脳が壊れた #塚本本棚
これは完璧主義の著者が、高次脳機能障害によって妻の様々な”生き辛さ”に気づき感謝する恋愛エッセイだ。
今日は「脳が壊れた( https://amzn.to/2N5tyeF )鈴木 大介 (著) #塚本本棚
この本を読むと、生きる難しさも様々、幸せの形も様々なのだと感じる。そしてなまじ体がきちんと機能するからこそ、余裕のない生活をし、取りこぼしている幸せな風景があるという事も感じる。
本書の内容を文章として読むといささか現実味がわかないから、できれば映画にでもしてもらえないだろうか笑
【本を読んで考えた】
・著者は、はたから見れば不安定極まりない妻のことを誰よりも愛している。それに気が付くことができたとすれば、すべての疾患が一様に悪ではない
・妻からしてみると、夫が高次脳障害になった後の方がやさしくなってよかったとすら言っている
・16年、長く連れ添った夫婦のきずなというやつなのだろうか?単純な好き嫌いを超えた関係性を感じる
・世の中は完ぺきに生きようとすればするほど、期待値が高ければ高いほど、欲望が大きければ大きいほど残酷に見える
・ただ救われるのは、幸せは気が付けばほんのすぐそこにあったりするという事だ
・大切なのは何とか社会性を維持しようという努力と、相手に対する寛容(必ずしも”理解”する必要はない)
・病院に行けず、脳障害と診断される機会にも恵まれず、貧困に落ちて忘れ去られる少年少女も実は相当数いるのではないかと著者は感じているようだ
・このひとはなぜこうなのだろう?という他者への寛容を一歩進められる本
・片輪走行中の車のよう、指を動かすのも念動力が成功したかのような感動と労力、など独特の表現で何とか伝えようとしてくれている
・僕は一生懸命頑張るが、それを他者に強制することなく、寛容をもって接する距離感を、これからも身に着けていきたい
・自分を取り巻く社会コミュニティ全体の最適であればいいのだ。部分最適では意味がない
・ここまでなっても人は幸せを感じられるのだと思うと、少し勇気をもらえる