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年末になると高齢者の転倒が増えるのは偶然だろうか?

早朝からの緊急対応


本日早朝、施設の入居者が転倒したと夜勤者から連絡が入った。

雪道の中で何とか施設に駆け付けると、転倒された方はベッドに横になって安静となっていた。受け答えは問題なく上半身は動かせるものの、下半身を少しでも動かそうとすると激しい痛みを訴えた。

特に右側の腰回りを中心にひどい痛みを訴えられることから、右足の付け根付近を骨折している可能性が高いと思った。

その可能性をハッキリさせるには受診するしかないが、今は年末年始。どの医療機関も休診であり、中核病院の救急センターへ受診する運びとなった。

何事もないことを祈ったが、予測どおり右足の付け根は骨折していた。レントゲン結果は見事に真っ二つに断裂しており、手術も含めて入院となった。

どこの医療機関も休診であることから、救急センターは大変混雑していた。レントゲン撮影と診察までは早かったが、ご家族に連絡して病院に来ていただいて入院手続きに移るまで半日待たされ、それから定時薬や必要物品を施設に取りに戻ったりなどの対応で1日が終わった。


年末になると高齢者の転倒が増える?


さて、「なぜ転倒しただけで骨折を疑ったのか?」についてお話したい。

まずは転倒した利用者の状態確認からの推察もある。また、年齢とともに骨がもろくなる高齢者が転倒して痛がったら骨折していると仮説のもとに対応方針を立てるからだ。要は最悪のケースを考えているわけだ。

そして「年末になると高齢者の転倒が増える」という傾向もあるからだ。

とは言え、これは何かしらの統計によるものではない。あくまで個人的な根拠ゼロの見解である。もしかしたら、そういう統計があるのかもしれないがあくまで私の見解は感覚的なものだ。

しかし、本日受診した救急センターでも同様の高齢者が何人もいた。救急センターは空間が限られていることもあってか、受付や待ち合い通路で「今日はどうしましたか?」という声が聞こえる。すると、車椅子の高齢者の傍にいるご家族や施設スタッフと思われる人から「どうやら転んだらしく、その本人がとても痛むもので・・・」といった声が聞こえてくた。

「どこも同じだなぁ」と思いつつ、何となく「そういえば去年もこの時期に転倒して骨折した方がいたな」と気付いた。それは雪道や路面が凍結しているからという理由ではない。むしろ家や建物の中のほうが多い。

そう思ったら、毎年この時期に緊急対応をしている自分にも気づいた。


冬季の転倒は起こる前提


だから何だということもあるが、年末になると高齢者の転倒が増えるというならば、そこには予防策を講じる必要はある。

しかし、現時点において「年末になると高齢者の転倒が増える」ということの根拠は何もないし、そうだからといって原因も定かではない。気持ち的に浮足立つ時期だからと言う人もいるが、それが転倒とどうつながるのかは不明である。

せいぜい、介護という仕事において緊急対応をせざるを得ないこと、何なら1日それに費やさざるを得なくなることへの心構えくらいが関の山だ。

実際、緊急対応だけで予定していた業務や予定を変更したり、一人スタッフが減ることになるので、残った出勤者の負担も大きくなる。しかし、愚痴を言っている暇はない。やるしかないのだ。

そこで、年末という1年の区切りに高齢者が転倒して緊急対応をすることになったら「年末になると高齢者の転倒は増えるもの」と考えるのも1つだ。
もちろん、高齢者への働きかけは大切だ。寒くなると血圧が変動したり体の動きもこわばるため室温や空調管理をしたり、体を動かす機会を増やすといった対策はできる。

それでも転倒などは起こるときは起きる。何なら普段歩行に問題ない人が転ぶことも珍しくない。そうなって驚かないためにも、起きたときには「そういうもの」と割り切ることも必要だと思い、本記事をまとめてみた。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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