ドタドタ、しーん。
ダンスの授業が終わった途端
サイが歩き回っているかのよう。
ここに大きなヒントがあります。
ダンススタジオの階下にいらっしゃる方の話です。
(アレクサンダーさんの著作に書かれてあります)
レッスン中は静かでも、レッスンが終わると
急に足音がドタドタと聞こえてくるようになるそうです。
気をつけている時とそうではない時。
こういってしまえばそこで話は終われるのですが、
もう少し考えてみましょう。
何か習い事をしている時と、
何もしていない通常時。
気をつければできる、は
アレクサンダー教師からみると
気をつけてもできていない、なんです。
いつもやっているさまざまなことが
少なくなっているだけで、なくなったわけではない。
ドタドタと足音を立てて歩く
その足音が少なくなっただけで、
そのように歩くクセ自体が
なくなったわけではない、ということです。
レッスンが終わったら元に戻れるわけですから。
これって何にでも言えることで。
アレクサンダーのレッスンでは、そもそもの
何か困り事や、もっとこうしたいの
元になっているクセや習慣に目を向け、
そのクセや習慣が出てしまうものに対し
何も反応しないようにできることを目指します。
よくある勘違いは、
全てを諦めて何も起こっていないかのように振る舞ってしまったり、
何か別のことをすることで、クセや習慣を起こしてしまう
刺激そのものを変えてしまおうとしてしまうことです。
これでは何も変わっていないのと同じようなものです。
元々の刺激がくれば元々の反応をしてしまいます。
元々のクセや習慣が出てくるようにさせるもの、
これに反応しないことによって
根本から変えていきましょう、というものです。
諦めたり、別のものに変えたりせず、です。
レッスン中は静か、レッスンが終わっても静か、
階下の人がわからないようになるのではないでしょうか。