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心理学検定キーワード第3章【発達・教育】3.20(発達障害と特別支援教育)★★★
今思えば、ADHDだったのかなって思う
私が小学生の時
他のクラスに授業中に突然歩き出したり、よくわからない行動をとる子がいました。
集中力が無く、じっと座っていられない、いわゆる多動の子
集団生活に不適応な状態ではありましたが
知的発達については何の問題もありませんでした。
むしろ、学力はクラストップレベル
当時は、単純に落ち着きが無くてよく先生に怒られる変なやつと思っていたのですが
大人なってから、ああそういう障害があったのだなと気づきました。
今は障害としての枠付がしっかりしています。
当時は、そんなことは全く知らなかったし、明らかな知的障害の同級生との区別しかしてなかったと思います。
時代が移り変わって、枠付がこのようになったことで
子どもたちはどのように感じながら生活してるんでしょうかね。
本日の内容は発達障害と特別支援教育について
その区分と法律、障害の評価基準が重要になります。
それでは、まとめの方いきましょう!
→発達障害の定義
発達障害は
発達障害者支援法に定義が定められています。
その定義とは
「自閉症、学習障害、注意欠陥障害、その他これらに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」となっています。
ポイントは
・自閉症、学習障害、注意欠陥障害の3つ
・脳機能の障害である事
・低年齢で発現すること
の3つです。
ハッキリと定義として明記されているのは上記の3つの障害ですが
それ以外にも精神遅延、脳性まひ、視覚障害、聴覚障害が含まれる場合もあります。
ここからは明記のある3つの障害について説明していきます。
→自閉症(自閉症スペクトラム障害)について
自閉症を説明するうえで重要なのが
DSMという診断基準です。
DSMはアメリカ精神医学会による診断基準で国際的に使用されています。
最新がDSM‐5で「自閉症スペクトラム障害(ASD)」に自閉症を含みます。
元はDSM-4 で自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害と分けて記載されていたものが、一つにまとまったという事です。
評価は2つの基準によります
・社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における持続的欠陥がある
・限定された反復する様式の行動、興味、活動
です。
→学習障害について
学習障害(LDもしくはSLD)は
知能発達の遅れは無いが、特定の学習や学業的技能の使用に困難を示す状態の事を言います。
DSM-5 の定義では以下6つの症状のうち少なくとも1つが6か月以上続いている場合に学習障害であるとされます。
①努力を要する読字
②読みの理解の困難さ
③綴字の困難さ
④書字表出の困難さ
⑤数字の概念、数値、または研鑽を習得することの困難さ
⑥数学的推論の困難さ
→注意欠如・多動性障害について
注意欠如・多動性障害(ADHD)は
知的発達やその他の発達段階にそぐわないような不注意や多動性‐衝動性のために起きる長期的な不適応状態のことです。
→発達障害の特徴について
発達障害の特徴としては
上記に上げた障害が1つだけではなく組み合わさっていることが少ないということです。
また、症状の現れかたは人それぞれですので
複数のツールによる縦断的で丁寧なアセスメントが必要となります。
そして重要なのが
発達障害による二次的障害が生じる可能性についてです
発達障害の多くは知的に遅れが無い一方で、情緒の不安定さ、自己認識の悪さによって課題を達成できなかったり周囲からの否定的な評価を受けるなど
失敗体験を重ねる事での自身の喪失、自己評価の低さです。
発達障害の支援のポイントとして
・障害の特徴を適切に理解する
・障害は環境との相互作用で起きるものという意識を持つ
・二次的障害が生じないよう、障害の特徴に見合った足場的サポートをする
・子供の心理面でのサポートを丁寧に行う
ことがあげられます。
→特別支援教育制度について
日本での特別支援教育制度は
2006年に一部改正された学校教育法によって始まりました
実際に施行されたのが翌年の2007年です。
以前は特殊教育として、障害の種類や程度に応じて特別な場で指導が行われてきました。
特別支援教育というのは
障害の有無または種類や程度ではなく、一人一人の特別な教育ニーズに応じて適切な教育的支援を行おうとするものです。
この制度によって
定義があいまいで十分な対応が図られていなかった発達障害のある子供についても
個々の教育ニーズに合わせて指導、支援が可能となりました。
例えば通級
通常の学級に在籍しながら、障害の状態に応じて特別な指導を受ける教育形態。
[補説]ほとんどの授業を通常の学級で受けつつ、通級指導教室で自立活動や各教科の補充指導などの授業を受ける。(コトバンクより抜粋)
特別支援教育を支える仕組みとして重要なのが
・個別の教育支援計画の策定
・特別支援教育コーディネーターの指名
・広域特別支援連携協議会の設置
があげられます
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・発達障害の定義は発達障害者支援法に定められている
・自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害が発達障害に含まれる
・自閉症スペクトラム障害という名称はDSM-5 による
・DSM-4 では自閉症、アスペルガー症候群そのたの広汎性発達障害にわけられていた
・DSMはアメリカ精神医学会による国際的な診断基準
・自閉症はASD、学習障害はLDもしくはSLD、注意欠如・多動性障害はADHDという
・特別支援教育制度は学校教育法により定められたもので、2006年の改定の翌年2007年から施行されている
以上、本日は発達障害と特別支援教育についてでした
次回は三章最後。
スクールカウンセリングについてです。
それではまた次回。