アップサイクルという楽しみ方
アップサイクルは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することです。デザインやアイデアによって付加価値が与えられることで、物としての寿命が長くなることも期待できるため、製品のアップグレードと捉えることもできます。
一緒に住んでいる義母の暮らし方からいろいろ教えてもらえることがあります。
昭和16年生まれの義母は、なかなか物が捨てられず、それはそれで困ることもあるのですが、今あるものを工夫して、暮らしを愉しみながら活用していく様子を横目でみていて「なるほど」と感心して見ています。
その行動はまさに今、私たちが身近に取り組めるアップサイクルに繋がっていると思い、ご紹介したいと思います。
着物リメイク
ご先祖様の形見の着物はさすがに処分できず、かといって家族に譲りたくても「要らない」と断られてしまう、そんなことってありますよね。趣味で着付けをしたりしない限り今の時代では、正直なところ着物はいただいても管理できないので困ってしまう人が悲しいけれど多いと思います。
高齢の義母は、断捨離というのでしょうか、時間が空き、気分がいいときにいつも箪笥の中を整理しています。
そして、ついに思い切って着物に鋏を入れ、日常着にリメイクしました。
日常着は精進服のデザインに作り変え、毎日着ています。部屋着の心配もなく気に入っているようでした。箪笥にしまっておくよりずっといいですよね。本人が親孝行しているよう気分で毎日気持ちがいいと満足しています。これはまさにアップサイクルですよね。
布の活用
廃棄するシーツなどを紐として使えるように裂き、ゴミを束ねたり、端切れをつくり、毎日の台所掃除で使用しています。
ついつい、ホームセンターで紐は購入したり、キッチンペーパーで台所のガスレンジまわりの掃除などしたりしてしまいますが、布を切る手間を面倒くさがらず、真似して続けていきたいですね。
小物リメイク
着物を日常着にリメイクしましたが、そんなに数はいらないので、小物にもリメイクして使っています。着物リメイクで鋏を入れることに慣れてから、もっと細かく裁断することにも抵抗がなくなったようです。
バックやポーチ、カードケースなど。小物なら日常的に使えていいですよね。私も分けてもらい、日々使っています。
物が何もなかった時代を生きてきて、日常生活に倹約行動が染みついている義母の行動を見ていると、「見習いたいな」と我に返ります。