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温かくて やわらかい 熨斗餅が届く

 「こざるちゃーん、こんにちは。今年も、持ってきたよー。」
大晦日が近づいている この日、今年も お米屋さんが
熨斗餅を持ってきてくれました。

「わぁ、やわらかくて ずっしり! どうもありがとう。」
こざる達は、よいしょよいしょと 熨斗餅を運びます。

「まだ ほんのりあたたかいねー。」
こざるちゃんは、そっとさわって、お餅をなでます。

「あとで、りこちゃんにもさわらせてあげようよ。」
「うん、そうしようね。」

 りこちゃんは、お餅が大好きです。
お雑煮やお汁粉、焼いて海苔を巻いてお醤油につけたり、
お湯にくぐらせてきな粉餅にしたり。

 けれども、80を過ぎた おばあさんの りこちゃんにとって、
お餅は 危険な食べ物です。
こざる達は相談して、りこちゃんには お餅の代わりに、
お雑煮に、赤ちゃん用の白いフワフワのお煎餅を入れたり、
お茶漬けの あられを入れたりしています。

「だって、お米出てきているから、おんなじだもん。」
こざるちゃんは言います。

こざる達は、りこちゃんの前では、お餅は食べません。
一緒に同じものを食べます。
皆で、ニコニコしながら食べると、とっても美味しいのです。

何を食べるかも大切ですが、誰と食べるかは とっても大切なことです。

「りこちゃん、お昼寝しているかなぁ。」

こざるカフェのラジオからは、
矢野顕子の『ごはんとおかず』が流れてきます。

「熨斗餅、温かいうちに 持って行ってみようよ。」
こざる達は、りこちゃんの笑顔を思い浮かべて、嬉しくなります。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
子供の頃、お米屋さんが持ってきてくれた熨斗餅、
温かくて、やわらかくて、指で押したりしていました。
よい毎日でありますように (^_^)


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