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臨機応変、行き当たりばったり、偶然出会った 楽しい思い出

朝から降っていた雨も上がって、だんだん明るくなってきました。
「晴れてくるねー。」

こざるカフェは、もうすぐお昼時です。
カフェは、ランチタイムなので、
皆で代わりばんこに、りこちゃんと一緒にお昼を食べます。

「臨機応変なんだよ。」

これも、りこちゃんが 昔から よく言っている言葉です。
「臨機応変、出たとこ勝負よ。」とか
「行き当たりばったり、臨機応変よ。大丈夫、大丈夫。」
こんな具合です。

ラジオからは、お昼のニュースが流れています。
すると、今日、四月八日は、お釈迦様の誕生日で、
奈良の東大寺の 花祭りの様子が聞こえてきます。

「わぁ、今日は、お釈迦様の誕生日なんだね。」
「おめでとうございますなんだ!」

お釈迦様が生まれた時に、天から甘露の雨が降ったそうで、
法要では、誕生仏像に 甘茶を注ぎます。

「今朝は雨が降っていたけど、お誕生日だからかな?」
こざるちゃんは、朝、降っていた雨は、甘露の雨だったのかも?と思います。
「なめたら、甘かったかな?」
食いしん坊の こざるちゃんは 想像します。

「りこちゃん、奈良とか京都が好きだから、
後でテレビでニュースやったら、一緒に見ようよ。」
「うん、そうしよう!」
りこちゃんは、奈良や京都が大好きで、よく旅行に行っていました。

「昔、りこちゃんと京都と奈良に、新幹線に乗って行ったねー。」
「うん、楽しかったね。」
「奈良は、鹿がたくさんいて、普通に歩いていて ビックリしたよ!」
「怖くて、りこちゃんの後ろに隠れたんだよね。」

こざる達は、りこちゃんと行った奈良や京都を思い出しています。
お寺や神社へ行ったり、美味しいものを食べたり、
新幹線に乗ったことも とてもいい思い出です。

「皆で地図を見て、こっちだねーって行って、歩いて行ったり、
あれ、こっちかな?って、また戻ったり。」

その時は、まだスマホなんてなかったのです。
紙の地図や、ガイドブックと にらめっこです。

「でもね、迷った路地も、とっても素敵なところだったりして。」
「偶然見つけた喫茶店も、とっても良かったんだよね。」

今ではスマホで迷うことなく、目的地に一直線ですが、
こうして、偶然が 素晴らしい思い出になることもありました。

「りこちゃん、臨機応変、行き当たりばったりよー、大丈夫!
ってニコニコ言ってたもんね。」
こざる達は、思い出して大笑いします。

「春に行った時に、桜で有名なお寺に行こうと向かってたんだけど、
ちょっと迷っちゃって、違うお寺に行ったら、
枝垂れ桜がたくさん咲いていて。」
「そうそう、あのお寺、とっても綺麗だったよねー。」
「迷わなかったら、桜が咲いているのを知らずに行かなかったよね。」

今だったらSNSで、どこそこの桜が満開などと
たくさんの情報が流れていますが、
アナログの時は、そういう穴場の絶景のお花見の場所が、
たくさんありました。

「りこちゃんの臨機応変で、たくさんの偶然に出会ったよね。」
楽しい いい思い出です。

そろそろ お昼ごはんの仕度が出来たようです。

「りこちゃんに、もうすぐお昼ごはんだよーって言って来るねー。」
「うん。」

こざるちゃんは、りこちゃんの部屋へ向かいます。

ラジオからは、女性ボーカルの歌声が聴こえます。
「さくら ひらひら舞い降りて落ちて
揺れる 想いのたけを抱きしめた」

いきものがかりの『SAKURA』です。

「君と春に願いし あの夢は 今も見えているよ
さくら舞い散る」

窓の外には、春の青空も広がってきました。
「りこちゃーん、お昼ご飯、できたよー。一緒に食べよう!」

今日も こざるカフェでは、ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
今夜は、大きな雷が何度か鳴りました。
よい毎日でありますように (^_^)

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