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バイデンの演説翻訳比較その4

バイデン大統領就任演説について、新聞各紙がどう翻訳したか?を調べています。今回取り上げるのはコチラ。

So now,on this hallowed ground where just days ago violence sought to shake this Capital's very foundation,we come together as one nation,under god,invisible,to carry out the peafeful transfer of power as we have for more than two centuries.

化粧の下地のことを「ファンデーション」ということくらいは私も知っておりまして、「foundation」という言葉が出てきたので、どんな意味なのかなと思っていたところ、調べてみると「土台」「礎」「基礎」と訳してあり、ああ、どちらも「下地」であるなーと納得いたしました。「foundation」はラテン語に遡ると(このあたりはやや情報が曖昧であることご了承ください)「fund」で「築いた基礎」あるいは「基礎を築く」といった意味がある言葉なんだそうです。「foundation」に「創立」「財団」などの意味があるのはそのためではないかと思われます。ロームミュージックファンデーションとかのファンデーションですね。金融のことはよくわかりませんが「投資ファンド」とかの「ファンド」も語源を辿れば同じなんじゃないでしょうか。

その「土台」「礎」「基礎」を何がどうしたのか?といいますと、これは記憶に新しい事件ですが、

●「京都新聞」
暴力が連邦議会議事堂の土台を揺るがそうとした。

●「読売新聞」
連邦議事堂の土台を揺さぶる暴力が起きた。

●「朝日新聞」
暴力が連邦議会議事堂の礎を揺るがそうとしました。

●「産経新聞」
暴力が連邦議会の基礎を揺るがそうとした〜

●「日経新聞」
暴力が議事堂の土台を揺るがそうとした〜

となっています。
少しネットで調べると、「sought to 動詞」で「動詞しようとした」になることはわかります。

長くなりそうだからまとめるよ。「知らんけど」。私のような素人ほど、これを鵜呑みにした訳をしがちですが、これこそ、英語を誤解してしまう最大の原因ではないかと思います。素人ゆえ、あまりうまく説明できませんが、例えば「りんご」=「apple」と我々は思いがちですが、本来「りんご」と「apple」は別物のはずです。私たち日本人の思い浮かべる「りんご」とニューヨークに住むアメリカ人の言う「apple」は違うはずです。似て非なるものですが、「ああ、君たちがリンゴといってるそれは我々の言うところのappleのようなものだね」ということで便宜上「イコール」にしているにすぎないのではないかと思います。英語を勉強するには、そういう前提があるほうが実はわかりやすいのではないかと思います。ところが、我々は相変わらずgoogle検索などでも「sought to 意味」で調べたら「〜しようとした」と出てくるから、それをそのまま拝借してしまいます。しかも、「sought」なんて、なんの因果か日本語読みしたら「ソウト」ではありませんか!「sought to shake」をほとんどの新聞が「揺るが"そうと"した」と訳しているのには、そういういわゆるダジャレ根性が左右しているのではないか、などというくだらないことを考えてしまう私がダジャレ根性の塊なのだろうと思いますが、そういう風に見てみると、「読売新聞」の訳し方は非常に好感が持てます。

長くなりすぎたからまとめるよ、「知らんけど」。


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