足、物事の全体像や構造の理解不足から面白みを感じないこともあるため、これらを修得・理解するうちに「もう少しやってみようかな」と思うようにもなる。

それでも、人間にはどうしても”伸びしろ” というものがある。これは世間では才能や遺伝といった要因を挙げる人が多いが、どちらかと言えば生まれ育った環境や幼少期の過ごし方に由来している。

だからと言って「自分には伸びしろがない」と絶望する必要はない。すぐに諦めることもないし、「向いていない」という決めつけは早計である。
「向いていない」として仕事を辞めたり、今までやってきたスポーツや娯楽から身を引かなければいけないのだとしたら、どの分野も少数の人しかいなくなってしまう。


■ 才能・実績 =「向いている」?


そもそも、多くの人は「向いている=ものすごい才能や実績がある」と思い込んでいると思う。

学習や訓練によってそれなりのレベルのスキルがあったり、周囲から一定の評価を得ているのに「自分は才能も実績も凡庸である・・・向いていない」と決めつける。まるでその場においてトップやエースでないと「向いている」と自身で承認できないかのような話だ。

もちろん、自分が「このくらいのレべルの存在でありたい」「あの人と同じくらいの地位になりたい」と理想を抱いて頑張ってきても、実際にそうならなかったときに「この分野においては自分はここまでだな」と見極めすることもある。
しかし、それは「向いていない」からなのか? ・・・それは誰にも分からない。自身の限界なのかも分からない。年齢や体力などの問題もあるだろうが、限界だと定める明確な根拠になるのかも分からない。


■ 他人からの「向いていない」という評価


そのような「向いていない」かの見極めもできない況下で追い打ちをかけることがある。それは、他人からの「あなたは向いていない」という評価だ。

これは当人が一生懸命にやっているけれど、失敗が続いたり、時間や手間暇かけてもスキル修得が身につかない場合に言われることが多い。
また、当人それなりにできていると思っていても、それは1つの側面だけであって、総合的に見て「向いていない」と評されることもある。

もちろん、仕事においては目標達成やトラブル防止、あるいは損害への処分として、一定のスキルに至っていない場合や考え方や理解度が追い付いていない場合などに、その職員に対して「向いていない」という言葉を用いることはある。これは誰もが理解できると思う。


■ 「向いていない」は「好きでもやめろ」ではない


それでも、他者から正論として「向いていない」と言われても、自分がまだ続けたいと思うならば続けても問題ない。

誰も「向いていない=やってはいけない」なんて話はしてない。

例えば、漫画を描くのが好きでWeb上に投稿していたとき、コメントで「向いていない」「壊滅的に面白くない」と書かれたとしても、それで漫画を描くのをやめる必要はない。
読者から「面白い」「続きが読みたい」など評されたら嬉しいだろうが、あくまでそれは、自分が漫画を描くのが好きという気持ちの延長に得られたことである。

「向いていない」と言われたからといって「好きなことをやめなければいけない」なんて理屈は存在しない。

好きなことを仕事にできれば良いかもしれないが、その思いが結果やカタチにならないこともある。しかし、それはあくまで仕事としての話だ。
好きなものや得意なものだからビジネスとして成功できる保証はないし、趣味でやっていることのほうが一目置かれることだってある。

いや、もういっそ仕事とかビジネス視点で「向いている」「向いていない」なんて考えないほうが良いのかもしれない。

自分からみても「向いていない」と思っても、それでもなお「これは好きだな」と思うならば、それは「自分の好き勝手に楽めるもの」と気持ちを切り替えてしまったほうが健全だと思う。


――― 何だか話が行ったり来たりな文章となって申し訳ない。
要は「向いていない」と自他ともに認めたとしても、「好き」ならば気にせずにやればいいのでは、という話である。

「あいつ、向いていないのによくやるわ」なんて馬鹿にされても気にする必要はない。別にその人の迷惑になっているわけでもない、たった1回きりの自分の人生としてやっていることなのだから・・・。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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