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冬の到来を歌う童謡「北風小僧の寒太郎」の故郷 - 松原湖

線で描かれた素朴な目と表情、白い肌に赤い頬。
三度笠に縦縞模様のマント姿で冬を旅する「北風小僧の寒太郎」は、多くの人がその風貌とともに記憶している有名な童謡ではないでしょうか。
情景が浮かぶ古風で美しい歌詞も魅力的です。

先日ラジオからこの曲が流れてきました。
歌の紹介の中で、作詞を手掛けた井出隆夫氏が出身地である松原湖をイメージして書いたものだとい聞いて、一気に親近感が湧きました。

湖畔には記念の歌碑もあるとのことで、早速出かけてきました。

冬でござんす

長野県南佐久郡小海町にある松原湖は、山梨県との県境近く、八ヶ岳連峰のふもとに位置する標高1,123mの湖です。
山に囲まれた自然豊かな環境にあり、釣りやボート、キャンプ場などのレジャースポットでもあります。

雪の降る中、松原湖にやってきました。

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冬は湖面が凍結することから、ワカサギ釣りのポイントとしても有名。

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視界が悪いですが分かりますでしょうか、湖面にテントが張られて人が歩いています。
湖の中央方面から人の声が聞こえてくる不思議な光景。

場所によっては氷が薄かったり水面が出ていたりもするので、うかつに立ち入ったりしないようくれぐれもご注意くださいね。

寒うござんす

長野県の山間部、当然ながら冬は氷点下の厳寒地です。
道が整備されているとはいえ足元も悪いため、防寒装備は必須です。

ヒートテックを着こんで、防風防水防寒コート、靴底が滑り止め加工されている防水ブーツ、手袋、ネックウォーマー。このご時世なのでマスクも防寒に役立ちました。

カバンはリュックなどにして、両手は空けて歩きます。
どこかに手をついたり、雪を払ったりする可能性もあるので、手袋は軍手やニットよりも手にフィットした厚手のものがオススメ。

今回は駐車場から徒歩圏内の散策でこの装備です。
雪道トレッキングや釣り、雪山登山など、冬のアクティビティでは必ず専用装備をご準備ください。

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湖畔を一周するルートを歩きながら、道中の史跡を楽しみます。

雪でござんす

特徴的な形の石碑が見えてきました。

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雪が降る中、整備された広場を進んでいきます。

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かんたろー!

いました!

人が近付くとセンサーで曲が流れるようなのですが、季節柄なのかこの時は流れませんでした。

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でも親しみのある書体で記された歌詞と楽譜、なにより記憶のままの寒太郎の姿。

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この場所まで来た甲斐があったと充分に感動を覚えます。

雪が降る日であったことも、なんだか運命的。

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これぞ寒太郎日和です。

背面には、この歌碑が建立された経緯が記録されていました。

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井出氏は歌人の家系だったようです。「北風の歌いはじめる季節に」というフレーズもなんだかいいですね。
歌と共にある歌碑とエピソード、これからも語り継がれて多くの人に知って欲しい場所になりました。

松原湖の周遊

高原観光地として有名な松原湖。

道中、いくつかのスポットが目に留まりました。

寒太郎の歌碑がある広場の一角には、水車発電機。

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こういう仕組みの文化遺産、大好き。

松原城址は、地方の小さな武士の山城跡のようです。

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この辺りは武田軍による信濃侵攻の経由地でもあるので、歴史に埋もれた出来事も数多くあったのではないかと想像できます。

その他、子どもから大人まで楽しめるアクティビティが満載の松原湖。

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季節が巡って寒太郎が再び北へと旅立ってからも、この故郷はまた訪れてみたいところです。

北風小僧の寒太郎

ここで曲を紹介したいところですが、公式が分からなくてYouTubeも貼り付けていいものか悩みます。

1972年制作なので、50年近く子どもたちに届け続けられている歌になります。当時の親御さんたちも耳にしていると考えれば、日本の全世代にとって聞き馴染みのある楽曲とも言えますね。
日本的な魅力が時代を超えても色褪せない、素晴らしい童謡です。

自分が聞き慣れているのは堺正章さんバージョンですが、北島三郎さんバージョンも有名ですね。
最近では高橋優さんが歌われたバージョンも素敵です。かんたろー!

懐かしさとともに、今回の松原湖歌碑訪問がきっかけで新鮮さも感じることができた、「北風小僧の寒太郎」の紹介でした。

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