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ばあちゃんが好きだった映画

若い頃は散々やんちゃしていて、
じいちゃんと結婚して物凄く苦労して、
母には物凄く厳しい教育ママであった祖母は、
自分には物凄く優しかった。

レコードとか、ミヒャエルエンデの小説とか、
ハイカラなもの、そして、哲学であったり、
社会情勢に対して批判的な視点を持ったものが好きだったように思う。

そんなばあちゃんが物凄く好きだという映画があって、
しかもそれが、実家のテレビの下に埃かぶって置いてあるビデオの一つだったということもあり、
確か、中学くらいのときにその映画を見た記憶がある。

白黒の、中東あたりを舞台にしたラブストーリーで、
ラストシーンが、多数の女性の甲高い雄叫び?で終わるような映画で、
中学生の自分には全く面白くない映画という印象だった。

そんなことも忘れて何十年も経っとき、
ふと、証拠法の授業で、先生が映画、カサブランカに触れた。
確か、傾向証拠について説明する下りだったと思う。

ちなみに先生は、レジスタンス運動をして米国に亡命してきたけど、
スパイ容疑をかけられたといった人々を弁護してきたという、
超ベテランの人権弁護士である。

なんとなく興味を持って調べてみると、
それが、ばあちゃんが大好きだった映画であったことがわかった。

ばあちゃんには過去に恋が実らなかった大切な相手がいたのかとか、
長年付き合った恋人ともうすぐ結婚しようと思っていると報告した時の喜びようとか、
自分の今の好きなものとのリンクとか、
一瞬で色々なことを想起するきっかけとなった。

とにかく、帰ったら、家族でカサブランカを観てみようと思う。

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