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子どもが教科書を失くして気付いたこと

夏休みが終わり、不登校の子どもたちがどうしているのかが気になる時期です。

なぜ、学校に行かなければならないのか。
なぜ、勉強をしなければいけないのか。

学校に行くのが難しい子どもの気持ちに寄り添いながらも、何が子どもにとって最善なのかを考え、思い悩んでいるパパやママがいるかと思います。

一方で、学校に行っている子のパパやママは、ようやく学校が始まり、ほっとしているかもしれませんね。
(コロナ感染の心配で学校に行かせることが不安だったり、オンライン授業になり、自宅で授業を受けさせる大変さもあると思います。)

とはいえ、学校に行っている子は、学校が大好きで勉強も大好きだという子たちばかりなのでしょうか。

子どもたちは、安心できる家から、そして親から離れ、気を使ったり、我慢したり、諦めたり、乗り越えたりしながら、学校という場所で頑張って過ごしているのではないかなと思います。

日本の学校と世界の学校

息子が小学生の時に教科書を失くしたことがきっかけで、学校に行くことについて、ついつい忘れがちなことに気付きました。

「教科書って、タダでもらっているけれど、なぜだか分かる?」
難しい話になると聞いてくれないので、ざっくりと子どもたちに説明してみました。

「日本の大人たちが、未来の日本で頑張ってくれる子どもたちを応援するためにお金を出しているから、教科書はタダだし、小学校や中学校でかかるお金のほとんどが無料なんだよ。
日本では、小学校と中学校は、どんな子どもも通えるような仕組みになっているけれど、他の国では違ったりするの。
学校に行きたくても、お金がなくて働いている子もいるんだよ。
貧しい国には、日本がお金をあげて助けたりしているけれど、学校を作ってあげたりもしているの。
勉強も大切だという考えがあるからだよ。
勉強をしないと、道路を作ったり、泥水を綺麗な飲み水にしたり、皆にとって便利な物を作ったりする方法が分からなくて、生活を豊かにすることができないからね。」

「学校に行かなくていい国って、子どもたちがどう過ごしているのか調べてみるのもいいよね。」

「日本の大人たちが子どもたちのために払っているお金って、どのくらいなのか考えてみるのもいいよね。学校の水道や電気のお金とか、教科書のお金とか、給食を作る人や学校の先生のお給料とか、子ども一人分で計算すると、どのくらいになるんだろうね。」

話をしているうちに、自分が日本人で、日本の教育制度の下で学んできたんだと改めて思いました。

「世界には沢山の国があって、他の国と自分の国を比べると、学校に行けることや勉強ができることは当たり前ではなく、幸せなことかもしれないよね。」
そう、子どもたちに話しました。
(小学生でも留年がある国の話をすると、子どもたちは日本でよかったと言っていました(^^;))

学校に行っている子も、学校に行くことが難しい子も、日本という国に住んでいるからこそ、誰でも少しのお金で学校に通うことができ、それは、日本の大人たちが子どもたちを応援しているから(大人もそういう気持ちを意識したいですね)だということを知っておいて欲しいなと思います。

学校の良さってなんだろう

保育士の勉強をしてみて、学校がカリキュラムを編成するための基準としている「学習指導要領」が、これからの社会の変化を見据えて考えられた内容になっていることを知りました。
子どもたちが社会で生きていくのに必要な力を学校という学びの場で、平等に育めるようになっているのです。

学校で勉強する内容は、私たち親世代と余り変わらないとしても、プロセスやアプローチが時代とともに変わっているようです。

例えば、少し前から、問題解決能力を育てたり、SDGsへの取り組みなどが学校教育で重要視されています。
先生が一方的に教えるスタイルだけではなく、子どもたちで話し合い、意見を出し合うような授業が増えています。
自分の意見を相手に伝える力だけではなく、皆の意見をまとめたり、相手の意見を尊重したり、相手とは反対の意見の場合は相手を傷つけずに伝える力も身に付くのではないかなと思います。

また、集団教育のため、子どもの理解度の差が授業をつまらなくさせたりしていましたが、クラスという枠を超えて、習熟度別のグループにして学習する教科も出てきました。

先生たちが「学習指導要領」に基づく授業をしてくれたら、家庭や個人ではできない学校ならではの学習や体験ができるのです。

小学校の「学習指導要領」は、2020年度に新しくなったようです。
コロナで、ICT教育も一気に進んでいます。
これからの学校での学びについて、学校任せにせず、親も確認していくことで、今の学校の良さや課題がはっきりと見えてくるのではないかなと思います。

そして・・・
学生時代に、苦手な事を我慢してやったり、友達とのトラブルがあったりなど、嫌な経験をした人は少なくないのではないかなと思います。
嫌な経験からも、何かしら学ぶことがあります。
その時には気づけなくても、大人になってから、その時の経験が糧となっていると思ったことはありませんか?

学校に行くことの意味について、親の学生時代の記憶や、子どもの学校の現状から考えがちですが、親自身が、学校に行ったことで、どんな気付きがあったか、どんなところが成長したのか、社会に出てからどのようなことで役立ったのかなどからも考えると、子どもに伝えられることも変わってくるのではないかなと思います。

日本の教育制度を変えて欲しい

実は、私は小学校が大嫌いでした。
それが原因だったのかは分かりませんが、体調を崩して学校に行けない時期がありました。

今の日本では、学校に行かないという選択をすることが難しく、子どもが不登校になったときの親の負担は、とても大きいです。
共働きの場合、どちらかが仕事を辞めなければいけなくなった人もいました。

日本の教育制度は、どのように改革していったらいいのか。
学校の仕組みだけではなく、子どもの居場所の確保や保護者の働き方など、社会の仕組みも変えていかなければいけないのかもしれません。
(コロナの影響で、急速に変わっていくこともありそうですね。)

子どもの時から、日本という国の教育制度を知った上で学校に通っていたら、もっと教育制度を良くしたいと考える子が出てくるかもしれませんし、世界の教育制度についても学んで、改革しようとする子も増えてくれるんじゃないかと淡い期待を持っています。

日本の教育制度について、子どもと話してみませんか?


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甥っ子は、現在小学3年生。
人懐っこく、おしゃべりで、とても可愛い子です。
誰とでも仲良くできて、担任の先生のことが大好き。
学校での楽しかったエピソードを話してくれます。

そんな甥っ子は、夏休みの間、目覚まし時計なしで毎朝5時には起きていました。
いつも、そんなに早起きなのかと思っていたら、学校のある日は、何度も声をかけないと起きないらしいのです。

信じられなかったのですが、夏休みが終わり、久しぶりの登校日の朝、本当に起きられなかったのです。

「だって、夏休みだと思うと毎日がワクワクするけれど、学校だと思うとワクワクしないんだもん。それに、皆と仲良くするって疲れるんだよ。皆に気を使わなければいけないからさ。」

そう、甥っ子が話してくれました。
なんの問題もなく学校に行っているように見えても、甥っ子なりに頑張っているみたいです。

きっと、どんな子も学校で頑張っていると思います。

学校から帰ってきたら、「お疲れ様。よく頑張ったね。」と笑顔で声をかけてあげて欲しいなと思います。

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