見出し画像

RISKY 第2話:揺らぐひなたのアイデンティティ

「あなたさえいなければ…」
忍び寄る赤い影。黒田美香(山下リオ)に階段から突き落とされるかなた(深川麻衣)。
ひなた(萩原みのり)が姉・かなたの仇を取るために亨(古川雄輝)と美香に近付いたことがわかり…。

そして明らかになるひなたとかなたの過去。
2人は両親を交通事故で亡くし、社会人になったばかりのかなたがひなたを守って生きてきた。
「お姉ちゃんには、絶対に幸せになってほしかった」

だからひなたが、かなたのために復讐に走る気持ちは痛いほど分かるのだ。だが、その手段には疑問が残る。
ひなたの部屋で2人きりになっても「ごめん…君のことは大切にしたいんだ」と一度は踏みとどまる亨。
しかし後日、ひなたは光汰に襲われそうになる状況をわざと作って亨の気持ちを煽り、関係を持つ。
それを知った光汰はひなたに問う。
「あいつに抱かれる必要あったのか。かな姉の男に」と。

この回で、光汰は美香側の人間と思わせておきながら、実はひなたを愛し、彼女のために動いているのだということが分かる。
ひなたと光汰はそれぞれ亨と美香の弱みを握ろうとするのだか、その目的さえ果たしてしまえば「俺、好きな女しか抱けないから」と言い放って美香を拒絶する光汰。
対して、嫌悪感を抱きながらも亨に抱かれるひなたには、ゆらぎが感じられる。
ひなたはクッキーや生姜が隠し味の味噌汁で、亨が自分にかなたを投影させるよう自ら仕向けている。亨がひなたに惹かれるのは姉を思い出させるからという理由が大きく働いており、それはひなたのアイデンティティを危うくしている。
育ててもらった姉への負い目と羨望。ひなたはもしかして亨と寝ることで、かなたに近付きたかったのではないか。
「誰かのマネなんて、しなくていいよ。ひなたさんは、ひなたさんのままで十分魅力的だから」
そう言った亨が、ひなたにかなたを重ねているのが皮肉だ。

強い復讐心に突き動かされ、意志を持ってストーリーを動かしているように見えるひなたの弱さ。ひなた自身が自覚のないまま抱える闇。
それがいつか想定外に破裂して、復讐している側まで飲み込んでしまいそうな…そんな予感を残して、3話へ続く。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集