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RISKY 第6話:チョコレートの呪縛

「ひなたもチョコ~」
子供時代、かなた(深川麻衣)のバースデーケーキに乗ったチョコレートのプレートをねだるひなた(萩原みのり)。
かなたはチョコレートをひなたに譲る。

かなたを幸せにするのが、自分の役割。それはかなたが背負う呪縛だ。
本当は自分も誰かに幸せにして欲しくて。でも自らに課した「ひなたは私と暮らします、私が守ります」という責任から逃れることもできず、かなたは亨(古川雄輝)からのプロポーズを「妹が高校を卒業するまでは」と断り続ける。

本当は簡単なことだ。かなたは亨にひなたを紹介して、一緒に幸せになればよかった。
でもかなたには、亨がひなたを守るべき存在として認識するなんて耐えられなかったのだ。
あなたには、私だけを幸せにして欲しい。だからひなたが高校を卒業して自立するまでの我慢なのだ、と。
しかしそれは裏目に出て、長い春の間に亨の心は離れ、黒田美香(山下リオ)に傾き…

結局妊娠した子供も失い、失意のかなたはひなたを復讐に向かわせるべく手紙を送る。
手紙を読んだひなたは忠実に復讐を実行するが、それは皮肉なことに、ひなたが亨の心を奪うことに繋がってしまう。

「亨と寝たのは気持ちよかった?」
「寝たんでしょ?亨と」
「ひなたはいつも私の幸せを奪って行くもんね?」

そうだ、亨もチョコレートだったのだ。
かなたからひなたが奪っていく、唯一無二のもの。

かなたは「あなたさえいなければ」と言うけれど、本当にひなたのせいなのだろうか。
かなたはどこかで、自分が先に幸せになってはいけないという呪縛を自分自身にかけてがんじがらめになっているような気がする。

復讐の顛末を見届け、ひなたと光汰(宮近海斗)の元に帰るかなた。
積年の恨みをひなたに打ち明け、最後にこう告げる。
「光汰とのセックスは最高だったよ」
今度は自分がひなたのチョコレートを奪う番だ。

けれどかなたが自分を犠牲にしてまで幸せにしたいと願った、ひなたへの愛情が全て嘘だったわけではないはずだ。
例えどこかで歪んで、ねじれ曲がってしまったとしても、姉妹の間に確かな絆があったのは事実なのだと思う。

絶望的現実が昇華される未来を願って、最終話へ。

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