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家人から身内へ

自分の女性の配偶者のことを文にするとき、何と書けばいいのだろう。

よく見かけるのは、妻(つま)、家内(かない)、嫁(よめ)、女房(にょうぼう)、連れ合い(つれあい)、かみさん(かみさん)、それに、愚妻(ぐさい)などというのもある。

どうもしっくりこない。他人にしゃべるときは、嫁はん(よめはん)と関西風に言うが、そう書くことはしない。

家人(かじん)というのが、おさまりがいいと使っていた。バイトはすれど基本専業主婦だったから「家にいる人」。外に出て帰ってこない私に比して「当たっている」と思っていた。

最近ちょっと「家人」の状況がかわった。

Bリーグのチームと選手の推し活(わたしはどちらなのかは知らない)を下の娘といっしょになってやっている。シーズン中は土日はほとんど観戦で埋まっている。もちろん遠征試合があるので、名古屋や京都、沖縄と、なんともうらやましいかぎりだ。

そう、家にいるのは、わたしの方が長くなったのだ。「家人」というのが合わなくなってきた。なにかいい呼び方がないものかと思案していると、社会学者の大澤真幸さんがこう表現していた。

「米国で脚本書きをする30代の身内は、調べものから仕事のメール書き、料理のヒント人生相談までAIを使う」(毎日新聞)

「身内」?

そうか。こういう表現もあったか。

家人から身内へ、TPOで決めればいい。

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