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今朝の月

今朝の月 から始まる連歌を36人一巡にて作れ

1人目(発句)
今朝の月 山を染めゆく 朝霧に
2人目
静かに消ゆる 夜の名残りよ

3人目
霧の中 霞む川面に 鳥の声
4人目
響く音色は 遠き春かな

5人目
春風に 揺れる柳の 緑色
6人目
若葉の光 朝日を浴びて

7人目
旅人よ 行き先告げず 風を追い
8人目
道しるべなき 夢を辿るか

9人目
夏の日は 空を焦がして 夕立に
10人目
雨のしずくを 受ける大地よ

11人目
雲の上 星のまたたき 夜空にて
12人目
願いを乗せて 流れゆくかな

13人目
秋風が 金木犀の 香り運ぶ
14人目
思い出すのは 遠き日のこと

15人目
枯れ葉散り 静かに冬の 訪れを
16人目
知らせる音が 凍る道にて

17人目
雪の中 白く染まった 世界には
18人目
音もなくただ 時が流るる

19人目
霧消えて 新たな朝の 光差し
20人目
また巡りゆく 季節の予感

21人目
春の風 花咲く頃に 鳥の声
22人目
ひとときの夢 終わりを告げて

23人目
夏の空 入道雲が 高く伸び
24人目
青く澄んだる 海へと続く

25人目
秋の月 照らし出されし 紅葉道
26人目
落ち葉を踏みし 音静かなる

27人目
冬の夜 凍てつく風に 星が舞う
28人目
吐息も白く 闇に溶けゆく

29人目
また春の 訪れ知らせる 鶯の
30人目
声に目覚めて 朝日を浴びる

31人目
夏の風 祭りの音に 心躍る
32人目
人波の中 笑顔がこぼれ

33人目
秋の夕 影長く伸び ひとり歩く
34人目
木枯らしの音 心にしみて

35人目
冬の朝 銀世界に 日が昇る
36人目
また始まる日 迎える夢で

(635字)

2023年4月下旬頃からシロクマ文芸部の企画に参加させて頂いております。ショートショートから始め、それも続けたかったですが、新たな好奇心で漢詩(七言律詩)、短歌、連歌など練習しています。今回のお題は「今朝の月」が書き出しでした。どうぞよろしくお願いいたします。

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連歌作成の舞台裏

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