あんパンに あの日を憶う
「りこちゃん、今日の おやつは あんパンだよ。」
「まぁ 嬉しいねぇ。」
今日は3月11日です。
東日本大震災から8年が経ちました。
あの日、地震が起きる少し前、
こざる達は、いつものように おやつの仕度をしていました。
そして こざるちゃんが「りこちゃん、おやつだよー。」と
りこちゃんの部屋へ 言いに来て、
二人で おしゃべりをしていたら、地震が起こったのでした。
その日の おやつは、あんパンでした。
地震の揺れは、なかなかおさまらず、揺れている間に、
こざるカフェの地域は停電となりました。
揺れがおさまって、テレビは見られませんでしたが、
ラジオを聞いて、大変なことが起こったと知りました。
みんなは、しばらく、呆然としていましたが、
りこちゃんが「あんパン、食べようよ。」と言って、
とりあえず おやつにしたのです。
まずは 腹ごしらえです。
それで毎年 3月11日は、特に決めてはいないのですが、
なんなとなく おやつは あんパンになっているのです。
「りこちゃん、今日で、大地震から8年経ったんだよ。」
「あらー、そうなんだねー。」
りこちゃん、悲しそうに言います。
ちゃんとわかっています。
「黙祷してから、おやつにしようね。」
「うん、そうしようね。」
こざるちゃんは、窓の外を見ます。
あの日も、こうして外を眺めて、ずいぶん日がのびたと思っていました。
春本番に近づいているのを感じる、そんな 晴れた一日でした。
ラジオからは、元気な明るい曲が流れてきます。
ズチャッ、チャッ、チャッ、チャッ♪
とても勢いのいい曲、朝ドラ『あまちゃん』のオープニングテーマです。
りこちゃんも、こざるちゃんも、ニッコリ笑います。
みんな、この朝ドラが大好きでした。
あの日も 今日と同じように
こざるカフェの一日は、ゆっくりゆっくり、
のんびり 穏やかに時間が流れていました。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
3月11日は、いろいろなことを思います。
よい毎日でありますように (^_^)