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RISKY 第4話:亨が守るもの

「私が死んだのは、誰のせい?」
悪夢の中で、美香(山下リオ)にすり替わって亨(古川雄輝)を責めるのかなた(深川麻衣)。
かつて亨が守れなかった存在は、傍らにひなた(萩原みのり)がいる今も、彼を苦しめる。

亨は部長のホームパーティでの失態で、社内での居場所を失いつつあった。後輩の村井は、亨が左遷を匂わされたことを知り、亨の同期・山崎の下で働くことを選ぶ。
「俺、ほんとに桜井さんみたいになりたいです」と心から亨を慕っていたように見えた村井でさえ、簡単に亨から離れていく。
それでも部長に頭を下げてライバル商社と競合するプレゼンを任され、最後のチャンスを掴む亨。
「今から帰る。嬉しい報告がある。」とメッセージを送る先は、ひなただ。

「帰った時に家にひなたがいてくれたら嬉しいなぁって思って」
帰宅した亨は、ひなたに合鍵を渡す。
鍵変えたから、ちょうどいいタイミングだと思って…それは亨が完全に美香を見限った、ということ。
そこに謀ったように訪ねて来た美香は、開かないドアの向こうにいる亨の名を叫ぶ。
「ごめんなさい、私のせいで」と謝るひなたに亨はこう言う。
「違うよ、全部俺のせいだから」
それは「私が死んだのは、誰のせい?」と夢の中で問われたかなたへの答えでもあるような…
「怖い思いさせて、ごめんね。でも絶対に守るから」
ひなたを抱きしめての言葉には、守れなかったものへの後悔が滲む。

そう、全部亨のせい。
翌日出社した亨が目にしたのは「亨に会いたいんです」と錯乱して部長に縋りつく美香の姿だ。
亨を見つけて駆け寄る美香を、床に叩きつけるように払う亨。
美香のことを守りたいと思ったこともきっとあったはずなのに、今の亨は美香を切り捨てて、ひなたと自分の会社でのポジションを失わないために必死になっている。
亨が守りたいのは、幸せにしたいのは、誰かではなく自分。
それに気付かず自分を守る側だと思っている亨は愚かで、哀れだ。

海外赴任が決定的になった亨は、ライバル商社の人事に扮した光汰(宮近海斗)から持ち掛けられた引き抜きの話を受ける決心をする。
光汰に「手土産」を求められ、会社のデータをコピーする亨。
自分の幸せのためにこれまで犠牲にしてきたものが巡り巡って亨の幸せを奪って行っているのに、彼はまた、同じ過ちを繰り返そうとしている。

「いつもお仕事頑張ってる亨さんが、私好きです」
「仕事頑張ってる亨が、私好きだから」
ひなたとかなた、2人の言葉を重ねる亨。妙な符合に生まれる、ほんの少しの違和感。
その正体が明らかになる時は、もうすぐだ。





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