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【読書】ビジネス法務2024年12月号特集1「法務人材の「評価」」感想

法務人材の評価については、本当にいろいろ悩みを聞くし自分も悩み続けているので、期待を込めて読んでみた。以下、読書感想文です。
購入してみようかなと思った方は、ネットや大型書店で探してみてください。

評価する側のマネージャー、評価される側の社員とでは視点が異なるだろうが、残念ながら総論しかなく、全体通して読んでみても「評価するのが難しい」ということがはっきりわかったのみであった。
 本書内では、「人事制度とは?」のそもそもの意義から、目標設定の「立て方」までは述べられているものの、それをどう評価したか、すべきかといった評価者の視点まではあまり言及されておらず、消化不良な感じは否めなかった。
全編とおして「法務人材としてあるべき姿」を起点とした「とるべきアクション」「必要なスキルやマインド」の解説に寄っているように感じた。

とはいえそのような記載内容となってしまうのも当然のことであり、法務人材を評価する云々の前に、会社には会社で決めた統一人事評価制度があり、それも各社各様だし、法務だけを個別に評価する基準など作れるはずもなく、各組織に求められるミッションも在籍する人数も個々人のスキルもすべて違うのだから、画一的に「こうすべき」などと書けるはずもなく、あるべき論で終わってしまうのは、仕方のないことだと思う(それを再確認した)。

1つ、KADOKAWA法務部長の記事「一人法務のための評価サバイバル術」は他の記事とよりも異なる書き方をしていたので紹介したい。
ここでは、タイトルにあるとおり一人法務である点に加え、評価する側の上司が法務のことを知らないという条件において評価してもらうためのアクションを記載している。
 例えば以下の内容。

一人法務に限らず、高い評価を得るために重要になる視点として「評価者の立場から自分を見る」というものがある。被評価者の目線でどれほど努力していたとしても、その努力が評価者の期待からずれた方向に向かっていた場合には、当然ながら高い評価を得ることはできない。

ビジネス法務2024年12月号 片岡玄一氏「一人法務のための評価サバイバル術」より

当然なのだけど、ニュースで聞く限り、最近の若者は(と一括りにしていいとは思ってないが、あえてそう書く)社会貢献意識が高いとのことである。したがって、上司から指示を受けても「なぜ私がそれをやらねばならないのか?」を気にするようだ。しかし、「私は上司のために仕事してるわけではない!」と思う人であっても、一度立ち止まって考えて見た方がよいかもしれない。上司のために仕事してるわけではないけど、自分を評価するのは間違いなく上司であり、上司もその上司から評価される立場であり、その指示は会社が掲げる目標に基づいて設定されているはずである。上司が何を求めているのか、法務という組織をどうしていきたいのか、その中で自分に何を期待しているのか、といったことを自身で考えるのは、決して無駄ではないと思う(上司が自身の考えをしっかりと示すべきではあると思うが。)。

また、本記事で「自分はできてないな」と思う点があったのだが、目標設定時の目標の立て方において、以下の提言は参考になると思った。

法務における解決すべき課題とは、自社が抱える法的リスクのうち、発生可能性が高く(または現に発生しており)、事業へのインパクトが大きいものと言い換えることができる。そのため、(1)そのようなリスクを発見し、(2)法務の力でリスク管理に寄与できるものをピックアップしたうえで、(3)具体的な対処方法を策定し、その実現を目標にするというのがつがいてき設定時の動きとなる。

ビジネス法務2024年12月号 片岡玄一氏「一人法務のための評価サバイバル術」より

自然とできてる人もいるのかもしれないが、やはり法務の意義はリスク管理だな!と感じた。リスクを洗い出しても、それを自分の考えで目標設定するのは、なかなか難しいように思う。チャレンジしてみて良いのではなかろうか。

本書を手にとったときは、自分が評価者として、部下をどう評価すべきかという視点でいたが、そもそも自分も全然評価してもらえるような行動とれていないなと思えたので、反省しなければと思った。
次の会社の目標設定をする際には、本特集を再度読み返して何らか反映できたらいいな。

最後にある対談は、ちょっとレベル高すぎてわかりません。

以上

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