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良い香りのあのシナモンや、ドーピング違反にもなりかねないものまで、よく使う生薬のお話


皆様ご存じのシナモン。
実は、このシナモンは生薬でもあることをご存じだろうか?

シナモンは東洋医学(漢方医学)では生薬の桂皮(ケイヒ)と称する。
葛根湯にも使用されている有名な生薬だ。

この桂皮はさまざまな料理やお菓子の香辛料として使われており、世界最古のスパイスとも言われている。
なんと、紀元前4,000年頃のエジプトのミイラの防腐剤としても使われていたという。

日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にもシナモンが残されている。

この時は薬物として奉納されたものであり、樹木として日本に入ってきたのは江戸時代中頃である。

クスノキ科に属しているのだが。
そのいクスノキ科のクスノキから作られたものが防虫剤の“しょうのう”である。
生薬としては、発汗、解熱、鎮痛、体を温める作用などが知られている。

桂皮と同じく、発汗、解熱に使用する生薬として、麻黄(マオウ)がある。
こちらも葛根湯に使用されており、漢方の世界では有名な生薬である。

麻黄は一般的には身近なものではないが、スポーツの世界にて近年、「漢方薬や風邪薬を飲んだスポーツ選手がドーピングに抵触した」という出来事があったが、これに麻黄が関係している。

麻黄は主成分をエフェドリンと言い、覚醒剤のメタンフェタミンと類似している。
中枢神経興奮作用があり、アメリカではエフェドラという名前でサプリメントとして発売されてもいる。減量や運動能力向上の目的で使用されているのだ。

生薬としての薬効は、発汗、解熱、咳止め、体を温める作用などである。

このように、葛根湯など麻黄が配合されている漢方薬はドーピングに関連することがあるので、注意が必要である。

今回はここまで。

読者の方に少しでも興味が生まれ、漢方に触れるきっかけになれたなら嬉しく思う。


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