安野光雅『旅の絵本』
初めて この本を手にとったのは、もう随分と昔、子供の頃のことだが、
なんて美しい本なのだろうと思い、今もずっとその気持ちは変わらない。
いつ見ても、本当に美しい本だ。
かなり後になって、『ウォーリーをさがせ』が出た時は、
ページ上の絵が一気に全て目に飛び込んできて、目がチカチカ、
驚いた。
この『旅の絵本』は、目にも心にも優しく、
まるで心地よい音楽を聴いているよう。
ページをめくって、旅人と一緒に 景色を眺めながら
ゆっくりと旅をする。
ページ上には、その土地の人々の暮らしの風景に混ざって、
名画、有名人、昔話が、溶け込んでいる。
それを探すのも楽しみで、何度見ても、飽きることはない。
安野さんは、この本を出版した当初、
この絵本に言葉が書かれていないと言われたそうだが、
「その土地の風景を描いたんだから、
絵に言葉がないのは当たり前なんです。
音楽もそうだけど 言葉の説明を仲立ちにして 絵を理解しようとするのは
違うと思う。」と話している。
(『芸術新潮 2018年3月号』より)
なるほど、言葉がないなんて、そんなこと全く気がつかなかった!
私はまだ子供だったからかな?
すんなりこの本の中に入っていって、大のお気に入りの一冊となった。
『旅の絵本』は、今年の6月に9巻目が出版されて、今は全部で9冊。
日本の懐かしい風景を旅する1冊もある。
私の『旅の絵本』は、数十年を経て、白かったページも
歴史を感じる風合いになっている。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
気温も下がってきましたが、同時に湿度も下がって乾燥しています。
水分補給をして、風邪に気をつけてくださいますよう。
よい毎日でありますように (^_^)
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