世界は贈与でできている #塚本本棚
著者の直感と違い、プレゼントは現金が良いと思う派です(終わった)。
今日は「世界は贈与でできている( https://amzn.to/36gu4zM )」近内悠太 (著) #塚本本棚
【紹介文】
この資本主義社会で「お金で買えないもの=贈与」が果たしている役割とは何か?「人間」と「社会」の意外な本質を、みずみずしく平易な文体で驚くほどクリアに説き起こす。ビジネスパーソンから学生まで、見通しが立たない現代を生き抜くための、発見と知的興奮に満ちた「新しい哲学」の誕生!
【書評】
僕の頭では、何を言っているのか全く追いつかなかった。(3章まで読んで本を置きました...)
【本を読んで考えた・メモ】
・本書では”夫婦の子供に対するの無償の愛は、その夫婦が親からもらった贈与への返報だ”という主張があるが、僕は僕の親からそのようなものをもらっていないので、腑に落ちない。愛をもらっていなくても、子供を愛している。子供への愛は子供とのかかわりの中であふれ育まれており、親からの愛に報いるために、自分の子に愛を注いでいるとは思えない。
・本書では”(映画ペイフォワードの主人公の)トレバー少年が不遇の死を迎えたのは、贈与を受け取る前に人に贈与したから”と結論付けているが、しかし何をもってトレバー少年が何も(贈与を)受け取ってなかったと言い切れるのかが腑に落ちなかった。
・A+B=Xではなく、XだからAとBを足したはずだと言っているように見え、自己の理論に強制的に結び付けているような違和感を覚えた。トレバー少年が非業の死を遂げなかったならば、著者は”ペイフォワード以前に何らかの贈与をもらっていたはずだ”と結論付けるだろう。つまりどうとでもいえるのではないかと思える。
・結論ありきで事象を解釈しているように思える。”コロナで不幸になった飲食店店主の悲哀を撮りたい”という結論ありきで飲食店をインタビューし、”うちは逆にめちゃめちゃ儲かってますよ”というような飲食店の声は意図的にカットするような。
・Amazonのコメント欄にもあるが、僕も本書の「贈与」と「交換」の違いが判らず、もやもやした。
・僕らが行う投資や貸し借りに対して、著者は”偽善”、”他者を手段として使う行為”だと言われており、何か嫌悪感のようなものを感じる。仕事上の付き合いというものは、互いを手段として使うから友人関係になりづらいと書かれているが、全く同意できない...僕の今のほとんどの友人は、仕事上の付き合いから始まったものだからだ。
・資本主義に何か個人的な恨みでもあるのだろうか?
・贈与による効果、一つの結果があった時に、それが再現可能かどうかの実験というかファクトチェックがなされていないように感じてします。「ふんふん、なるほど。ん?あれ?再現性の検証はしないの?」ってなる