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いつでもバナナを食べられること

今日も朝から太陽がカッと照りつけて、あっという間に30度近くになっています。
夏休みと猛暑で人通りも少なく、
蝉の大合唱以外は、とても静かです。

「あぢー」
こざるちゃんは そう言って、冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぎます。

毎日、暑い、暑いと何度も言って、
そして ここに書くのも申し訳ないのですが本当に暑いですね。

「皆、知ってるだろうけど、天気予報で発表する気温って、
気象庁が涼しいところで観測した気温だから、実際の気温はもっと高いんだよ。」
「うん、テレビで 街中で観測しているのを見ると40度を越えていたりするよね。」

完全に体温を越えています。
具合が悪くなるわけです。

こざる達は 今日もいつものように 賑やかにお喋りしながら、
朝ごはんの仕度をしています。

「今日は、バナナの日だよ!」
「8月7日だから、語呂合わせで バナナの日なんだね。」
「本当は、8月77日じゃないと、バナナにならないんじゃない?」
こざるちゃんが言います。
皆、うんうん頷きますが、77日は存在しないので仕方ないでしょう。

「今日、こざるカフェでは、お客さまにバナナ1本をサービスするんだよ!」
「さる と言えばバナナ、バナナと言えば さる だからね。」

今では庶民的な果物のバナナですが、
りこちゃんが子供の頃は、とても高級品だったそうです。

「りこちゃんが、病気にならないと食べられないって言ってた。」
「お見舞いに行く時に、もっていく高級品だったんだよ。」
「そうだよね、そもそも輸入品だから、外国から運んでくるのだって、
今と違って とても高くついただろうしね。」
「それに、日本で状態よく保管しておくのが
とても難しかったみたいだよ。」
皆、うんうん頷きます。

「あと、玉子も高級品だったって、りこちゃんが言ってたよ。」
「遠足に持って行くのが嬉しかったって。」

玉子も今では庶民の味方の食べ物NO.1でしょう。

「りこちゃんが子供の頃、高級品だったものが、
普段の食べ物になって、いつでも食べられるようになったんだね。」

りこちゃんが子供の頃は、戦時中はもちろん、
戦争が終わってからも、毎日の食べ物に困る日がずっとずっと続きました。

「りこちゃんのお父さんとお母さんが、
"食べるものがなくて 毎日 大変だけれど、
それでも うちは 皆、無事に生きているから"って言ってたって。」
こざる達は、しみじみと頷きます。

朝ごはんの仕度が出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが鼻歌を歌いながら、
りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、朝ごはんできたよ。
今朝はオムレツ作ったよ! バナナもあるよ!
皆で一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
冷凍バナナ、大好きです。
よい毎日でありますように (^_^)

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