予定外から始まった
福山にて
無事に福山で私設図書館のオーナーさんの元にたどり着き、喫茶店でご友人とお話している中お邪魔した。
オーナーさんはもちろんのこと、ご友人の方も突然現れた初対面の僕を快く迎い入れてくれ、色々と興味深いお話をさせていただきました。
そして、ご友人の方が福山のゲストハウスで働いているという事で福山の街案内を少ししてくれた上に、オススメのお店などもたくさん教えて頂いた。
皆さんお忙しい中ギリギリまで僕とお話をしていただき、やがて夜も近付きお別れの時間となった。
この日の夕飯を済ませようと先程オススメして頂いたおでん・洋食居酒屋「自由軒」さんに行った。
別の人にもここには絶対行った方が良いと言われていたので間違いないだろうと思った。
ちょうど夕飯時という事もあり仕事帰りの人等が多く見受けられたが待ち時間もなくスムーズに座る事ができた。
カウンター席に座りオススメを店員さんに訊くと隣に座っていたリリー・フランキーに似たおじ様も店員さんと一緒にいくつかのメニューをオススメしてくれた。
超常連さんである隣の席のおじ様がどのメニューでも全くはずれがないと言った通り、ここで食べたものは全て美味しく、このお店に来て大正解だと思った。教えていただいたことに大感謝である。
しかもこの常連さんがそれぞれのメニューのオススメの食べ方まで教えてくれて、頼まないと出てこない調味料などを出してもらったりした。これには笑った。
僕の旅の話を少しすると呉出身であるおじ様は僕が呉を飛ばしたことに根を持っていたが、いずれ必ず行く予定だと言うと呉のオススメまで教えてくれた。とても良い人だった。
軽い腹ごしらえを済ませ、二軒目に向かった。夜からしか開かないサンドイッチ屋さん。広島には「夜からしか開かない」縛りが他にもあるのかと考えた。
その縛りがあるからこそ行きたくなる気持ちもとてもわかる。実際にはそんな縛りはないだろうが。
まだ営業時間になったばかりのサンドイッチ屋さんに行くと、スカジャンを着たハリーポッターのハグリッドの様な風貌の店主さんがドシっとした存在感を出していた。
イカついと思うのも束の間、ものすごく柔和な微笑みと優しい口調で話しかけてくれたので威圧感を感じないどころか、かなり親しみやすさのある方でした。
そして、話の内容も興味深く、歴史や政治、哲学、科学など多岐にわたる話題を横断して、個人的にはドストライクな面白さだったし、サンドイッチもかなり美味しかった。
二軒目に来てまたしても大正解&教えて頂き大感謝である。
ああ、福山というこんなにも面白い街を知ることなく四国へ渡るなんて、なんともったいないことをするところだったんだろう!と大満足の夜を過ごし、また必ず来ようという気持ちのまま眠りについた。
作戦変更
翌朝、眠りから覚めその日の予定を考えた。
さて、福山まで来てしまうと尾道から船で四国へ渡るより、岡山に一度戻って電車で高松に行った方が早いみたいだな。よし、作戦変更!電車で高松へ!
そうと決まれば目指すは当然「なタ書」さん。尾道の古本屋さんでショップカードの配達も頼まれていたし、紹介していただいた私設図書館のオーナーさんとも会えたのでお礼なども兼ねてと行く理由はいくらでもあった。
来店の予約を済ませ、予約時間までの間うどんを食べる。完璧な流れ。
朝飯は軽めに済ませ、昼過ぎに前回訪れた時気に入ったうどん屋さんで麺を流し込む。
予約時間の14時も近付いたためなタ書さんへ向かう。商店街の路地裏にある為、まだ二回目の僕は軽く迷いながら到着。つい先日放火にあった入口の扉が生々しさを残したまま開かれていた。
店に入ると誰かと話している声が奥から聞こえた。
入って行くとスーツ姿の男性とおしゃれな女性とキキさんが話をしていた。
「あ、こんにちは。土山さんですね。どうぞ、僕は火災保険の手続きをしていますが、ゆっくり見ていってください」
なんというタイミング!そして、なんというたくましさ!
少しすると「土山さん、ちょっと僕保険の契約する前に絵本の読み聞かせをしなきゃいけないので撮影してください」と頼まれたりしながら、このお店を堪能した。
ご紹介
契約も終わり、店主のキキさんとゆっくりお話する事ができ、ご紹介して頂いた事へのお礼や前回ここに来たのがきっかけでこれから自分がやりたいことが固まり、その内容などについて話した。
すると「あ、それなら土山さんにぴったりの人がいます。ちょっと待ってください。」と電話をかけ始めた。
「筒井ファミリーにぴったりの人がいるんだけど」と始まり、少し話して電話を切ると「時間があまりないみたいなので今から行きましょうか」とお店を閉め始めたため、急いで手に持っていた本のお会計を済ませて店を出た。
道中で「筒井ファミリーとはどのような活動をしている団体なんでしょうか」と尋ねると「団体じゃなくて……活動も……うーん、直接話した方が早い」とこれからどんな人と会うのかいまいちよく分からないまま向かった。
当然、不安の気持ちよりワクワクする気持ちの方が大きかった。
つづく