見出し画像

人事のためのキャリアコンサル_011:HRBPになるためにはどうしたらいいか?

「人事のためのキャリアコンサル」とは、"人事"プロフェッショナルの方々のキャリア支援を目的に、架空の人事経験者のプロフィールを元に、「もし私だったらこんなアドバイスをする」をまとめたコンテンツです。

キャリアサマリ:

  • 28歳、男性

  • 日本語ネイティブ、英語ビジネス上級レベル

  • 現職は従業員規模約500名、人事7名の外資ITサービス企業で採用担当。人事チームと採用チームが機能として分かれており、人事の職域を広げるために人事チームへの異動を希望しているが、過去実績もなく難しい環境のため転職を検討中。

  • 現年収800万円

課題:

採用を担当している方で、ネクストキャリアとして「HR Business Partner(HRBP)」を希望される方はとても多いです。特に、現職が異動や職域を広げることが困難な環境に身を置いてる方ほど、強く興味を持たれる傾向にあるように思います。

HR Business Partner、HRBP、人事ビジネスパートナーなどのワードで求人を検索すると、募集要件のほとんどが「HRBP経験XX年以上」との記載があり、前の組織でHRBPを経験している方を求めています。そのため、採用担当→HRBPへのキャリアチェンジは、社内異動で実現するしかないのでしょうか?

転職を通じて、肩書としての「HRBP」を目指すのであれば、事業の特性上、採用活動が事業成長に大きく寄与するビジネスモデルの会社であれば、採用経験のみの募集要件で、タイトルが「HRBP/Talent Acquisition」のようなポジションは存在します。例えば、コンサルティング事業、コールセンター事業、SES事業などを運営している会社は、上記のような特徴があります。

しかし、そもそもHRBPは「肩書き」よりも「実態」が重要だと、私は考えています。

HRBPが、本当の意味でHRBPとして機能するためには、組織構造などの要因も重要ではありますが、「役員/事業責任者/人事責任者それぞれが"HRBP"に対してどのような期待を持っているか?」が最も重要で、それに加えて、そもそも「プレーヤー本人が"Business Partner"の役割をどう認識し、どう動いているか?」が重要です。

例えば、「採用担当」の肩書きでも、役員・事業責任者と直接コミュニケーションを取って経営目標・事業目標を共有・議論しつつ、目標の達成を阻害する人事課題を特定して、採用+αでやるべきことを立案・提案・ディレクション or/and 実行までを行いつつ、振り返りと改善を繰り返す・・・をやってる方は、実態はHRBPなのではないでしょうか?

また、「HRBP」の肩書きでも、経営目標・事業目標を把握せず、役員・事業責任者・人事責任者からの要望に応えることに注力し、自分でコントロールできる仕事の範囲が狭く、実行がメイン業務の場合は、それは本当にHRBPなのでしょうか?

HRBPポジションのサーチ依頼をクライアントから頂戴する際に、要件として「HRBP経験XX年以上」という条件をもらうことが多いですが、最近はHR経験は不問で事業サイドでのハイパフォーマーを求めている求人も増えてきています。つまり、HR経験はWANT、事業経験がMUST。会社によってはHR経験はWANTですらない求人もあります。

HRBP経験がある方でも、業務内容を伺わせていただくと、会社によって実態はまったく異なります。本当の意味での"Business Partner"になるためには、すべての思考・行動がビジネスを成功させるために結びついている必要があります。HRBPの動きができるか否かは組織ごとの難易度も影響しますが、肩書きを冠したからできるものではなく、どの組織でも実態としての”Business Partner”になり得ると思ってます。

今回のケースの場合、社内でのキャリアアップの難易度が高い環境のようなので外の機会を探しながらも、まずは社内で"Business Partner"としての働きができているか?についても考えていただきたいと思いました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集