21世紀の啓蒙 下 #塚本本棚
ビルゲイツが”生涯の愛読書の一冊”と推奨したことで話題になった啓蒙書の下巻です。世の中の不幸をあおる認知バイアスを様々なエビデンスで覆しつつ、世界の今とこれからを俯瞰するデータベースともなる重厚濃密な一冊。
今日は「21世紀の啓蒙 下( https://amzn.to/32LaqJN )スティーブン・ピンカー (著) #塚本本棚
日本も日本人も変わっている(もはや”肌色”という単語が不適合なくらい、我々は多様である)現在において、願わくば少なくとも自分自身は啓蒙的であり、知識知性に豊かに人生を生きていきたいと感じさせてくれます。
※上巻の書評はこちら
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=3443532429006522&set=a.1265456976814089&type=3&theater
【本を読んで考えたことやメモ】
・人に定年はなかった。定年退職という言葉が生まれたのも、ここ50年の話。人類は豊かになりつつ、しかも徐々に労働から離れ自由な時間は増えている
・僕らは常に灯を手に入れられるし、電話代も劇的に安くなった。というより無料で、しかも顔を見ながら会話もできる
・物理的な旅に必要な費用も劇的に下がり、僕らは世界の多くの国に自由に行くことができ、様々な景色を見て体験することができる
・世界中の音楽を聞く事もできるし、世界中の食材を得ることもできる
・挑戦できる権利があるから後悔があり、豊かな生活と教養があるから不安がある。時間をさかのぼればどちらもなかった
・テロがいかに世の中を変えなかったか、天才たちがいかに悲観的な予想を外してきたか、終末時計がなぜ調子が悪いのか、それは人類の悲観論より人類の進歩がより強力だったから
・核は脅威だが、その保有数は減り続けている
・世界のボトムビリオン(最底辺の10億人)の中には100万人もの天才IQも含まれる。それらの人々も日々経済力を身につけつつある
・一人当たりGDPというような指標は”鉄と小麦の経済”の産物であり、”情報とデータ”または安心や安全、平等や幸せなどを測る指標としてはふさわしくない
・人は理性的にふるまっているようで主観的であったり、合理的であると思いきや非合理である(本書の中盤の設問で自分自身も気づかされる)
・人は立場でものをいう(人は自分の信条に反する内容を問われると、誰もが同じようにおろかになる)※本書の設問で試される
・下巻の後半部分は啓蒙主義者として、それでも蔓延する人の不合理に対して提言を行っているが、平たく言うと愚痴のようなものだった笑
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