フェイクニュースをファクトチェックしたがる既存メディアと政府の真意は?
2024年4月12日に開催された総務省のワーキンググループ「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 」第14回を傍聴してみたんです。そこで感じたことを書いてみます。
BPO放送人権委員会の委員長でもある憲法学者の曽我部真裕・京都大学教授がプレゼンターとして出席されていて、規制を正当化するのに憲法を持ち出したのには驚きました。曽我部先生のプレゼン資料「情報流通の健全性と憲法」はこちらです https://www.soumu.go.jp/main_content/000942293.pdf
「デジタル立憲主義」という考え方を論拠にしているらしい。曽我部先生はBPO人権委の運営規則改正についても、気になる発言をされていました。詳しくはこちら。
それに対して法政大の藤代裕之教授が、「規制ありき」で進むことの危うさと、定義の明確化の必要性を指摘されていました。藤代先生は報道畑出身なので、憲法学者である曽我部先生とは立脚点からしてだいぶ違うみたいです。藤代先生のプレゼン資料「偽・誤情報とフェイクニュース対策の⽅向性」はこちらです。https://www.soumu.go.jp/main_content/000942298.pdf
今回のプレゼン内容を、藤代先生みずからヤフーの記事にされています。
偽・誤情報対策推進の動きは、震災を機に加速した感があります。この検討会では異例の速さで議論が進んでいるとか。なんだかきな臭いですね。
規制を強化することでネットの世界を支配下に置き、NHKはじめ既存メディアの権威回復を図る、という魂胆が透けて見えるのです。
現状では、ネット民がマスコミの欺瞞を暴き、SNSが世論形成に寄与しています。これではマスコミだけでなく、政権与党にとっても都合が悪い。だから、総務省と既存メディアと一部の学者たちで話し合い、規制強化しようとしているのでしょう。
明らかにこれは表現の自由と真正面からぶつかるんだけど、表現の自由を盾にしてやりたい放題してきたマスコミは、どう整合性をつけるんでしょうね? 裏金だか機密費だかで飼いならされて政府広報化してるから、「表現の自由」なんて、もはやどうでもいいのでしょうか?
政府としては情報統制しておけば、「有事」の際にも何かと便利ですよね。マスコミは懐柔ずみなので、Xなどのプラットフォーマーとヤフーニュース等のニュースプラットフォーマーを掌握すれば、ネット民を黙らせることができる。批判を封じたあかつきには……戦争の準備?
偽・誤情報を規制する真の狙いを考えると、恐ろしくて眠れなくなりそうです。
一個人がSNSで好きなように呟くことも、早晩できなくなるかもしれません。「そんなのヤダよ」と思う人は、政府とマスコミの動向をよく見ててください。
★総務省のワーキンググループは、誰でもオンラインで傍聴できます。いちど覗いてみることをお勧めします。次回は4月17日(水)13:00~です。
※要事前申し込み。〆切は4月16日(火)10:00です https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_space/
★総務省のサイトに、過去のWGの概要と資料が掲載されています。
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